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天使

作者: Tola

恋したのは聖人じゃなく堕天使だったから

今日もぼくはきみの背中を守る

誰かに連れていかれないように

また羽根が生えて飛んでいってしまわないように


時折うんざりするようなことが起きるのは

きみに愛される幸運の代償なのかもな

だってひどく人間的なやりかたできみを手に入れるとき

ぼくはこの世で一番しあわせで

天にも昇る気持ちなんだ、皮肉にも


くだんのきみは地上の水にもすっかり慣れて

みんなの心を奪ってまわる

水晶の声や蝶がはばたくみたいなウインクで

でも夜にはぼくのベッドに戻ってきて

やわらかく小さな子猫に戻る


愛したのは替えのきかない堕天使だったから

今日もぼくはきみを抱きよせる

どこかに連れていかれないように

ぼく以外のひとが目に入らないように


ねぇ、山は空が近くて危ないからさ

やっぱり明日は海に行こうよ

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