世界観 -地理-
◯大陸について
リーベンガルドの世界には、ヴェルゲルミア、ウルジオ、クルドス、ユグドーラの四つの大陸が存在。
『MONARCH 』の主な舞台はヴェルゲルミア大陸であり、他の三つは特に舞台にする予定はありません。
◯神託の地、『聖域』
リーベンガルド全域で広く信仰されている『統一宗教』の神聖な地で、クルドス、ユグドーラ、ヴェルゲルミアの各地に1つずつ、計3か所がこの世界に存在する。そのうち、ヴェルゲルミア大陸周辺の聖域が『聖ノルウィステア帝国』である。
聖域には『神体』と呼ばれる存在が安置されており、3つの神体が同時に聖職者に告げる言葉を『神託』と呼ぶ。
神託は絶対であり、背くものは厳重に罰せられる。
◯聖ノルウィステア帝国
ヴェルカ諸島という大小様々な島を国土とする、魔導研究と軍事力に秀でた大国。かつての帝国は多様な人種が済む国であったが、リーラ人種こそ至高の人種という旨の神託がなされて以来、魔法の使えない無力な人種と虐げられてきたリーラ人種だけの安寧の地を作ろうと、リーラ人種絶対主義を唱えて、それ以外の人種を国土から排除した。
それからあらゆる学問、とりわけ自衛のための軍事や魔導分野は発達するが、次第に国民はリーラの絶対性に甘え、堕落していく。帝国は落ちぶれた生産力を補うために、リーラ人種こそ至高という神託をもとに、奴隷制度を作り出した。
・首都ウルザルブルト
帝国最大の都市で、奴隷以外のリーラの人口はおよそ15万人。世界でも有数の大規模な都市であり、労働力の7割以上を『奴隷制度』で集めた異人種の奴隷によって賄っている。
通年、冷涼で乾燥した気候であり、広大な穀倉地帯を持つ。近海に豊かな漁場もあり、酪農も栄えており、食糧は輸入する必要もなく十分に国民を賄える。
・モンジベロ島
帝国の国立魔導研究所がある島。研究所の事を島の名前である『モンジベロ』と呼称する事がある。
名前の大元はシチリア島に実在するエトナ火山の旧名、『モンジベッロ』。着想元は1960年の映画、『太陽がいっぱい』の舞台となる町の名前から。
・地点A
帝国特務機関の本部が置かれた無人島。詳細な場所は公にされていない。
・イオケア列島
名前は狩猟・貞潔の女神アルテミスの別名、『矢を注ぐ女神』の意である『イーオケアイラ』から。
数十を超える無数の島によって構成された列島であり、地図に載っていない島も存在する。そのため犯罪者が逃亡先に選んだり、後ろ暗い組織が何か秘密を隠したりする場所でもある。
・地点B
イオケア列島の南部にある無人島の呼称。帝国特務機関特殊戦闘部隊ウラヌスが一時期拠点として使っていたが、詳細な情報が他国に流出してしまったため廃棄された。
人の住んでいた痕跡があり、かつては第一章に登場したオハーナの民のような人達が住んでいたのかもしれない。盗賊によって、野生動物によって、何かしらの理由で滅んでしまったのか、それとも新天地を目指して旅立ったのか。
ここが地図にも載らない島である以上、全ては謎である。
・ピークオッド孤児院
帝国首都から徒歩一時間弱。小麦畑の奥の防風林のさらに先にひっそりと佇む孤児院。レンガ造りの二階建ての洋館であり、十人規模の子供達でも十分に養うことができる。
名前の由来は小説『白鯨』に登場する船、ピークォド号(Pequod)から。手元にあった岩波文庫、八木敏雄氏の訳に則り『ピークオッド』の表記を用いた。ピークォド号は白鯨において登場人物達が帰る母船であることから、本作では『帰るべき場所』の意味を込めてこの名前を孤児院にあてた。
・地点C
地点B廃棄後にウラヌスが拠点にした島。帝国特務機関の傘下の組織が運営する薬草畑と薬の製造所。働いている奴隷の子供達は全員薬で喉を焼かれ歯を全て抜かれているため、会話はできない。
島にある施設はウラヌスの隊員たちが使う管理人用宿舎と、奴隷の子供達が寝泊まりする掘っ建て小屋と、一面の薬草畑。そして薬草を保管、発酵させるための倉庫と薬を醸造するための醸造場がある。
◯セプテント王国
帝国よりも北方にある、ゲルナー民族を中心に多様な人種が住んでいる王国。海産物や地下資源に恵まれた土地の反面、一年を通して寒冷な気候のため農業は衰退。海産物以外の食料は輸入に頼っている。
ヴィートニルが画策した帝都での大虐殺の関係を問われ、あらゆる醜聞の隠蔽のために帝国に国土を引き渡した。
名前の由来はラテン語で『7』を意味する『septem』から。
◯キャシャロット号
中型の帆船で、ウラヌスを全員乗せるとなるとかなり窮屈な船。船を繰るバディが手入れをさぼりがちなため、船体や備品にガタがきてしまっている。
三章第24話にて、バディとともに海に沈んだ。
名前はフランス語でマッコウクジラという意味の『 cachalot』から。