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ちびっこは神様の愛し子。  作者: 瑠璃夢
【第1章】プロローグ。
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幼子と守人。

初めまして。初執筆ですのでうまく執筆できないかもしれませんが、よろしくおねがいします^^


私、結構現実逃避が大好きだったんですよ。




ネットで小説読んで、異世界っていいなとか、転生っていいなとか、ひたすら無条件で愛される主人公を羨んでたりしてたんだけど、リアルでそんなことあるはずないよねって思ってたんです。




そう・・・今までは・・・ね。




私、鈴本瑠羽(すずもとるう)20歳。




生まれつき色素が薄いふわふわのミルクティー色のロングヘアとはちみつ色の瞳の色だけが自慢の身長は141.3センチとミニマムサイズの見た目は出なきゃいけないところも出てくれないちんちくりんのちびっこ体型、ああ・・・目から心の汗が・・・。




父、母、共に平均よりも高い身長なのにどうしてこうなったっ!?




神様って平等だよね、こんな私でも得意なことは1つはあるもので、お菓子作りとお料理は小さい時から大好きだったのです。




だから高校を卒業した後、迷うことなくお料理の専門学校に行って、晴れて今日、祝!!卒業!!就職先だって決まって、いざ新しい未来ーっていう大切な日を迎えたんですよ。




なのに、家を出て学校に向かう道中、頭上から、降ってきたんです。




何がって・・・人ですよ人っ。




何か絶望することがあったのか、借金いっぱいこさえてどうしようもなくなったのか、そんなことはどうでもいいんですよ。




『あのビルで自殺があったんだってー』とか、『大変な騒ぎだったらしいよー』とか、聞いた分には同情も出来るし、悲しんであげることだって出来る。




だけど、人の頭の真上に狙ったように降ってくることはないでしょう?




え?私?




・・・・生きてると思いますか?




今の私は、何か薄い乳白色の膜に覆われて、真っ暗な中にいます。




これって確実にリアルではありえませんよね?




結果ぁ・・・確実に死んでます。




りぴーあふたみー。




か・く・じ・つ・に・・・・死んでます。




何時間か何日か、時間の感覚が掴めないくらい閉じ込められて、その間も何故か安心するようなふわふわとした感覚に囚われてうとうと。




お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんってこんな感じなのかなぁ?




うとうとうと。




ふわふわふわ。




ずっとこの中にいられたら、どんなに幸せなんだろう。




もしかして本当に私、女の人のお腹の中にいて、生まれ変わっちゃったりして、なんて思い始めてしまいました。




そしたら私、今度はどんなお家に生まれて、どんな両親に育てられて、どんな人生を歩んでいけるかな?




そんな、ここから出た後のことを考え始めた頃、私を覆っていた膜が、ふよふよと柔らかい光になって私を包み込みました。




***




俺はリク。火竜族の竜騎士だ。




この世界の神が数十年に1度、愛し子を天から贈ると言われている神域の地下神殿の守人をしている。




あれは3年ほど前だっただろうか。




いつものように地下神殿に足を進めると、神台の上に光り輝く卵が出現した。




生まれてくる子は毎回、いろんな形をしている。




時には(ウロコ)をつけた愛し子や、足の何本も生えた愛し子もいたが、どの愛し子も俺はとても可愛らしいと思っていた。




50年ほど前に光の卵から生まれた愛し子は、卵が出現してから数週間で孵化(ふか)したが、今度の卵はもう3年も孵化する兆しがなかった。




もう1人の守人である水竜族のカイは、俺と同じ役目を受けているが、毎日今か今かと地下神殿に通っている俺に呆れていたが、もし行くのをやめて孵化する日が今日だったらと思うとやめられるはずがない。




神域地下神殿の守人をしていながら、愛し子が生まれてくる瞬間に立ち会えないなんて、俺は一生後悔するに違いないんだ。




そんなことを考えながら地下神殿に足を踏み入れた俺は、光の卵がいつもより淡く輝いていることに気づいて驚いた。




卵の中にはうっすらと影が見えて、もうすぐ孵化することに気づいた俺は、静かに卵に近づいてみることにした。




愛しく動く小さな影は、どうやら俺たちのように手と足が2本あるようだが、まだとても小さい。




愛し子は成体、成人した大人の姿で生まれてくることがほとんどだが、今回の愛し子はまだ幼子のようだな。




思わず目を細めて微笑んでしまった時、卵はゆらゆらと形を変えた。




神の卵は鳥族のように卵が割れて孵化するのではなく、光の殻を吸い込むように体の中に取り込んで姿を現すのだ。




「早く出ておいで。3年もそんな中にいたんだ。窮屈だっだろう?」




ふわふわと形を変える卵の柔らかな感触を感じながら、できるだけ優しい声音で話しかけると、その声に返事をするかのように光は小さな幼子の影に密着するように小さくなっていった。





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