第5区間 徳島駅⇒吉野川河口
(青線は参考)
徳島市駅前の、暑い空の下に立ったタイミングで、対戦相手――まりん――から座標が届いた。
ひどく納得なことに、吉野川の河口、そのど真ん中。
速攻で得意の土俵に陣取ったよう。さて、どうやって陸の上に引き上げてやろうか?
徳島市街が大壊滅だね、と思うと自然に笑いが口から漏れたのだった。
靴底にローラーブレードを成形した。
待たせるのも悪いと思うし、てことで僕は食事も取らず、対戦場所に向けて走り出したのだった。
川岸に到着する。足が止まった。
「うわあぁぁ!」
“百科事典”によると、
『吉野川は、高知県と徳島県を流れる一級水系。流路延長は194km。川幅最長部は2380m。 総延長は江の川に次いで全国で13番目に長く、川幅は荒川に次いで全国で2番目に大きい』
とのことです……。
今――
見渡す川面はきらきらと輝き、涼しげな風が渡ってくる。その色は深く青く、流れは太く、まさに清流、まさに大河だったのでありました。
「……吉野川って、海だね」
嘘偽りのない、感慨だったのです。
そして川の真ん中に、彼女が凜として立ち上がっていて――
青い水面を背景に、プレイヤーネーム、まりん――
オリハを働かせ、視界を望遠モードにします。
こんがりと小麦色に焼けた肌。肩まで伸びるストレートの銀髪、明るい青色した瞳、長い睫。
ととのった鼻すじ、笑みが似合いそうな薄いくちびる。
小ぶりの耳。均整のとれた顔のライン、細い首。
スレンダーな体つき……。
そして、身に付けているアウターは、いかにもな――紺色の、競泳用水着だったのでした。
海域ならいざ知らず、陸地を、そんな姿で歩き回っていたのでしょうか? 顔が熱くなります。
彼女も、僕のこと、拡大して見ていたのでしょう、納得したように一つ、頷いたのでした。
キリッと引き締まった声を、僕のオリハに送ってくる。
『勝たしてもらうわ。恨まないでね!』
バトルの時間だった。




