アメリカ、その思考
江戸時代末期、米国は捕鯨の補給基地として日本の開港を欲した。それが後の黒船来航へと繋がる。
ここで改めて米国の外交戦略を考えて見たい。勿論一市民の他愛もない思考、聴き捨てにして頂きたい。
アメリカは遅れて来た超大国だ。それまでのヨーロッパの大国とは異なる、単一民族の大国ではなく多民族の大国、それをどう纏める、今に至るまでアメリカがもっとも頭を痛めている問題だ。
西部開拓時代も終焉し、有り余るエネルギーを外洋に求めた。それが捕鯨で、開港だ。しかし、第一次大戦後の不況はアメリカも例外ではなかった。その不満を何処に向ける。
それは積極的な世界への進出だ、特に亜細亜においては欧米諸国に遅れをとっていた。そこに、日本はロシアを相手に戦い、互角の勝負に持ち込んだ、驚いたのはアメリカだ。
亜細亜進出に目障りな存在となることを認識した時、アメリカの外交戦略は180度方向転換する。
東洋の日本、その先には中国。何時かは戦う相手、それは太平洋戦争で先ず日本を叩き、日米安保条約を持って日本を傘下に収めた。だが、朝鮮戦争では、中国の力に屈した。この屈辱をアメリカは忘れない。
中国は、東シナ海を制圧すべく軍備を増強している。何れ、中国艦隊はその東シナ海から太平洋に進出してくるだろう。海軍力は、到底日米の比ではないが、覇権国家の中国は、アメリカ中心の世界秩序を、中国中心へと体制の変化を進めていることは、米国は充分認識している。
だからこそ沖縄は、その最重要軍事拠点だ。所謂楔だ、その楔をアメリカが手放すことは絶対にない。軍用施設の移動はあっても、その戦力の移動はない。
日本の国内論争は、この根本的な問題を常に外し、基地問題を単なる点としか捉えない。大いなる間違い、中国が膨張する風船なら、その膨張する風船に風穴を開けるのは沖縄だ、そして、日本列島そのものだ。
日米安保、それはアメリカが日本を守るものではない、日本列島そのものを中国の盾にするためだ。
真の狙いを見つめることなく、的が外れた安保論争を何十年も続けている。そして、国防の中心となる自衛隊を、単なる戦力の拡張と憲法に明記すべきかどうか、情緒的な観念で論争している。
仮想敵国を作り、膨大な兵器を売りつけてくるアメリカ、まるで鯨油だけ残し、貴重な肉は、アメリカ国民の口に合わないとばかり捨てて来た江戸時代の黒船来航の目的と、今も何ら変っていない。
そして日本人の思考体系そのものが、常にミクロ的だ。日本列島を世界地図の中で、単なる島国としか捉えていない。日本列島そのものが、アメリカと中国の緩衝地帯だ。
戦後は朝鮮半島の38度線だけに目を向け、日本列島そのものが太平洋の38度線であることを認識してこなかった。アメリカの日米安保は、正しくその太平洋の緩衝地帯としてしか捉えていない。
日本は何処に向かおうとしているのか。一庶民には到底分からない。だが、ひとつ言わせて欲しい。枝葉末節な思考は排除して欲しい。
最後に我田引水で恐縮だが、取るに足りぬ筆者の“警備人生まっしぐら”に大企業が目くじらを立てる愚かさを反省して頂きたい。
考えるべきは、アメリカの思考そのもの。




