ルナーの雫と証。
ふおぉ……っ!?
いつの間にやらPVアクセス44万越え&ブックマーク数770件越え!?
本当にありがとうございますっ。
励みになりますっ。
ぽかんとベッドに座り込んで思考回路が停止している私の目の前でふりふりと不思議そうに手を振っている自称世界の番人さん。
「おーい。聞いてる~?あのね。ルナーの雫っていうのは印のことなんだ。」
「え?あ……。しる、し……?ですか?」
ハッと我に返った私と視線が合うと、番人さんはにっこりといい笑顔で頷いて、人差し指を立てると私のナイトドレスの上から鎖骨の下をツンとつつきました。
「まあ、今回のルナーは誰が見ても、るうのことだと気づくだろうけどね。今までのルナーは意思疎通できないのが普通だったし、生まれてすぐ本能の赴くままに移動してしまったりで、それがルナーだと気づけない姿の者が多かった。」
番人さんは少しだけ声音を低くして、悲しそうに微笑みました。
「だから俺たちが最初にルナーに与えるのはルナーの雫という印。祝福のようなものかな。その印を持つのはルナーだけ。誰が見ても気づける証なんだよ。君は今までの、どのルナーたちよりも賢い。だけど、どのルナーたちよりも繊細で弱い。」
そう言いながら、慈愛に満ちた微笑みで私のナイトドレスのボタンを1つずつ外してきました。
ぽやりとした頭でそれを見つめている私、どうしちゃったのかな。
3つほどボタンを外されると、するりと肌触りのいい生地が滑って左の肩が朝の冷たい空気に触れました。
さっきつつかれた鎖骨の下あたりに掌を当てられた私は、番人さんの触れているところへ視線を落とすと、なんだかその部分がぽかぽかとあったかいことに気づいて首を傾げます。
クスリと笑った番人さんが、ゆっくりとその手を外すと、そこには水色のひと雫の涙の形の周りを若草色の草の蔓がクリスマスのリースのように囲んでいる模様が浮かび上がっていました。
「これが、るなーの、しずく?ですか?」
「うん。この印が、君がルナーだという証になる。忘れないでね。俺たちはルナーの雫を持つ君のためなら、どんなことでも出来るんだ。いけない。そろそろ時間だ。……また、会いにくるよ。必ずね。」
番人さんは小さなリップ音を私のおでこに残して霧のように消えてしまいました。
お、お、おでこに、チューされちゃいましたっ!?
明るくなってきた部屋の中でよくよく考えてみると、それ以前に服脱がされていたし、こっちの方が問題な気もしてきてしまいましたが、更によく考えて見ると、私ってそれ以前の以前に見られて困るところがないことに気づきました。
とほり……。
それに、もしボインとした素敵な膨らみがあったなら、ちょうどお胸の膨らみの上にこの印はあるはずなのです。
はだけた素肌に視線を落として、そのぺたんこの肌にある綺麗な模様を見てため息しか出てきませんでした。
今日は王都に出発の日だというのに、しゅるしゅると萎んだ気持ちをどうしたら……いえ、私が勝手に落ち込んでいるだけなのですけどね……。
なんていろんなことを考えていたら、いつの間にか起きる時間になっていたみたいで、小さなノック音の後、いつも通り素敵な笑顔でナミさんが入ってきました。
でも、私の姿を見た後、ピシリと固まってしまい、その視線は私の胸元の印に向いていました。
その後すぐに私に駆け寄って来て、突然……。
「まあっ。まあまあまぁ~っ!それはルナーの雫。るう様っ!おめでとうございますっ!!」
「ふぇっ!きゃっ。わ、あわっ。なみ、さん?」
私はナミさんのお胸に埋もれておりました。
うぅ……羨ましくなんか……ないんですからねっ。
番人さん名前くらい名乗ってから帰ってくださいよと言いたいです(笑)