魔の時間と世界の歴史。
処女作スタートしてからいくつか感想を頂きました(幸
頑張ろうというやる気を頂けてとても感謝です♪
ありがとうございました^^
感想、評価、レビュー頂ければ作者はしっぽ振って喜びます(照
およそ180年前、先代のルナーの中でも、とても強大な力を持って生まれたルナーがいました。
そのルナーは、手足が8本あり、大きな丸みがある体からはたくさんの糸を出せる力を持っていたのですが、意思疎通は皆無でした。
もちろんその時代の竜騎士であった守人が生まれてすぐにこのアリエスという世界を壊し続けるルナーを鎮めようとしたのですが、抑えきれずに命を落としてしまいます。
魔導協会、アリエスの騎士たちが討伐隊をやむ得ず発足させ、苦渋の決断の末、ルナーを殺めてしまいました。
そこから120年は地獄でした。
数十年に1度は生まれていたルナーは現れなくなり、世界は荒れ、嵐になり、ありとあらゆる災害が降り注ぎました。
ルナーを、神の愛し子を殺めたことで神の怒りを買い、その結果ルナーは生まれてこず、世界は崩壊へと向かっていきました。
そもそもルナーが神の愛し子と呼ばれている理由は、ルナーが生まれ、ルナーが生きてこの世界で幸せに存在している間は、神がこのアリエスに祝福を与えてくださり、加護を授けてくださるのです。
ルナーが存在しつづけている限り、神は私たちを見捨てたりしないということです。
そのルナーを殺めるという行為が、神の天誅という形でこの世界は破滅へ向かうのです。
衰退していく世界の民は神に祈り、誓い続けました。
もしもまだこの世界が許されるのならば、二度とルナーを傷つけたりしないと、もしもまた同じことが起こるのならばルナーではなく、アリエスが滅びる方を選ぶと。
民は祈ります、数年、数十年と祈り続けます。この世界の子供たちが平和に過ごせる未来を信じて、祈り続けたのです。
アリエスが神に許されたのは、長い長い時間が過ぎた120年経った頃でした。
120年経って生まれたルナーは、意思疎通は出来ませんでしたが、とてもとても穏やかな性格のキラキラとした真っ白な毛皮に覆われた愛し子でした。
そのルナーは30年近く生き、民に見守られて最後を迎えたのです。
そして間もなく、次のルナーが生まれました。
この時のルナーは大きな大きな鷹という鳥で、もちろん意思疎通は出来ませんでした。
その時は鳥人族の暮らす北の地へ、ルナーを引き渡し、そのルナーは広大な自然の中で50年近く生きたそうです。
そして3年前、鳥のルナーが弱っていく中、光の卵が神殿に出現し、3年後の昨日、あなたが生まれ、ルナーが交代したのです。
この世界のルナーは唯の1人だけ、るう、あなたが世界に唯1人のルナーなのです。
***
「・・・と。昔話になってしまいましたが、落ち着きましたか?」
リクがるうの隣りで手を握り落ち着かせている間、カイは昔話をしていたのですが、なんとかその間にるうの気持ちは落ち着いてきたようです。
「は、はい。ごめんなさい。おはなし、ありがとう、でした。」
「もう大丈夫だな。廊下で蹲っていた時には肝が冷えた。」
「ふふ。リクは聴覚が優れていますからね。るうが泣いていたことに気づいてよかったですよ。」
るうは本当に幼子のように泣きじゃくっていたことに、今頃になって恥ずかしくなってしまい真っ赤になってしまいました。
ですが、リクとカイがすぐに気づいてくれたことに、気恥ずかしい気持ちもありますが、嬉しい気持ちになります。
「しんぱい、かけて、ごめんなさい。」
「るう。そういう時は、ありがとうだろう?」
「そうですよ。ごめんなさいよりは、ありがとうと言ってもらえた方が私も嬉しいですね。」
優しい言葉をかけて笑ってくれる2人に、るうはきょとんとした顔をした後、ふにゃりとはにかんで笑顔になりました。
そんなるうを微笑ましそうに目を細めてみていたカイは、そういえばもう夜明け前だったことに気づきます。
「もう外が白んできましたね。明日は私たち全員寝坊確定です。」
「あー・・・。まあ、るうの時間に合わせる。いくらでも寝坊していいぞ。」
「それもそうですね。大人しくみんなでナミのお説教でも聞きましょうか。」
「あ・・・う。」
カイの不穏な言葉にるうは慌てましだか、カイがあまりにも悪戯っぽく笑っていたことも、リクのあまりにも匙投げ状態だったことも、なんだか可笑しくなってしまい、3人で笑ったのでした。
朝四時頃のテンションとは、箸が転がっても可笑しくて仕方なくなるという魔の時間なのでした。
眠気押し殺してオールして、1度睡魔が遠ざかるとテンション上がってきて楽しくなってくることってありますよね(笑