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ブレイブリングとか言う腕輪について(仮)  作者: 白乃ひまわり
ダンジョンへ
19/26

その19

森を進み続けると辺りが暗くなってきた。


ん?煙が見える。なんだろうか。

煙に向かって進み始めた。森が開けると明かりが見える。


「ん?家?」


明かりが点いている。という事は人がいるのだ。

このまま素通りしてもいいのだが、なぜこんな場所に住んでいるのだろうか。ちょっと興味がある。

不審者と思われるといけないので、ここは紳士的に、


コンコン。


「夜分遅くに申し訳ございません。一晩でよいので泊めて頂けないでしょうか?」

「あ、ちょっと待ってろ。」

ドアの隙間が少しだけ開かれた。


「顔を見せろ。」


そう言われたので顔を見せる。


「一人か?」

「はい。」



「入れ。」


ドアが開かれた。


「お邪魔します。」


家の中を見渡すと、生活用品の他に難しそうな本が並んでいる棚や薬品が入った瓶が並んでいる。

この風貌・・・もしかしてエルフ・・・?


「ああ、散らかっていてすまんな。そこら辺にかけてくれ。」

「いえいえ。」

「何か飲むか?」


お茶っぽい物を準備してくれたので頂く。


「頂きます。」


うん。あんまり美味しくないね。薬草かな。青っぽい匂いと味だ。


「苦かったか?」

「青っぽい味がして美味しかったです。」


「まだまだ、あるぞ。」


「いえ、もういいです。」

「ふふ。これが体にいいのだ。」


「で、ここには何の用で?」

「オスカラ村へ向かう途中で・・・明かりを目にしたので立ち寄った次第です。」

「ふむ・・・。」


「あの、もしかしてエルフですか?」

「ああ、そうだ。」


おお!

この世界のエルフは珍しい。異世界に来てしばらく経つが目にしたのは初めてである。


珍しいと言っても個体数が少なさそうな印象は無い。というのも魔境には世界樹と呼ばれる巨大な木が生えており、そこでは多くのエルフが暮らしているのだという。


魔境で暮らせるの?と疑問に思うかもしれないが、世界樹の自身から発せられる結界に守られていて周辺では強力な魔物が発生しないという話だ。


そして世界樹は何本も生えている。この話からかなりの人数が居そうだという印象を受けたのだ。


では、なぜ個体数は多いのに珍しいのか。


世界樹の周辺に住んでいて他の文明と関わらない文化であることが大きいであろう。

エルフという種族は長寿である。そしてエルフと人間のハーフもそれなりに長寿になるそうなのだ。


そうなると何が起こったかは想像できるであろう。

このような歴史背景があり、エルフは他の文明と関わらなくなっていった。


「その年で冒険者とは。若いのに大したものだな。」


案の定、身の上話になったので、今まで隔離されたような場所で暮らして、突然1人になってしまって生活するために冒険者やってますと説明した。




チュンチュン。


「んんー。」


「起きたか。」


む。わりと長く寝てしまったようだ。ここ数日、ダンジョン生活だったな。疲れが溜まっていたのかも。


「おはよう御座います。セルフィードさん。」


彼女はセルフィード・レクタニア。見ての通りエルフだ。

ここで魔法や魔法薬の研究をしているんだって。


「セフィでいい。」


「レインちゃん、ちょっとお願いがあるのだけど・・・。」

「レインでいいよ。」





「これがヒルラギ草だ。」


一宿一飯の恩というか薬草採取を手伝ってと頼まれた。冒険者ギルドのクエストで薬草採取をしたけど回数はこなしていなかった。マップに薬草の位置とか表示されないから。



「して、先ほどの魔法は何だ?」

ん??ここに来る最中に使った魔法のことかな?


「何って何?」


「なぜに詠唱せずに使えたのか。」


「セフィは何だか唱えていたね。」

「魔法は詠唱が必要だろう。」


そういえば魔物が使う魔法は見たことがあるけど、他者が魔法を使うのは初めて見たな。

詠唱だなんて知らないし、なんというか、そーゆーものだと納得するしか無い事案だと思う。


「その・・・やり方を教えてもらえないだろうか?」


そう言われても困る。魔力を消費するので、魔力を変換しているのだろうという事は分かるが、誰かに教えるなどの仕組み系になるとさっぱりなのである。


ゲーム脳なのかな。どうもゲーム内のシステムに置き換えて考えてしまう。ゲーム内ではディレイタイムとクールタイムがあった。これが近いのかも・・・?


魔法にはディレイタイムが存在して最低で120フレーム(1秒)。魔法を撃った後、120フレーム経過しないと次の魔法が撃てなかった。クールタイムは魔法毎に設定されていて、強力な魔法は1分毎にしか使えないなどのバランス調整があったのだ。


もちろんディレイタイムを短縮するアイテムがあって魔法職は限界まで高めた装備を使っていた。

これに加えて実用性や他の補助効果を求めるとなると、とてつもない労力と運が必要であった。


今回のケースに当てはめるならばディレイタイムが詠唱時間であろう。

でも、詠唱は存在しないです。なぜならばボタン1つで魔法が出てたから。


無理に当てはめるならば”ボタン押す”が詠唱に当たるのではないのだろうか。


「あの、その・・・ボタンを押すイメージです。」



「ボタンを押す・・・?」


「魔法を撃つボタンを押すのです。」


「意味が分からないが・・・。」


「言い方を変えるとスイッチです・・・。スイッチを押す、そんなイメージで・・・。」


「???」



やっぱりダメか。


こちらも通じるとは思ってないから。




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