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認知症ならば神殺しも許される

作者: ひよ六

神々の会議によって、

この世界は滅ぼされる事になりました。


生物の誕生と進化、人類の文明と技術、

喜びと悲しみ、愛と憎悪、

それらの全てが無に還る時が来たのです。


神々は掌を並べて滅びの閃光を放ちました。

その光には世界を焼き尽くす力があり、

先史時代の世界を幾度となく

消し去って来たのでした。


そうとは知らずに地上では、

一人の爺が徘徊していました。

一匹の犬が心配そうにその後を付いて行きます。


天から滅びの閃光が降り注いだその時、

事態に気づいた犬が聴いた事のない

吠え声を上げました。

その衝撃が引き金となり、

爺の体内で量子の事故が起こりました。

それはこれまでの生物に発現する事の無かった、

奇跡の中の奇跡と呼べる現象でした。


どういう理屈であるかはさておき、

その瞬間だけ爺は神々を超越する力を得ました。

爺の掌は光を受け止め、

それを数億倍の熱量に増幅して天に放ちました。

跳ね返された光を浴びた神々は跡形も無く

消し飛んでしまいました。


神々は自分達が絶対的な存在である事を

信じ込んでいましたが、

そうではありませんでした。

世界を消し去って来た因果の報いを

今ここに受けたのです。


元に戻った爺は犬に袖を引っ張られながら、

無事に帰宅したのでした。


こうして世界は滅びから免れ、

今も尚存在しているという事です。

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