国防とは
ロシア侵攻に依るウクライナ戦争は、各国の防衛計画に少なからぬ影響を与えている、無論日本も例外ではない、むしろ一番影響を受けたのは日本だろう。それにしてもこの国防という国家の存亡に関わる議論が一部有識者だけで取り上げられている現状に違和感を禁じ得ない。かてて加えて、現政権の岸田総理が国防予算を勝手に増額、その増税部分を国民に負担を強いる強行姿勢を咎めることなく傍観している国民、これで良いのか。
さて、国防予算の増額の是非は今後も慎重に検証していかなければならないが、問題なのは国防の基本方針が大きく転換することだ。専守防衛の基本方針が他国に直接攻撃可能な武器を積極的に配備していく、それは現状の日米同盟の基本戦略、有事の際はアメリカが鉾で、日本は盾で成立していた専守防衛ではなく、協力して敵を叩く、攻撃する、言葉を変えれば先制攻撃も辞さないという、今までと真逆になることを一介の総理で決定したことだ。
一国の総理を一介の総理で、の表現は勿論許されることではない。が、この総理の主張に法的根拠は示されているのか。行政が国家予算を決める権限はある、しかし国防の基本方針の転換は国民の合意が必要だ。今回の決定は最も重要視されなければならない国民合意を無視した暴挙だ。
またこの決定は憲法違反だ。第9条は戦力を保持しないと明記している、がこれは現実的ではない。無防備であれば、国民の生命、財産は守れない、当然自衛の軍備は必要だ。しかし、日米安保条約で、日本は専守防衛の盾に徹し、他国からの侵略には、先ず米軍が鉾として攻撃する、だから米国は基地がいる、そこに軍備を配置する、だからその費用を負担せよ、と沖縄始め各地に米軍基地を設置し、年々その予算も増額してきた。
特に沖縄は島全体が常に他国からの侵略の脅威にさらされてきた。東シナ海、南シナ海と制海権を牛耳ることに血道を挙げる中国に、沖縄は目障りな存在だ。加えて北朝鮮は弾道ミサイルを、癇癪持ちの子供のように無分別、無目的に飛ばしている。正に世界は、ロシアのウクライナ侵攻によって、先の第二次世界大戦のような無秩序な世界な様相になりつつある。
このロシアの暴挙を今は何れの国も止められない。が、敢えて米国は当初から傍観してきた、その罪は大きい、何故ならロシアはNATO軍のウクライナ進出を、ロシア侵攻の足掛かりと捉えその配備を牽制してきた。そして、それを調整するのは米国ではないのか、ましてやロシア軍の侵攻は事前に十分に承知していたのにも拘わらず。この初期のロシア軍侵攻に対し十分な兵器を準備することを米国及びNATO軍は放棄した。これでは、とても戦争の終結がいつになるか予測つかない。
さて、日本はそのロシア及び中国、北朝鮮に対し力には力を持って対抗すると明確に宣言した。しかし果たしてこれは得策なのか、愚策なのか、はたまた拙速なのか、そして何故結論を急ぐのか、そしてそれが何故防衛予算の増額なのか、何故、何故の疑問と防衛大綱の転換は将来の日本に有益なのか、考えられずにはいられない。




