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29・焦り

 その後、パッタリとお客さんの流れが止まってしまった。


 国別府が入居してから早くも一週間が経過しようとしている。

 他の不動産屋からの案内がほとんど入らなくなってしまっている。


 彼等にとって自分達の物件でもないのに、ファミーユコノエを優先して案内する必要はどこにもなかったのだ。

 それでも最初の方に案内してくれたのはまだ余裕があったから。

 この不動産シーズンを逃せば、取引のある大家さんに怒鳴られる――こともあるだろう。

 だから例え決まる確率が低くなっても、自分達の物件を最優先に案内するようになったのだ。


 さらにこの時期になるとほとんどのお客さんが部屋を決めてしまっている。

 といっても駅前にある不動不動産には貴重なお客さんが何人か来てくれて、毎日のように案内してみるけれど……。


 決まらない。


 ファミーユコノエを選んでくれない。


 一体何が悪いのか?

 アパートが悪いのか?


 いや他の不動産屋が案内したら決まっているのだからそうではないはずだ。

 つまり僕が悪いのか?

 スーツ姿で高校卒業したてという嘘を吐いているけど……幼い顔がバレてお客さんに不安がられているのか。


 分からない。

 そうこう焦っている間に――三月も残り五日となった。


 ファミーユコノエはまだ満室ではない。

 残り一戸……ここまで来ているんだ。後はもう一押しなのに。

 一歩一歩、浮口市の消滅が近付いているような感覚だった――。

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