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第1章 2

まだまだ慣れておりません。

が、精一杯書いていきます。


本来であれば午前25時過ぎ。

部の事務所を閉めて、タイムカードを押せば車に乗って自宅に帰っているはず。


なのに



「ん?夢か?これ?」

青々とした木々。

鳥のさえずる声。

地面はサッカーコートの人工芝?と思えるほどの芝生で広がっている。

遠くには大きな山。

ただ、そこにホテルの制服を着た男女が二人いるだけ。


「夢じゃないですかね〜だってまだ寝てないのにこんなに明るい訳ありませんし、それに、なんですか!!このアウトドア感!!BBQ出来そうなこの新鮮な自然の空間!!夢でも休み貰えるなんて幸せです!」


ああ、そうか、彼女は休みの度に何処かへ友人と山やら海やら何処へやら行くアウトドア好きだったな。俺も嫌いじゃあないが、率先して行く方ではない。


「ああ、夢なら幸せな光景なんだろうな。

だがよく見てみろ、俺もいるし何より俺たちはまだ黒服、蝶ネクタイのままだ。」


そうなのだ。こんなリアルに会話が出来、尚且つまだ会社の制服を着ていること自体、本当に夢ならどれだけ社畜の精神が強いんだか。


「あ、本当だ。夢、、、でもなさそうですね。だって、今日欠席分の余ったお肉盗み食いしてワイシャツについたソース消えてないですもん!」


何をいきなり報告しているんだ、君は。

気持ちは分からなくはないし、たまに俺もするが女性なのだからもっと上手に事を遂行しなさいよ。


「どこまで記憶がある?二人の記憶を整理してみよう。」


結果、俺と同じく退社前にバックヤードで拾った装飾のある木箱を二人で確認しながら開けたところまでであった。


箱の中にでも引きずられたのか?

まさか、漫画じゃあるまいし。

明日は久々に休みなんだからはよ家に返せや、ボケ。


紅葉は仕事が終わるとオンオフが切り替わる。

メリハリを付けていないと仕事もプライベートもマイナスに働かくと考えているからだ。

厳密にはまだタイムカードは切っていないのだが。


「まああの箱は今は何処かへ行ったのかないし、夢なら夢でいつかは覚めるだろう。少し歩いて散策してみるか。」


「いいですね!服がアレなのは仕方ないですが、残業ズハイです!!元気よく散策しましょー!!」

舞雪は元気いっぱいにそう答えた。


「そうだな、楽にいくか。冬馬、はぐれたり何かあっても走るなよ?」


「分かってますよ!紅葉さん!ホテルマンは基本お客様の前では走りません!せめて早歩きです!」


まあ客なんかいないけどな。


しばらく歩いていると茂みから何かが俺たちの前に姿を現した。


「クヒヒッ!ヒギャアァァ!!」





全身が緑色の人のような人物。


手には棍棒のようなもの。


なんだ、このゴブリンですよ!みたいなの。

F〇とかに出てくるであろう容姿ででてきやがって。取り敢えず冬馬を下がらせて距離を取ろうと・・・


!?「なっ!!」



奇声だけをあげていきなり棍棒を俺に振るってきた。幸い動きが割と遅かったので回避は出来たが、なんだこの理不尽な暴力。クソゴブリンめ、俺が入社早々に料理を落としてしまったことで、エレベーターの中に呼び出されて俺の腹をボコボコにしやがった本田さんに似てる顔しやがって。

ん?なんか段々イライラしてきたぞ?残業時間が今月多いのと、睡眠不足、カルシウム不足かな?


「ヒヒッ!」

ゴブリンはしゃがんでいる俺を見て、まるで弱い獲物を見るかの様に嘲笑っていた。


俺を


本田の顔に似たクソゴブリンが


笑った




「紅葉さん!?大丈夫ですか!?…わっ!!」



キレた。



「おい…本田さんよ、あの時の痛みと悔しさも覚えてるし、部署変わって落ち着いたと思ったら偶に来ては、ああでもないこうでもないと偉そうな事ばかりほざいて場をかき乱す。いつまでもあんたが上だと思ってんなよ。左遷された野郎に罵られるだけじゃ終われるかクソが!

丁度いい、今からお前を本田としてストレス解消サンドバッグにしてやる。先に手ェ出したのはお前だからな?いくぞ!!」


「何言ってるんですか!?紅葉さん!!

本田さん?確かにかなり似ていますけど、ちょっと!」


俺は即座に肩にかけていたナフキン、タオルのような仕事に使うものを広げてゴブリン本田の顔面に被せた。

すぐさま振るってくる棍棒をしゃがんで回り込み回避し、ゴブリン本田の背中に強烈な中段蹴りをお見舞いした。

こちとらガキの頃から喧嘩慣れしてんだ。

というか、ヤンチャな奴がほとんどだからな実際この業界。でなきゃ続かないか。と蹴りながら考えていた。


蹴りを食らった本田はそのまま正面の木に頭からぶつかり動かない。…気絶したようだ。

どれ、これから元の顔面を更にボコボコにしてアレが本田なのかゴブリンなのか何しに来たのか聞こうと動こうとすると冬馬から止められた。


「紅葉さんっ!ちょっとこれやばいですよ!なんか妙にリアルだし、本田さんと被せてボコろうとしてる紅葉さんもいつも通りだし、本田さんゴブリンの流れている血もどう見ても血だしっ!そもそもこんな夢私見ない!見たくない!絶対これ、現実ですよ!」


そうか、お前もアレを本田と捉えるか

優秀な部下に育ったな。

うん、でも、あれ?そういえば本当に蹴った感触もあったし、本田さんの顔面もリアルに血がでてるな。・・・え?








ご意見、ご感想お待ちしております。

少しでも読めるなと思われた方はよろしくお願いします。

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