表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/56

折り紙の輪

 折り紙を覚えたきっかけは祖母の入院だった。親子3人九州福岡県飯塚市炭鉱の長屋暮らしから引き揚げ、お袋の実家の一間で暮らすようになって早や4年過ぎた頃、祖母は肝臓を患い桜山にある名古屋市民病院に入院した。


 祖母の看病で、お袋はその市民病院に寝泊まりするようになった。私は小学校3年生だったが、とても親父と一緒に暮らすことは考えられず、学校が終わるとその病院に行った。住まいの雁道町から桜山まで、子供の足でも小1時間程、祖母が亡くなるまでの二月程は毎日病院から学校に通った。


 お袋は、ベッドの下に準備された付き添い用の1畳ほどの畳で寝泊まりし、私もその1畳でお袋と一緒に寝た。勿論大部屋だから、周囲に気兼ねしながらだったが、子供にとって、見知らぬ人と話す楽しみもあった。


 その病室で、まだ30代半ばと思われる女性からある日折り紙を教えて貰った。鶴の折り方は知っていたが、その女性が教えて呉れたのは、昔の千石舟を模したものだった。その立体的な舟の形は子供心を興奮させた。


 しかし、それから折り紙の事はすっかり忘れていた。そう、2011年3月11日の東北大地震で、女房の実家だった郡山の家が住めなくなり、此処本宮で長男が建てた家で5年振りに妻と一緒に暮すようになってからだから、50年も過ぎていた。


 妻はクリーニング店に勤めているが、子供連れの母子にちょっとした折り紙を渡していた。そして、ある日私に折り紙を折って欲しいと云うので、女の子が好きなワンピース等作ったら、もっと色々な物が欲しいと要請された。


 気を良くした私は、インターネットで探すと、立体的な薔薇を見付けた。その余りにも見事な出来栄えに心を奪われ、その薔薇を折って見たいと挑戦することにした。


 川崎ローズと銘々されたその薔薇は、数学教授の川崎先生が考案した薔薇で、実に理論に適った折り方だった。ビデオを見ながら悪戦苦闘したが、何とか折りあげることが出来た。


 それからは次から次と妻からの要望が続き、様々な物を折りあげて来た。

しかし、60の手習いではないが、折り紙に挑戦したことで思い掛けない副産物を得た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ