レタス巻き。
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「るう様ーーーっ!よくご無事で!心配してたんですよっ!」
「みゃわっ!?」
屋敷に到着したるうを待ち構えていたのは、ハラハラと涙を流しながらガバリとるうを抱きあげて、きゅむきゅむと抱きしめるナミでした。
「なみ、さん。しんぱい、かけて、ごめんなさい・・・。」
「いいえ、いいえっ。るう様がご無事ならいいのです。あ、るう様はお昼のお食事も召し上がるられるのでしたわね。すぐご用意いたしますね。」
嬉しそうに笑顔になったナミは、ふわりとるうをソファーの上に降ろすと、足早に廊下を歩いていったナミの背中に、るうはもう一度、心配かけてごめんなさいとつぶやきました。
屋敷の中庭のようなところにも簡易なテーブルと椅子があるとリクが言うので、るうはまたもやリクにだっこされて中庭に連れ出してもらいます。
「りくさん。あるけるです。」
「朝もカイに言われただろ?この世界の物すべてがるうにはでかすぎるし、広すぎる。体力をつけるにも、その華奢な体では限界があるだろう。せめてこの世界に慣れるまでは大人しく運ばれていろ。」
ここまで言われてしまえば、るうはもう何も言い返せないのですが、リクはお父さんで、カイがお母さんで、ナミは歳の離れた姉のように過保護と化している気がしてしまうのは気のせいだと思いたいるうなのでした。
明るく陽が差し込んだ中庭は、おとぎの国のように綺麗で、あのお花畑とは違ってこちらの方が庭園という感じです。
ですが、リクたちには、この大きな庭園のような中庭は、とても規模が小さく、本当にただの中庭という感覚でした。
るうは本気でこの世界のスケールはどうなっているのか突っ込みたくなりました。
呆けているうちに、ナミがティーセットとるうの昼食を乗せたワゴンを押して、薔薇のようなアーチを潜って出てきます。
「るう様はお肉料理独特の味が苦手だと伺ったので、レタスという兎族の好む食べ物に薄切りしたお肉を挟んでみました。ですが・・・このレタスというものは青臭く、あまり美味しいものではないそうですが・・・。」
そう言いながらるうの前に出されたお皿には、レタスの葉にしてはやたらと大きな葉にるうの知っているレタスより紫が強い色の葉に、きっとうす塩味なのだろう薄切りの焼いたお肉が巻いてあるものでした。
るうは切実に思いました。
せめて薄切りのパンで挟んだサンドイッチのようなものだったらよかったのにと。
あむあむと食べだしたるうを慈しむように見つめるリクの視線を意識しないようにしながらも、先ほどから耳に届く遠くから聞こえる音に首を傾げました。
「なにか、きこえます。」
「聞こえる・・・あ、ええ。るう様のお部屋の改装をしているのですわ。子供用の家具でもるう様には大きすぎましたので、快適に過ごしていただくためにも急がせましたの。」
ナミはニコニコしながら『たのしみですね?』と子供に言うようにるうに微笑みかけると、るうはへにゃりと眉を八の字に下げてしまいます。
「おっきくても、へいき、ですよ?」
申し訳なさそうに小さな体を縮こまらせてしまったるうに、リクとナミは顔を見合わせて笑いました。
「気にしなくていい。るうにとってこの世界の物は大きすぎるんだろう?何も全部ではない、るうが毎日使用する物だけ急がせただけだ。」
「そうですよ。特にベッドやソファーは、るう様が落ちて怪我をされたら大変です。食器は今日すぐにとはまいりませんでしたが、発注は終わっています。・・・と、まああそこまで大きな音が聞こえてくれば気になりますわよね。」
すぐに注意してきますと立ち去りかけたナミを、るうが慌てて止めたことは当然のことと言えるのですが、ナミはそう思ってはいなかったようです。
「なんてお優しい・・・。流石はるう様です。」
と、嬉しそうにニコニコとご機嫌な様子に、るうは苦笑いを零したのでした。