初めてのお友達。
ブックマーク500越え、驚きですっ。
嬉しいですっ。ありがとうございます^^
マイペースで頑張っていきますのでよろしくおねがいします♪
るうは可愛らしい花型の箱に入った可愛く彩られたお菓子に感動していました。
まさかこの世界にも甘味があるなんてといったところでしょうか。
ですが、ひとつだけ残念に思います。
綺麗な色のお菓子はたぶん、本当に砂糖菓子という名がふさわしいものでした。
日本でいうところのお墓参りや仏壇などにお供えされるような、砂糖を固めて色づけしたようなものを想像してみてください……。
へにゃりと眉を下げたるうを見て、サディは『あれれ?』と首を傾げて疑問に思ってしまいました。
「あれ……?想像してた反応と少し違うな。どうしたの?甘いもの嫌いだった?」
「え。えと。いいえ。すき、です。」
るうはフルフルと首を振ると、サディに改めてありがとうと伝えましたが、思ったより反応が薄いるうを不満に思って、それならばと指をくるくると宙で振りました。
「っ!?わ……ぁ。」
るうが何をしているのだろうとサディの動く指に視線を移した時、ふわりふわりとるうの上から薄桃色の花がたくさん降ってきました。
「ふふ。こっちは気に入ってくれたみたいだね。僕はねぇ。すごーく魔法が上手なんだよ。ルナー様が望むことなら何でも叶えてあげられる。こんな僕とお友達になってみるってどう?」
「まほー、つかい、さん?」
サディは自分の言葉に興味を向けられたのが嬉しくて、うんうんと頷きながら再度『どうかな?』と言いました。
「うんっ。何か欲しいものとか、見てみたいものとか、なんでも叶えてあげる。ね?だからお友達。どうかな?」
「おともだち、なってくれる、ですか?」
るうはこの世界に来てから、お友達になってほしいと面と向かって言われたのが初めてで、素直に嬉しいと感じていたので、思わずこくんと小さく頷いてしまいました。
サディは『お友達』という肩書きを言質に取ったことでご機嫌になって、未だにフードを掴んでいるアルに視線を向けます。
「ふふん。ルナー様の許可ゲット。これで文句ないでしょー?」
「……その許可の取り方は狡いと思うのですが。」
ため息をついたアルは、カイの膝の上でぽやっとしているたるうの前に片膝をついて、るうのおでこに這ってあるガーゼの上を指で優しく撫でると、困り顔で尋ねてみました。
「るう。お友達とサディは言いましたが、そんな関係いつでも解消していいんですからね?僕はそろそろ騎士団に戻らなければいけません。……かなり心配ですけどね。」
「ある、さん。ありがと、ございました。……あの、また、あえますか?」
小さく頷いたるうは、アルが帰るという言葉を出したことで、ほんの少し寂しそうに眉を下げてしまいました。
そんなるうの可愛すぎる言葉と仕草にアルは、ついていた片膝のバランスを失いグラリと傾きましたが、根性でぐっと力を入れて踏ん張りました。
アル、えらいっ!
「ん。僕はるうの主治医でもありますからね。るうが望むならいつでも駆けつけます。ああ、検診の時だけ来るという意味ではありません。だからそんなに情けない顔にならないでください。それに、騎士団の方にるうが遊びに来てくれてもいいんですよ?」
「い、いい、ですか?うれしい、です。」
ふにゃりと笑顔になって頷いたるうの小さな頭を優しく撫でたアルは、ゆっくりと立ち上がると、サディに視線を向けて、るうに向けていた笑顔とは少し違う満面の笑顔でサディのフードを掴み直しました。
ええ、それはもうがっちりと……。
「さて、サディ。君は1週間も休暇を取って来たのでしたよね?ふふ。嬉しいですね。そんなに僕の助手をしたかっただなんて。それではリク。カイ。るうのこと頼みましたよ。」
「ああ。よろしく頼んだ。」
「ええ。お任せください。アルも大変でしょうがお願いしますね?」
「は?え?何言ってんの?勝手に話進めないで…って、ちょ……っ!離してよぉ~。」
問答無用で引き摺られていくサディにリクとカイは満面の笑顔でお見送りしましたが、るうは不思議そうに首を傾げながらも小さく手を振ったのでした。