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2、二冊の本の書籍化に成功するも、職をなくし、そのまま作家への道も失ったBさん

 はい、今回は消えた書籍化作家列伝第二弾ですねー!



 私がBさんを知ったきっかけはBさんが「小説家になろう」内で投稿していたあるエッセイがきっかけでした。

 それは書籍化&デビューがすでに決まっていたBさんがデビュー決定から実際に書籍化に至るまでの苦労話を書いたものでした。

 そのエッセイの内容がかなり面白いもので、読んだ私は一気に引き込まれました。

 それからエッセイなどの作品や活動報告などに感想や書き込みなどをするようになり、すごく親しいとは言えないまでも顔見知り程度の関係にはなりました。



 自分がエッセイを読んで強く印象に残ったのは、とにかくBさんが自分の作品なり書籍化作業なりに真摯に向き合い、本当に熱心に取り組んでいるということでした。

 それは自分から見ても素直に尊敬したくなるほどのものでした。

 当時のBさんのエッセイの読者には私と同じような感想を持った読者が結構いたようで、ポイントもそれなりに入っておりました。

 もっともそのポイントがBさんの書籍化作品を上回ってしまっているというオチはありましたが。


 そのエッセイの内容を最近読み返したのですが、今読んでも素晴らしいものでこの場で紹介したいくらいのレベルのものです。

 まあそれをやるとBさんの正体が百パーセントばれてしまうので、紹介できないのが本当に残念です。



 さてBさんの一回目の書籍化作品の結果はどうなったのか?


 Bさんによれば二巻目を出すにはわずかに売り上げが届かなかった、という惜しいものだったようです。

 このことはBさんの続編のエッセイに書かれておりました。

 ただ一冊目とは別タイトルで書籍化が決定した、とのこともやはり続編に書かれていました。

 それは楽しみだ、と私も思ってエッセイをどんどん読み進めて行ったのですが、あるとき非常に引っかかることが書いてありました。


 なんとBさん、仕事を辞めてしまったらしいのです。


 自分はそれを見た瞬間、さすがにそれはマズイんじゃないか、と思いました。

 編集さんとかに止められなかったのかなあ、とも思いました。

 もっともBさんによれば父が亡くなったりして、心身のバランスを崩したことが仕事を辞めた原因のようでしたが。

 二冊目の書籍化を決めて調子に乗ったから、という理由ではなかったようです。

 ただBさんが仕事を辞めた直後には親族に説教などもされてしまったようですが…。



 さて、Bさんの二回目の書籍化の結果はどうだったのか?


 不明です。

 もっとも次の事実から結果はある程度推測できます。


 それは書籍の発売から程なくしてBさんのなろうの作品の更新が途絶えてしまった、という事実です。


 最近私がBさんに関するネット上での痕跡を調べなおしたところ、小説家になろうのアカウントだけは残っておりましたが、SNSや他の小説投稿サイトのアカウントも消されてしまっていました。

 なろうのアカウント以外ではアマゾンの本人の書籍のページだけが唯一確認できるBさんの痕跡でした。

 Bさんは二冊目の本が発売されたあと、こつ然と姿を消してしまった。

 そんな印象が残る結末でした。



 私はこのページを書くにあたり、Bさんの過去の書籍化に関するエッセイを全部読み直してみました。

 それは改めて読み直してみても、Bさんの書籍化にかける思い、真摯に書籍化作業に向き合う姿勢といったものが伝わってくる素晴らしい内容でした。

 そして在りし日のBさんの姿、今のBさんはどう過ごしているのだろうか、ということに思いを馳せました。


 今Bさんがどう過ごしているのか、ということに関してはおそらく今後どれだけ調べようが分かることはないのでしょう。

 個人的にはBさんが仕事を辞めてしまったことも含めて心配で、また悲しく、寂しくもありますが、もう起こってしまったことはどうしようもありません。


 今回言えることはやはり書籍化に関する冷徹な現実でしょうか?


 残念ながら本人が書籍化に真面目に取り組んだとか、真摯に作品に向き合ったとか、そういうことはこの世界では一切関係ありません。

 求められるのは結果、プロは何より結果で判断されます。

 Bさんの件で私はこの現実を再確認しました。

 そしてこの厳しい現実を受け入れられない人間は正直書籍化などしないほうがいいかな、と思います。



 今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言]  それはそれとして、仕事やめたくて、書籍化したい人もたくさんいるんでしょうね(苦笑)
[一言]  光ある処に影はある。  そんな印象を受ける作品ですね。  趣味のうちはいいですがお金が絡むと純粋さは失われてしまいます。  哀しい現実ですね。  
[良い点] このエッセイの次の作品、B氏の話はもっとえげつないないですね。だって、職を辞めて、本が売れなかったら、人生アウトです。 ちなみに、私は死ぬまでに1冊は本を出したいです。生きた記念にです。そ…
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