つかの間の冒険。
明けましておめでとうございますー!
そしてお待たせ致しました。
少し亀更新でご心配おかけしておりますが、今後ともよろしくお願い致します!
サディに連れられて転移してしまったるうは、初めての転移魔法と突然景色が一変したことに驚いていましたが、初めてるうに触れることが出来たことと、そのるうをだっこしていることに喜びを感じているサディはご機嫌でした。
「あはは。るう。目がまんまるになってるよ?もう、可愛いなぁ。さてと。ようこそ王都の王城へ!」
「あう。えと、さでぃ、さん。ここ、どこ、ですか?」
あわあわと周りを見渡したるうは、リクやカイの姿が見えなくなったことで不安になってしまいました。
キョロキョロと忙しく動くるうの顔を楽しそうに見ていたサディですが、るうの瞳に涙の膜が張ったことで慌てて話題を振ります。
「るうっ。ほら!上を見てごらん。面白いものが見れるよ?」
「う、え?・・・あっ。」
視線を上に向けたるうは、大きな瞳をめい一杯見開いて驚きました。
そこには室内だというのに青空が広がり、薄い虹がかかり、可愛らしい小鳥が飛んでいくという光景が広がっています。
「わ、ぁ。きれい、です。どう、なってる、ですか?」
「ふふーん♪ここはね。僕の職場だよ!この風景はね、毎日気分で変えるんだ。今日はるうの好きそうな風景にしてみたんだけどどうかなぁ?」
「さでぃ、さんの。おしごとば?ですか。」
サディは自分の職場である王城の中にある魔法省に転移したらしく、その風景はるうのために変化させていたようですが、なんとなくリクたちからるうを引き離したかっただけのサディでしたので、この後どうするかということまでは考えていませんでした。
「はは・・・。僕も人の事、言えないなぁ。」
「・・・?」
「いや、何でもないよ。じゃあ、そうだなぁ。るうは何かしてみたいこととか行きたい場所はある?」
サディはにっこりとるうに笑顔を向けると行きたい場所を聞いてきましたが、もちろんこの世界では生まれたてのるうです。
るうは生まれた初日から傍にいてくれたリクとカイと離れていることが不安でたまりませんでした。
大きな瞳がみるみる潤んでいき、涙の膜が盛り上がったと思うと、次の瞬間にはるうは子供のようにぼろぼろと大粒の涙を流して顔を真っ赤にしていきます。
必死に小さな両手で目を擦って泣き止もうとしますが、一度決壊した涙腺は言うことを聞いてはくれず、自分の意思で涙を止められないるうは更に頭の中が迷子になってしまいました。
呆然とその様子を眺めていたサディはハッと我に返ると、慌てて抱っこしていたるうをあやすように上下に揺すりました。
「わっ。る、るーうっ。ほらほら。怖くないよぉ!ね?大丈夫だよっ。だから泣き止んで。ほーらほらほら。上を見てごらんっ。景色も変わっていくよ。・・・っ!?あー・・・。駄目かぁ。」
何度も天井の景色を変化させながら慌てていたサディでしたが、次の風景に切り替える前に外の景色を透過してしまいました。
そこで目に入ってきたのは緑の混じった黒い雲が空を覆い、先程まで晴天といってもよかった空からは大粒の雨がガラスにうちつけられたような景色です。
「やっぱりルナーの感情に影響を受けちゃうんだね・・・。仕方ない。今日の冒険はここまで・・・。」
ここまでだとサディが声にしかけた時、大きな破壊音と共に砂煙が舞い上がり、サディは瞬間的に防御膜を張り、るうの目を片手で覆って庇うと視界が開けるまで扉を見つめ、その扉と言えなくなった穴の前にリクが険しい顔をしたまま立っていました。
今年の初詣で引いたおみくじは末吉でした(*´∀`*)
末広がりと聞きますからいいのかな?
今年のおみくじはとんぼ石のねつけが着いたもので可愛かったです。
ちゃんとお守りも買ってきましたよん♪