発禁本、焚書坑儒、検閲
驚愕と共に恐怖を抱いた。法的措置を検討する、私が働いた警備会社は大会社だ、顧問弁護士は何人もいるだろう。とても、その法律の専門家を相手に戦う勇気などない。この警告を読み、直ちに削除した。
もう、これで法的措置を取られることはないだろう。だが、不思議だ、ペンネームで書いても、私は自分の身分が分かるような内容で書いているので、その気になれば直ぐ身元は割れる、それは覚悟の上だ。
だが、14年前に都合退職した時の住所ではなく、東北大地震後に移り住んだ住所で封書が送られてきた。どうして分かったのだろう、これを考えると二重に怖くなった。
強大な力が働いている、たかが元警備員が記憶の儘書き散らした内容が、逆鱗に触れた訳だ。このまま、掲載を放置すれば、不利益が発生する、誠にけしからんと。
書いている本人、さらさらそんなつもりはない、記憶だって正確ではない、何しろ70歳の爺さんが書くこと、出鱈目な部分が多い。読者だって、意味分からないよ、呆けたこと書くんじゃない、と、怒っている読者もいただろう。と、取るに足りぬ内容だ。
例えて云えば、風呂の中の屁と同じ、一瞬にして消えてしまう。その屁の臭いを人はわざわざすくって嗅ぐでしょうか
しかし、その屁をわざわざ取り出して臭いを嗅いだのだ。そして、この臭いを放置すれば、風呂場全体に籠り、放置すれば風呂場そのものが駄目になると。
とんでも無い事を私はしてしまった。屁をしたことが悪いのか、屁は我慢するとしても、風呂の中でされたことが我慢ならなかった、それも格別臭かったから。
私は、自ら発禁本にした。自ら焚書坑儒の罰を受けた。法的措置と同様の検閲処分も自らに科した。
だが、涙が出て来た。悪意を込めた内容ではなかった、むしろ警備の仕事を心から愛し、会社を愛した。時に、赤裸々なことを書いたが、悪意ではない。むしろ会社を愛するが為の苦言だ。
だが、逆鱗に触れた、突然の書面で、言うことを聞かねば首を刎ねるぞ、と。就業規則違反、お前は犯罪者、世間に顔向け出来るか、腹を切れ、と。
老い先短い人生、介錯されなくても朽ち果ててしまう。こんな老いぼれに、何をムキになっているのだろう。
在籍中、苦学して大学の通信教育課程を卒業した。大卒証明書を会社に提出した、しかし会社は大卒と認めなかった。だが、労働基準法の就業規則は守れ、と。
警備人生に悔いなしと書いた。だが、今は悔いだらけだ、警備に一生を捧げた私は馬鹿だ。
“警備人生まっしぐら”のタイトルは返上し、“警備人生決してやるな”、と変更する。
無駄な25年間を過ごした。この警備会社に入社した全てが誤りだった。
○○そ○○、万歳! そしてやがて消滅して下さい。




