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1、突然○ちゃんねるに謎の自作品の“爆死宣言”を行ったあと、消息を絶ったAさん

 まず紹介するのはAさんです。

 なぜ最初に紹介する作家としてAさんを選んだのか?

 それはこの方が色々な意味で強烈な、あまりにもクセの強いキャラクターだった、ということに尽きます。

 おそらく私はこの方を忘れることは一生ないでしょう、それくらいの強烈キャラです。


 あとこの方、実は作家デビューのきっかけは他サイトで賞を受賞したことなので、厳密に言えばなろう作家とは言えないかもしれません。

 ただなろうでも代表作は○万ポイント以上獲得していますし、読み専が作品を紹介するエッセイにも作品が載るほどでした。

 なので全盛期にはそれなりの人気を誇っていたのは間違いありません。



 この方に興味を持ったきっかけはなんといってもAさんが他サイトで賞を取り、華々しくデビューを飾ったことにありました。

 そこで私はそのサイトのAさんのページに行き、いくつかの作品を読んでみました。

 するとなるほど、さすがに賞を取るだけのことはありどれも面白い。

 そう感じた私はAさんの作品三つほどにレビューを書き、さらにAさんのツイッターにメッセージを送りました。


 私Aさんの作品見てレビュー書きましたよー、面白かったですよー、ってな感じです。


 するとAさんからどんな反応が返ってきたのか?


 なんと私はAさんに思いっきりブチギレられました!


 当時の私はなんで自分が怒られてしまったのか、理由がさっぱり分からず、ポカーン状態でぼう然としてしまったことをよく覚えています。

 ただ今となってはですが、思い当たるフシが二つほどあります。


 一つは私がレビューを書いた作品の中にAさんの代表作が含まれていなかったこと。

 私も自分の一番レビューを書いて欲しい作品以外にレビューが書かれたりすると、正直がっかりすることもあるので、気持ちは分からなくもありません。


 あとは私がツイッターにわざわざメッセージを送ったこと。

 おそらくあれもAさんにとって恩着せがましく感じられたのでしょう。

 ちなみにこの一件以降、他の方の作品にレビューを書いたあとでもSNSにメッセージを送るような真似は二度としないようになりました。


 まあ、実際のところはAさんに直接聞いてみない限り分かりませんけどね。


 これが私とAさんが直接コンタクトした最初で最後の機会になりました。

 さすがに一度ブチギレられた相手ともう一度やり取りするほどの勇気はなかったので。

 あとぶっちゃけて言ってしまうと、Aさんは二度と近づきたくない類の相手だと思ったのもありますが。


 ただ一方でAさんに強い興味を持ったのも確かでした。

 まあ、これは私の性格がひねくれているだけなのかもしれませんが。(笑)


 というわけで、このあと私はAさんのことは遠巻きに観察していくことにしました。



 あと私との一件以外にも、私はAさんがブチギレているのを一度目撃したことがあります。

 それは当時の私の知り合いが書いていた他サイト上のエッセイに関することです。

 その知り合いは自分のエッセイに意見を書いていたのですが、その意見が気に食わなかったようで、その知り合いにAさんは猛然と食ってかかっていました。


 書籍化作家である自分は何をやっても許される。

 当時のAさんはそう考えているのではないか、とこちらが勘繰りたくなるレベルのヤバイ人でした。

 しかし後にAさんはこれらの出来事もかわいく思えるほどのことをしでかすことになります。



 それはAさんの作品が発売されてから二週間ほど過ぎたときに起こりました。

 突然Aさんは○ちゃんねるにある書き込みをしたのです。

 それはこんなような内容でした。


 自分の作品が初動の売り上げが悪く続刊が難しいと担当の方から言われた。

 担当の編集さんは自分にとても良くしてくれた。

 続刊が出せなかったのは自分の力が足りなかっただけだ。

 本の売り上げは初動が一番大事なようなので、気になる作者さんの本が出る時は最初の一週間で買ってあげて欲しい。


 皆さんはこれを見てどう思われたでしょうか?


 ちなみに私は最初にこれを見たときは我が目を疑いました。

 そもそも作品の続刊を出すのが厳しい、という理由で掲示板にこんな内容の書き込みをすること自体が自分の想像をはるかに超えたことだったからです。

 それも発売からまだ二週間程度しかたっていないタイミングでこんなことを書く意味が自分には全く理解できませんでした。

 それでも少し冷静になったあとに考えました。


 こんなことをしてAさんに、あるいは出版社にプラスになることがあるのか?


 ちなみにこの出版社はこの業界で名を知らぬものはいない大手の出版社でした。

 Aさんとしては、編集さんは自分にとても良くしてくれた、続刊が出せなかったのは自分の力が足りなかっただけだ、と書いたことで出版社側をフォローしたつもりだったかもしれません。

 ただそれでも内容全体としては自分の作品が売れなかったのは出版社にも責任がある、とも取れる内容です。

 少なくともこの書き込みを見た担当の編集者や出版社が喜ぶような内容とはとうてい思えません。

 実際私と似たような感想を抱いた読者もいたようで、Aさんの作品のアマ○ンなどのレビューには、


 作者は自ら続刊の可能性を潰した。

 出版社に安いケンカを売った。

 仕入れている本屋や他の作者に与える影響を考えろ!


 といったような書き込みもされておりました。

 率直に言って、Aさんにも出版社にも何のプラスの影響を及ぼさない行動だったように思います。



 その後もAさんは細々と活動を続けたようです。


 アッ、なんかタイトルをみるとAさんがすぐに消えてしまったかのような表現になっておりますが、それは間違いです、スイマセン。(補足情報)


 ただこのあと、自分のAさんに対する興味が薄れたことや自身の活動が忙しかったこともあり、しばらく私がAさんの様子を見ることは無くなっていました。

 そうして最近ふとAさんのことを思い出し、なろうのAさんのページをのぞきに行ってみると、もう数年ほど前にAさんの作品の更新は止まっておりました。


 結局デビュー作のあと、二度とAさんの作品が書籍化されることはありませんでした。



 なぜAさんが筆を折ってしまったかについては実際のところは本人に聞いてみないと分からないとは思います。

 でもAさんの置かれた状況からある程度推測することはできます。


 Aさんのなろうのページを見ると、書籍化された代表作をピークにその後の作品は確実にポイントが低下しておりました。

 そんな状況に置かれればAさんでなくても、嫌でも自分に明るい未来などないことに気づかされたことでしょう。



 それにしてもなぜAさんは結局“一発屋”のような形で創作活動を終えることになってしまったのでしょうかね?


 例の書き込みが原因で出版社の信用を失った可能性は否定できません。

 もっともこれも実際のところは確かめようもありませんが。


 あとやはり“人間関係”の可能性はありますかね。

 もし私や他のユーザーにブチギレたような行動を他でも繰り返していたとすれば、Aさんのファンはそのたびに減っていったことでしょう。

 少なくともそんな人間の書いた本を買おうなどと考える読者がそんなにいるとは思いません。

 もっとうまいやり方はなかったものか、と今でも思わずにはいられませんね。

 まあ、今回の教訓は本を買ってもらうには作者自身の行動や人間関係も大事、ということでしょうか?



 アッ、最後に大事なことを言い忘れていました!

 私は何もAさんにブチギレられたことを今でも根に持っているからこのことを書いたわけじゃありませんからねー。

 それを証拠にAさんの正体をほとんどの方が特定できなかったはずです。

 仮に特定できて私にAさんってひょっとして○○さんのことですかー、などと聞いてこられても私は一切答えませんからねー。

 このことを強調しすぎるほど強調して今回の話を終えたいと思います。



 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
作者は感想を喜ぶ、とにかく送れと言う話をよく目にするけど、こう言うの見るとちょっと怖いなあと思ってしまう。でもきっと、こんな強火の人ばっかりじゃないですよね?
[良い点] たとえ不満に思ったとしても喧嘩を売られてない限りは喧嘩腰で反論してはいけないと思いますね。 せっかく才能があるのに勿体ないなと思いました。 [一言]  私は基本短編を拝読するのが好きなので…
[一言] 自分の能力の天井を見たんだろうなって で心が折れたと一発屋によくあることだともいましたね
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