その3
・・・って時期がありました。
どうやってこの危機を乗り切ったかというと・・・これだ。
ブレイブリングとマラカイドリング。
ブレイブリングはリングとあるが腕にはめるリングである。効果はHP上昇とHP自動回復なのだが、アイテムの説明に勇気が出ると書かれていた。もちろんゲームの中では勇気というパラメータは存在しない。
マラカイドリングは主に魔法耐性と状態異常耐性アップだ。その中には恐怖耐性も含まれる。
もしかしてと思い装備すると効果抜群だった。
これが勇気と言えるのかわからないが、何とも言えない感覚が沸き起こったのだ。
とにかく失敗を恐れず前へ進みたいと思った。生きる原動力とも言い換えることが出来るのかもしれない。
この気持ちが他の感情よりも上回ったのである。
あれから2週間ほど経過している。
冒険者ギルドで登録を行った。冒険者ギルドでは様々な依頼を受ける事ができて達成すると報酬を得る事ができる。
あとは身分証明。どこの誰々さんという事をギルドが保証してくれるのだ。これが無いと町への出入りの際、あれこれ調べられてメンドクサイのだ。
町の衛兵さんに手足を念入りに調べられた事があった。どうやら犯罪を犯すと焼印を押され有無の確認をされたのだ。
そして、これが冒険者ギルドカード。最低ランクから1つ上がってF級だけどね。
レベルは初心者の指輪のおかげで8になった。
先行プレイヤーと後続プレイヤーの格差緩和の為に運営から配布された経験値増加アイテムだ。
スキルポイントを割り振って、ソードマスタリー(いわゆる剣術)と雷、光属性の魔法を覚えた。遠距離攻撃と回復手段が増えた大きな収穫だった。
もちろん情報収集したよ。ここは大陸の一国家でありフェリアレット王国だ。
大陸の地図を見る限りは沿岸部に集中し幾つもの国家が存在していた。中央には山岳や森が広がっていてそこは魔境と書かれていた。地図の精度はわからないが魔境の面積は大陸の70%以上。奥に行けば行くほど強力な魔物になるそうだ。
そして人間の他に亜人と呼ばれる様々な種族が生活している。
建築物や町人の暮らしぶりを見る限り中世ヨーロッパのような文明度だが、魔法が存在する未知の世界である。気を引き締めた方が良いだろう。
この世界がゲームと同じ世界なのかはわからない。今いる国名も聞いた事が無し大陸の形にしても記憶にない。ゲームは他の大陸が舞台だった可能性もある。現時点では何とも判断できないであろう。
さて宿屋に戻りますか。
宿屋に戻ったがやることが無い。いつものようにスキルの実験や管理画面をいじっている。
主に荷物の確認だ。荷物のテキストを読んでるだけで時間が潰せる。スマホいじってるような感じで。
早い時間に寝ても早く目が覚めちゃうんだよね。これは装備の影響だ。
じゃあ外せばと思うかもしれないが外せないよ。睡眠時間が少くなる上に眠りが浅くなるのか小さな物音でぱっと起きれる。
それでいてしっかり熟睡した後のように気分爽快で目覚めもいいのだ。不眠症でお悩みの方はいるだろうか?腕輪1つでこの性能である。こんな安眠グッズがあったら爆売れ間違いなしだ。
やっぱり寝ている間は無防備って怖いよね。治安良くないようだし。
一部改編。
スマホでは改行があった方が読みやすいとの事でしたので改行を入れました。