3、書籍化に成功するもまさかのメンタル崩壊(?)でそのままこつ然と消えたCさん
さあ、“消えた書籍化作家列伝シリーズ”も今回が最後です!
私がCさんのことを知ったきっかけはCさんが拙作『七柱記―それは神々と鬼たちとの戦い。書物では決して語られることのなかった日本の神話の裏面史である―』に高評価をしてくれたことです。
当時自分の作品がなかなか読まれることなく苦しんでいた私にとっては非常に嬉しいことでした。
しかもそのあと直接メッセージをいただき、この作品はもっと評価されてもいい、書籍化されないのはおかしい、自分の作品よりクオリティーが上だ、など本当に作者冥利に尽きることを言っていただいたものでした。
それ以来私とCさんの親密な付き合いが始まりました。
Cさんは当時流行の(今でもかもしれませんが)異世界転生物を書いていて、テンプレ作品は最初こそ面白く書けるが、書き続けているとだんだん飽きてくる、などの裏話も聞いたものでした。
それから程なくして、Cさんの例の異世界転生物の作品の書籍化が決まった、という嬉しいニュースが飛び込んできました。
ただCさんはナーバスになっているのか、一発屋になりはしないかとビクビクしている、打ち切りになったら一人で酒宴を開く、などちょっと弱気になっているようなメッセージが私の元に届きました。
結局書籍化の結果はどうなったのか?
見事Cさんの作品には重版がかかりました!
ふう、良かった。
これで少なくともCさんが一発屋になることはない。
私もこの結果をCさんの活動報告で知り、ほっと胸をなでおろしました。
ところがです。
その後Cさんの様子に“異変”が見られるようになりました。
Cさんは酷い体調不良になって寝込んでしまったのです。
Cさんの割烹による報告によればそれはなかなか深刻そうなものでした。
私も心配になって大丈夫ですか、などのメッセージをCさんの割烹などに送ったりしたものでした。
その後ほどなくしてCさんの作品の更新が完全に止まってしまいました。
さらにCさんから、何でもいいから言葉をかけてください、という悲痛なメッセージが送られてきたのがCさんとの最後のやり取りになりました。
私がCさんのメッセージに返信しなかったのは、正直このときのCさんになんと言葉をかけていいのか見当がつかなかったからです。
昔何かのテレビ番組である芸人が自分にとって一番困ることは、何か面白いことをやって、などと言われることだ、と漏らしていたことがありましたが、あれに近い感じです。
もっとも仮に私が何か声をかけたところでCさんを完全に満足させることはできなかったかと思われます。
おそらく当時のCさんが抱えていた悩みは創作上の、それもかなり深刻なレベルの悩みだったと思います。
この問題にはCさん自身が答えを出すしかないと思いますし、もしそこを全部私が答えていたら極端な話、私がCさんに印税を請求できるレベルの作品が出来上がってしまいます。
結局その後Cさんの作品は二度と更新されることはなく、Cさんはそのまま筆を折ってしまうような形になってしまいました。
作品には重版がかかっていただけに、こういう形でCさんの作家人生が終わってしまったのは本当に残念です。
Cさんが一発屋になってしまった理由は続きが書けなくなってしまったことと見て間違いないでしょう。
少なくとも重版がかかっていた以上、売り上げ不振ではないことだけは確かです。
ちなみにCさんは今回紹介している三人の作家の中で唯一の異世界転生物の作者です。
他の作者はそれぞれ、Aさんはラブコメ、Bさんはライト文芸(ヒューマンドラマ)です。
あと以前紹介したAさんが○ちゃんねるに書き込みをしたエピソードのときに、Aさんに対するコメントにラブコメなんて書くな、異世界転生物を書け、といったことを書かれた方がおりました。
ただこのエピソードを見れば流行り物を書いても成功する保証は全くないことが分かります。
流行り物を書いてもダメ、真剣に取り組んでもうまくいかない。
Cさんのケースからは書籍化というものは本当に難しいものだと改めて思い知らされた次第です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回は書籍化が失敗してしまうケースに関するまとめです。