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ちびっこは神様の愛し子。  作者: 瑠璃夢
【第6章】ルナーの地位。
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職人たちの仕事。

明けましておめでとうございます゜+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+゜

年末年始はしっかり休んで英気を養っておりました。

まだお正月気分が抜けないのですが、マイペースで頑張ってまいりますのでよろしくおねがいします^^




「ふわぁ・・・。」




るうは情けない小さな声を出して昨日自分が眠ったはずの部屋の入り口に立ち尽くしていました。




昨日が王女様の使うような白を基調とした落ち着いた豪華な部屋だとすれば、今るうの目の前の部屋の中は、白い壁に薄ピンクのソファと天蓋付きのベッドに可愛い猫足のテーブルと机と椅子といったお姫様のお部屋です。




ベッドは今までの子供用だといいつつも、飛びついても上がれないような高さではないものの、やはりるうには少し高い気はしますが、ベッドの両サイドには可愛らしい小鳥とお花が彫刻された踏み台のような箱がありました。




開いているバルコニーに出られる大きな窓は開いていて、心地よい風が白いレースのカーテンを撫でて揺らしています。




るうはあちらの世界ではいい大人でしたが、小さな頃はプリンセスに憧れてもいましたし、可愛らしいものは大好きなのです。


このお部屋の雰囲気は、るうの好みそのものでした。




るうの後ろに控えていた竜族の4人の職人たちは、大きな体を忙しなく揺らしながら落ち着かない様子でるうの様子を窺っていました。


るうの隣りに控えていたカイは、るうの小さな頭を撫でながらるうの身長に合わせて片膝をつくと、首を傾けて微笑みます。




「いかがです?気に入りましたか?」


「は、はい。かわいい、おへや。ありがと、ございます。」




この世界でのるうは、幼子だと思われているのだから、『いい歳して』という考えはお空高く打ち上げて『私は子供』の精神で抵抗なく受け入れられました。


ふにゃりと嬉しそうに笑ったるうに、職人たちはほっとした顔をします。




最初に改装のお話が出た時、るうの部屋の下見に来た職人たちは驚いたのです。




すでに部屋にあったものは子供用の、しかも幼子用の家具だったのですが、更に半分のサイズを発注された時には、お人形の部屋にでもするのかと馬鹿にされた気持ちになりました。


ですが、遠目にリクにだっこされて移動している幼子のルナーを目にした時、これは一大事だと慌てて考えを改め、少しでもるうが快適に過ごせるようにと全力で改装したお部屋だったのです。




「いやあ。気に入ってもらえたようでよかったよかった。」


「家具たちも喜んでますよ。ははは。」




職人たちは嬉しそうに眉尻を下げて嬉しそうに声をあげて笑うと、部屋を出て行きました。


るうは嬉しそうな顔でカイを見上げると、コテリと首を傾けて聞きます。




「かい、さん。ほんとに、このおへや、わたしつかって、いいですか?」


「はい。もちろんですよ。職人たちもるうのために頑張ったんです。彼らもるうが嬉しそうにここで過ごしてくれることを願っています。気にせず使ってあげてください。」




カイの言葉にコクリと小さく頷いたるうは、もう一度ふにゃりと笑顔になると、部屋の中をくるくると視線を変えて歩き回りました。




満足いくまで視線を動かしてからカイを見上げたるうの頭に大きな手を乗せて優しく撫でたカイは改めて『それじゃあ座りましょう』とるうをソファーに座らせました。


そしてるうが座った隣りにカイは座ると、きゅっと優しくるうを包み込みます。




「・・・・心配、しました。るうが無事に見つかってほっとしました。もう二度とこのようなことしないと約束していただけませんか?」


「か、かいさん。しんぱい、ごめんなさい。」




るうは今朝やってしまったことに、いろんな人に心配をかけたことに、とてもとても後悔していました。


カイの腕の中で小さく何度も頷いたるうに、カイはやっと体を離してほっとした表情になります。




「るうはルナーです。ですが、るうはるうの望むように生きる権利があります。この世界の民たちが幸せを求めて生きているように、るうもそう生きればいいだけなのです。ルナーだからこうしなければ、ああしなければと振舞う必要はないのですよ。」




カイはるうが1番気にしていることが何なのか気づいていました。




目を見開いたるうは、そのあとくしゃりと顔を崩して何度も何度も頷きながら子供のようにカイに泣きつき、わんわんと泣いたのでした。





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