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ブレイブリングとか言う腕輪について(仮)  作者: 白乃ひまわり
オスカラ村で(前編)
9/26

その9

「煙が上がっている。あそこが村かな。」


予想より早く着いた。


「あの、ここがオスカラ村?」


「そうだが、何か用か?」

「魔物退治に来た冒険者です。」

「ふむ。そうでしたか。族長はあちらです。どうぞ。」


村に入り辺りを見渡す。おおう、獣人率高いな。獣人の方の村でしたか。


「奴らが現れ始めたのは3ヶ月ほど前で、最初は家畜や農作物が荒らされるようになりました・・・。」


族長さんが語り始めた。

家畜や農作物の被害がでたので、このままでは・・・ということで、村の若い連中を引き連れてゴブリン討伐へ向かった。

討伐は成功で多くを倒すことができた。例年通りならば、これで収まるはずだった。しかし、今回は違ったらしい。


どうやら魔物の数が多いようで、倒したのはごく一部だった。ならばたくさん倒せばいいと意気込んだ。ゴブリンなど幾ら出てこようが物の数ではない。

それは最初だけだった。なぜならば魔物の群れには上位種が混じっていたからだ。

遠距離攻撃のゴブリンアーチャー、魔法を使うゴブリンメイジ、大きな個体のジャイアントゴブリンなど。


これらを相手にする事は容易でなく、すでに人的被害が出てしまっていた。

このままでは、村を捨てるしか手はないと。


「そ、それで、他の冒険者の方はいつ到着になるので?」


「ここにいますけど?」


「へ?他には?」


「いえ、他の冒険者は居ないですけど。」

「え?お1人で?」

「そうだけど・・・。」


そうだよね。もっと多勢で歴戦の猛者が来てくれると期待してたところに、小娘が1人だもんね。

他の人達もがっかりしている。


「今から援軍を呼ぶとなると往復で10日程かかってしまいますが・・・。」

「そんな悠長(ゆうちょう)な・・・。いつ魔物共の総攻撃が来るかわかりませんのですぞ。」


「あちらの数は?」


「少なく見積もって30以上。」

「ちなみにこちらの数は?」

「動員できるのは十数名。その他は女子供になります・・・。」

「どっちかとえば、俺も女子供の部類なんだけど。」


「って、ちょっと、行かないで下さい・・・。」


魔物20くらいって聞いてたんですが。上位種が居るだなんて聞いてないし。



ともあれ、依頼は依頼。受けてしまった以上、しっかりとこなすのだ。


村の周りの地形や防護柵の状況を見て回る。防護柵は所々傷んではいるが補修されてるようだ。

村の周りは開墾が進んでおり障害物の少なく平地が開けている。しかし戦いのためか踏み荒らされた状態で作物は育っていない。ふむ。その先の森から魔物が来るのだろう。

すぐそばに小川も流れていてる。村の水源だ。


なるほどね・・・。



うん。地形を調べて何かいいアイデアがあると思った?


残念ながらこの地形を目にしても何も浮かばないのだ。

これは才能が無いから・・・?


夕食は族長さん宅に呼ばれた。

族長と息子さんとその奥さんそれに娘さんが1人。


「大したものは出せませんが、ささ、召し上がって下され。」


「えーん、今日も野菜のスープなの。お肉が食べたいよー。」

「すまんな。魔物のせいで・・・。」


そんなこんなの会話の中、自分だけ客人扱いのためかご飯大盛りであった。この状況でそんな話をされると、めっちゃ食べ辛いんだけど・・・。


「良かったら食べる?こんなにたくさん食べきれないから。」

「いいの?おねえちゃんありがとう。」


うんうん。子供は食べて大きくならないとね。

チラリ。髪の毛の毛並みと耳が特徴的なので獣人なのはわかる。失礼かと思って種族は尋ねていないが女性の胸が大きな種族だ。草食動物系・・・?


別に・・・。たくさん食べて大きくなろうと思ってないから。




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