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粋な大人

 戦前の言論弾圧に懲りて人は言いたい事を言える時代となった。日本列島が災害に遭った時、いち早く救済のツィッターを発信すると、売名行為だと、有名タレントが攻撃されることがある。だから、時には業務上多大な損害を与えたと判定された場合、それを法は処断する、至極当然な処置と思える。


 だけど待てよ、確かに個人攻撃された方にとっては怒り心頭だろうが、これが昂じれば、やがて我が身に返ってくることも考えなくてはならない。


 徳川300年太平の時代は、権力者に対し庶民は間接的な表現で対抗して来た、川柳などその典型だ。間接的な表現、時にはユーモアを交えての政治批判だ、所謂粋の世界だ。


 江戸庶民が皆、それ相当な学識を持って政治批判していた訳ではない、しかし庶民としての常識を弁えながら、それ以上事を荒げればと、いう曖昧な世界に身を任せていたことも半面あるかもしれない。


 私は、日本人は白黒をはっきりしない曖昧模糊な国民性と揶揄する欧米諸国に対し一言言いたいことがある。で、白黒付けた結果貴方達は諸国と仲良くやってきましたか、と。


 誰もが言える時代となった、戦後民主主義の成果と云えるかもしれない、でも限度を超えていませんか。批判、非難をする前に、それを整然と説明する見識を持っていますか、単なるけしからん、こんな時に不謹慎だと、感情論だけで物を言っていませんか。けしからん、許せないと云う代わりに、江戸庶民に倣って粋な川柳でも詠んで見ては。


 また、批判、非難を受ける側も、その解決策を法に頼ってはならない。それに固執すれば、法はやがて自分の身を縛ることにもなる。


 大人たいじんとして平然と聞き流せば良い、その判断を庶民に任せれば良い。判断を委ねられた庶民も、それを真正面に受け止めるのではなく、時にはダジャレを飛ばしながら笑って受け止めれば良い。


 それが、成熟した民主主義ではないだろうか。言いたい事は云い合いながら、それが聞くに値するものなのかどうか、聞くに値しないものは其の儘笑って放置する。


 ヒステリックにならない、一人一人が大人になる。粋な大人になりましょう。


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