その2
どうしようにも、情報が足りない。まずは情報収集だ。
その前に装備を変えよう。
初心者のロープ、あとは力の指輪と初心者の指輪・・・。
装備制限で扱える武器が無かった・・・。取りあえず武器調達だ。素手で魔物と戦うなんて無理。
マップがあるから武器屋まで一直線。
「あのー、この武器の買取りお願いしたいのですが。」
「ほう・・・見せてみろ。・・・・金貨10枚でどうだ?」
・・・。やばい高いのか安いのかさっぱりだ。よーし・・・。
「それは火の魔力が宿った魔剣です。もっと高いはず。」
武器に手をかけ、魔力を込めるとうっすらと剣が炎を帯びた。
ただのエレメンタルソード(火)なんだけどね。火属性がついてるだけで攻撃力は低いのだ。
「金貨15枚でどうだ」
はい5割増しでました。ほーらやっぱり。
「嬢ちゃん、この剣は確かに20枚以上の値がつくだろう。しかしこの剣の出所が言えるのかい・・・言えないだろう?こんな片田舎の武器屋に売りに来ているという事はまがい物や盗品だったりするわけさ。そのリスクを差し引いて金貨15枚だ。」
「・・・15枚で。でも、盗品じゃないから。」
金貨15枚ゲット。
「それと自分のサイズに合った剣を3本ほど下さい。」
「うーん、そうだなあ、嬢ちゃんの扱える剣は、これと・・この辺りだな。まとめて金貨1枚と銀貨5でどうだ。」
「じゃあ、それで。おっちゃんありがとう。」
「ちょっと待て、今渡した剣は何処へ仕舞った?嬢ちゃん、まさかマジックバック持ちか?」
やばー。不味かったか。マジックバックじゃ無くてストレージだけど。
「まあね」
「それはあんまし人に見せるんじゃねーぞ。」
「忠告ありがとう。それとこの辺りに魔物っているのかな?」
「この町を南から出て500mほど進んだところの森辺りだな。奥には進むんじゃないぞ。強い魔物が出るからな。」
さてとレベル上げに行きますか。
マップ上の赤い点を目指す。
狼か・・・赤表示ってことは魔物という事か。見つかったら襲い掛かってくるだろうな。
ここに至るまでに、痛覚があることは実証済みで、なんらとも言えない疲労も感じている。ゲームっぽい世界であるがリアルとなんら変わらない。
初めての魔物討伐なのだ。ここは慎重に・・・観察してみる。
動いているよね。当然動きも速いだろう。倒せるのか?もしも失敗したら・・・。
「!!」
ここで致命的とも言える感情に目覚めてしまった。
それは恐怖。
怖いと言っても狼が怖いのではない。生き物を殺すという行為に恐怖を覚えたのだ。
以前、ペットを飼っていた事も影響しているのか、魔物=生き物と認識してしまったのだ。
あれと戦う?いま動いているあれをか・・・?
ムリ。精神的にムリ。
平和な日本で暮らしていたのだ。いきなり戦えと言われても無理な話である。引き返そう・・・。
まじかー。初日からこれかよ。ハードモードすぎるだろ。