姫と付き人の決意
「いやだ!ママ!パパ!」
「ダメです!姫様!行ってはなりません!」
二人の少女が燃え盛る、城から逃げ出してきた、言わば落城する城から脱出した貴族の子供だ。
「離してよ!パパ.....!?」
突然、侍女が自分の主である少女にビンタをしてキツく叱った。
「良いですか姫様!あなたのご両親は、貴方を守る為に、身を挺したのですよ!ここで戻ったらお二方の死の意味がありません!」
叱られた少女は、涙を流しながら「ありがとう、アレノアさん吹っ切れましたわ、今では無く此からを考えましょう。」
しかし、敵は待ってはくれない、すぐに騎兵三人が二人を見つけ命を奪おうと襲ってきた。
当然二人はまだ10歳の少女と16になったばかりの少女であり、戦慣れした兵士相手では勝てないはずだった。
「私を甘く見ないことですわ!ライトニング!」
ネーナは、なんと無詠唱で初級の雷魔法を放ち追っ手を三人まとめて倒したが魔力が尽きそのまま座り込んでしまった。そんな主をアレノアが、抱き抱えて高速移動魔法を使用した。
「行きますよネーナ様!ウィムーブ!」
風を纏った、高速移動魔法で城から遠く離れた農村へと来た。どうやら、革命と言うわけでなく、村人達が少女二人を匿ってくれた。
そして、隣国へと向かう商人の荷馬車の中に乗り、故郷を後にした。
ここは、魔法科学を有する異世界に存在する大陸スフィア。
魔法科学と言っても 、高度な物ではなく初歩的な物であり、まだまだ発展途上である。
今スフィア大陸では、革命によって一つの王朝が滅び去り、イストル帝国と呼ばれる帝国が生まれた。
イストル帝国は、周辺諸国を次々と飲み込み、十年にしてスフィア大陸の4分の1をその手中に納め、各王国は対イストル同盟を結成し迎え打っていた。
その同盟の中に、王国ザンツワーグと呼ばれる小さい王国があった。
はじめは、諸国王達はこの国を無視しており、隣国ベル=カーディフ二重王国やプロヴィス王国などの強化な大国に頼り、この二の王国を主軸に戦をしていった。
しかし、従来の戦のルールを無視した戦術によりことごとく敗北を重ね、東の魔王領カンブリアすら脅かす程になっていた。
そんな中で、ザンツワーグ王国は確かな力を見せつけ、イストル帝国に小規模ではあるものの
はじめまして、敷島です。今後不定期ながら投稿していきますのでよろしくお願いします。