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ブレイブリングとか言う腕輪について(仮)  作者: 白乃ひまわり
オスカラ村で(前編)
12/26

その12

一夜明ける。うん、敵襲はなかったね。

木材をストレージに収めて防護壁の近くに取り出して回る。


「朝から精が出ますな。」


「今日は魔物の偵察してきたいと思いまして。」

「森の中に行く予定で?」


「はい。」


「では、護衛をお付けしましょう。」

「いえ、一人で大丈夫です。」


一通りの作業を終え、森の奥へと進む。

魔物との交戦は極力避けながらマッピングしながら進んだ。




「あれか・・・。」


マップ上に無数の赤い点を発見した。気が付かれないように近づいて木の上から監視する。

木や葉っぱで作られた簡易な住居が立ち並び、そこにおよそ100体程。

集落ができている。ここをどうにかしないとダメだな。しばらく状況を確信し後にした。



戻ると早速、族長さんに報告する。


「なんと、集落が・・・。」


「小さい規模ですが、そのままにしておくとどうなります?」

「何れ数が増えて手が付けられなくなりますでしょうな。」

「ちなみにゴブリンはなぜ人の村を襲うのでしょう?」


「1つは食糧事情からかと。雑食性ですが作物を育てたりはしません。ですので狩猟のみで補う必要があります。もう一つは、女性の方の前で言いにくい事ですが異種交配です。」

「ふむ・・・。それ止めてくれって話し合いできないですよね?」


「無理かと・・・。」


「ですよねー。」


異種交配か・・・。異種との混血児を生んでより強い遺伝子を残していく生存戦略なのであろう。

生物として生きていくために重要な食べる事、子孫を残す事、この2つが人類と競合しているのである。


良い悪いの問題ではなく両者は争い合うしかなさそうだ・・・。


「1つお願いが。普段から戦ってる人達を集めてください。その人達と一緒に数を減らしますので協力お願いします。」

「何か作戦がある様ですな。承知しました。」



7人・・・。これで全員なのかな。


「皆の者、森の中にゴブリンの集落があった。まだ小さい規模だが、数が増える前に何とかせねばならん。」


「なんと、集落が・・・。」


「そこで、皆の者に討伐に行ってもらうと思っておる。」

「そ、そんな・・・。数は幾ら程で?」


「ざっと、100じゃ。」


「さすがに、その数は我々だけでは無理があります。」

「なあに、大丈夫じゃ。我々にはレイン様がついておる。よろしくお願いしますぞ。」


族長の丸投げでたー。

「えーと、何も100体すべて倒すつもりでは無いです。少しでも減らせれば十分ですので。」


アウェーですね。表情でわかります。


これから、8vs100の戦いとなるのだから。当然そうなるよね。

生意気な小娘だとか、さすがに100は無理・・・って心の声が聞こえます。



「この中で魔法が使える方いますか?」

「・・・。」



居ないみたい。


この世界では生れ付きに魔法が使える人が100人に1人。魔法の訓練をして10人に1人くらいは使えるようになるそうだ。


「それでは、ここにアイスロッドがあります。全員分ありますから手にしてください。」

「あわわ、こちら向けないで。あちらへ向けてください。」


「そしてこんな感じで構えて魔力を込めるイメージでアイスアローと唱えてみて下さい。どうぞ。」


「「「アイスアロー。」」」


「「「!!!」」」


お、発動した。


「ちょ、ちょ、これなんなんです?」

「アイスアローという魔法です。危ないから人の居る方に向けないで下さい。」


「続いて、あの辺りに魔物が居ると想定して撃ち続けて下さい。」


「アイスアロー。」「アイスアロー。」

「アイスアロー。」「アイスアロー。」

「アイスアロー。」「アイスアロー。」


魔法の一斉掃射。なかなかに壮観である。


と、思ったのもつかの間。

え?もうへばってる・・・。MP切れだ。アイスアローのMP消費が6だから・・・。MP40くらいしかないの!


「突然、疲労感が・・・。」

「魔力切れです。どの位で魔力切れになるか体で覚えてください。しばらくすると回復します。」



「つぎは、これを身に着けてください。」

人数分の防具をを渡す。そうだな・・・。


「その剣を借りてもいいですか?」

これは鉄の剣かな。傷んでいるし攻撃力+6くらいだ。ならば余程の事が無い限り防御力の方が勝りダメージ0になるはず。


「では、足のこの辺りを思いっきり切りつけて下さい。」


「「は!?」」


「大丈夫です。」


「え?でも・・・。」

「大丈夫です。もしもの事があっても回復できます。」


「それでは私が。」

族長さんが名乗りを上げてくれた。協力的で本当に助かります!


「いきますよ。」

カキーン。うん。だいぶ傷んでいた為か剣が折れて刃が飛んで行ってしまった。


「「「!!!」」」



「あの、これはどういう仕組みでございましょう?」


「単純に防具の防御力が、鉄の剣の攻撃力を上回っただけですよ。岩を切りつけて折れるのと同じことです。」


「では、肌がむき出しの箇所が切られたのですが、なぜ剣が折れる結果に?」


「ローブの特殊効果で、一定量のダメージ無効のおかげです。」


「なんと・・・。」

「信じられん・・・。」



みんな、釈然としてない様子だ。


わかります。だって俺だって異世界なんて所に居るわけだし。

もう、そういう物だと思って納得するしかないと思いますよ。



「最後に武器です。これは危ないので取扱い注意です。先ほどの鉄の剣のように人相手に試し切りはしないで下さい。」


「はい・・・。」


「あとは各自で訓練をお願いします。」




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