1.プロローグ
世界というのは誰が作り、誰かが壊す。それが宇宙人なのかもしれないしはたまた未知のウイルスかもしれない。他の考え方をしてみれば永遠に平和に過ごすなんてこともあるかもしれない。
俺の名前 黒澤 白 普通の人間となに一つ変わらずに過ごす高校二年生だ。
「なんか稼げるバイトねーかな。とりあえずいますぐ金が欲しい」
友人に新しく買ったCDだとか女子がこの服かわいいから買っちゃったという話しが耳にはいると自分が親の反対を押し切って家を出てきて仕送りさえ送られてこないことに激しく後悔を覚えた。
そんなときだった。
俺の人生を変えるある一通のメールが届いた。内容はこんなものだった。
《どーもどーも今すぐ稼ぎたいと思っているそこのあなた! 少し手先が器用なら誰でもできます。ギャラは弾みます、今すぐこのボタンを》
というものだった。
ワンクリック詐欺か何かではないかと思う裏腹にものづくりは普通の人より自信のある俺は恐る恐るボタンを押してみた。その瞬間あたりはきらめきだし俺は気を失ってしまった。
「やっぱテレポートとか無理があったんですよぉ~! 死んだら閻魔大王様のとこ行って生き返らせてくださいね」
女性の大きな声で俺は目を覚ます。
「ん……」
「ほら大丈夫だったんじゃん。よしじゃあワシはハワイとかいう海が綺麗なところで二千五百年ほど休憩するわ」
そう言いながら真っ白なローブを着た老人が外に飛んで行ったのがわかった。
「ん? 飛んで行った」
よくよく考えてみるとここはどこなんだ。さっきの空をとんでいった老人にさっき聞こえた甲高い声、そこまではまだ俺の常識の範囲内だった。
顔を上げると窓ガラスの向こうに無数の星と青い地球が見えた。
「おいおい……ここはどこなんだよ?」
すると心配そうに羽の生えた小さな虫のようなものが話しかけてきた。
「大丈夫ですか? わざわざバイトしに来てもらったのにすいません。ここは神の仕事場です。」
俺はケータイにギャラを弾むというバイトを見て決定のボタンを押したことを思い出した。そしてここは神の仕事場だと、なんだそれ信じられない。
「まあそう思う気持ちも分かりますが、今こうやって会話が成り立ったことが証拠、ということにはならないでしょうか」
口に出してもいないのに心を読まれていた。そして虫のような奴が近くに来てようやく気付いた。そいつには羽があり、頭には輪っかがついていて天使のような風貌だということに。
「わたしは天使のシール、あなたのバイトのお手伝いをさせていただきます。現状を飲み込めないようなのでご説明しますね」
小さいなりにもしっかりとしたお辞儀をされたため俺は慌ててお辞儀をし返した。
「今回のバイトの内容なのですが新しい星、生命をサボった神の代わりに作って欲しいんです。ギャラの方は時給生命1日分、つまりこの仕事をしている限りあなたは死なないということです。因みに世界はあなたの好きなように作って構いません。ゴットスキルと神が命名したネーミングセンスの欠片もない能力を差し上げます。これは惑星を作ったり、生命を生まれされる能力です。契約が成立次第これを渡します。説明は以上ですがやってみますか?」
話の半分はわからなかったが不老不死になれるらしいな。
「とりあえずやってみるわ」
数億年後。
「あの神様全然帰ってこねーじゃん! もう縄文土器作り始めちゃったぞ」
苦笑いでこちらを見つめるシールは俺と目があうと申し訳なさそうに頭を下げた。
「ところでシール、この世界は俺の好きなようにしていいんだよな?」
「はい」
「じゃあ魔法使いとか、モンスターがいる世界とかも可能なのか?」
「はい」
それを聞くと俺はいてもたってもいられず世界の仕組みを変え始めた。動物を焼くのは魔法、モンスターは人を襲うなどとりあえず簡単な設定を作ってその常識をインプットさせた。
「すごいな! 獲物を石ではなくゴーレムで捕まえて、モンスターは巣穴を決めてそこに住み着いているじゃないか!」
「まあ神様の力だしね、これからもがんばってね」
シールには大変申し訳ないがこの世界は俺からしたら魅力的すぎる。今すぐ行かなくては。
「シール、またバイト探し頑張れよ! ゴットスキルはもらってくぜ」
そういいながら俺は俺の作った世界にテレポートした。
この世界にはゲームのような楽しい物語が待っている。そして俺は神の力を持っており好きなだけ世界の改変が可能だ。金のないあっちとは違う圧倒的な恵まれた環境。ここで俺は幸せを掴む。
「さあ冒険の始まりだ!」
ほぼほぼ初心者なのでご指摘がありましたらおねがいします。