18.蒼人視点~沈んだり 浮いたり~
いつもより、短めです。
10月9日 誤字訂正しました
蒼人は、拓斗のメールで、焦ったことをついこの前のように思い出す。
灯が『お試し期間』と称し、同級生と付き合い始めたこと。
蒼人は、かなりのショックだった。
あのメールを貰ってから、仕事が手に付かなくて・・・。
でも、目の前にはこなさなくてはならない仕事がある・・・。
イライラしながらも「仕事を早く終わらせないと。」「気になる灯にも会わないと。」と焦っていた。
結局、灯に会いたい一心で目の前の仕事を、いつもよりかなり早いスピードで終わらせ灯に確実に会える拓斗のカフェまでたどり着いたのだった。
拓斗は、蒼人の顔を見るなりニヤッと顔を歪ませ笑ったのだった。
オーダーをしたわけでもないのに、コーヒーを入れると拓斗の前に置く。
「負けたか!!」
「まだ、決まったわけじゃない!
“お試し期間”なんだろ??望みはある。」
とブスっとした顔で、蒼人が答えれば声を立てて笑われたのだった。
「まぁ、頑張れよ?蒼人のそんな顔、初めて見たな?
なるほど。その顔は本気だな?
・・・・ならば、少しくらい協力してやってもいい。」
そういうと、拓斗は他は喋らず椅子に腰を掛けたのだった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その後、その『お試し期間』の相手、樹生にも会う機会があった。
樹生は、勝ち誇った顔をしていたが、2人の会話をしている姿を見る限り、灯に樹生に思いを寄せる気持ちがないことを知り、ほっとしたのだった。
そのうちに、またトーヤの母親から灯を大変身させて、蒼人とデートさせてあげると提案され、その計画に乗ったのだった。
ただ、計画から実行に移るまでは何か月という時間がかかったのは言うまでもない。
灯が、蒼人に対する思いを認識させるまでに時間がかかったというだけの話なのだが・・。
その計画で、灯も蒼人に思いを寄せ、2人は両思いだということを知り、嬉しかったのだがデート中も緊張してるのか、なかなかいい雰囲気にならない。
なんとか、世間話をしながら、次のデートの約束をしてチャンスとばかりに、やっとの思いで連絡先をゲットしたのだった。
しかし・・・・と振り返る。
あの時の灯は綺麗だった。
いつものイメージと違った、落ち着いた雰囲気を持つ大人の女性だった。
ワンピースもとてもよく似合っていて、アルコールでほんのりピンク色に染まった顔が可愛らしくて。
早く恋人として、並んで歩きたかった。
灯は、いまどういう気持ちでいるんだろう?
何をしているんだろう?
早く会いたいという気持ちばかりが、募る。
少しは、待ち遠しいと思ってくれているんだろうか?
なんだか、俺は中学生に戻ったみたいだな??という気持ちになりフッと笑う。
そう、灯とは心から純粋な恋をしている。
蒼人にとっては、初めての感情だった。
とても大切にしたくて。
とても守りたくて。
今まで付き合ってきた女性とは、なんだったのかと思う程に。
これで、蒼人視点が終わります。
次回から、また灯視点に戻ります。(予定)




