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19.苦悩

今回も、短めです。

灯は、樹生との関係が『友達』という立場になりほっとして日々を過ごしていた。

もちろんそのことは、灯の親友・凪には報告済みである。


「私もこれで、ホッとしたわ。灯の恋を応援したいもの。

天然の灯の事だから、一時はどうなるかとヒヤヒヤしたわ。

蒼人さんのことが好きなのは私から見たら、よくわかるもの」


満面の笑みで、答えたのだった。


「そんなに、分かる?」


と答えれば


「とってもよくわかるわ。」


と言われる。


「灯は、告白しないの?」


と尋ねられ


「私は、恋をしてもいいんだろうか?

凪も知っている通り“愛情”という点では、乏しいと思うだよね?

こんな私でも、恋はできるの?」


と聞き返せば、


「何言ってるのよ?恋は自由よ。」


と、灯にとっては意外な返事が返ってきたのだった。






その後、凪と別れ1人自分のアパートに帰ってきた灯。


『恋は自由よ』


凪の言葉が、頭から離れない。

それほど凪の言葉は、灯の心に衝撃的だった。

思い返せば、小さい頃から『力』のせいで、両親に愛されていない・・・・・・・・・・と思っていた。

けれど、トーヤと言う悪霊(?)と出会いトーヤを救い出す手助けをしているうちに、トーヤの周りに存在する人たちはとても大きな愛情を持っていることに気がついた。

みんながみんなトーヤの事が大切で。

ちょっと、いや・・・かなり羨ましいなとおもったのも正直な感想。

最初は、遠巻きにみんなを眺めていたのに・・・。

きがつけば、その輪の中に自分も入っていた。

そして、その中でトーヤの母である『美華』という存在は大きな手を広げて灯を包み込んでくれた。


“誰しも、わが子は可愛い存在なのよ?

わが子が可愛くない親なんていない!”


と言われ、自分を遠ざけていた両親でもそうなのかと悩んだ。

そんな両親を受け入れるまで、心が揺らいだ・・・。

揺れる心の中で、本当に受け入れてもいいものか・・・。

そんな中、突然護や琴が、自分の進むべき道を作ってくれた。歩きやすいように・・・。


『本当に、この道を歩いていいの?』


恐る恐るその道を歩こうか、やっぱりやめるべきか悩んでいた時にそっと手を掴んでくれたのは美華だった。


“灯ちゃんは1人じゃない!!!”


その言葉が、嬉しかった。涙が出るほど嬉しかった。温かい涙は、何年ぶりに流したものなのか・・・?

その言葉通り、美華はとてもとても大きな愛で包んでくれたのだ。


ポツリと灯は呟く。


「そうか・・・恋は自由なのね?

誰でも、恋をすることは許されているのね?

こんな私でさえも・・・」


“なんだ!!

簡単なことじゃない!

自分の心のままに、進むのもいいかもしれない”


そして、やわらかい笑顔をその口元に溢す。


「新しい自分の道を歩いていくのもたのしいかも!」


突然、自分の体に力が入ったように力強く呟く。






蒼人とのデートの日、待ち合わせ場所に行くともうすでに蒼人は待っていた。

開口一番に言われた言葉・・・。


「灯ちゃん、何か変わったね。

なんて言ったらいいんだろう?」


しばらく悩んでいた蒼人だったが、手を叩くと


「そうだな?なにか吹っ切れた感じ?」


そういって、にっこりほほ笑む。


「ほとんど、正解ですよ。」


顔に柔らかさをにじませながら、答える灯。

そんな灯を見て、蒼人は思う。


“こんなに、柔らかい表情をするようになったんだ。

自分に笑ってくれる日が来るなんて、嬉しい・・・”


蒼人は、当たり前のように灯の手を繋ぐと食事をするべき店に向かった。


次回は、デート編です。


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