18.蒼人視点~協力者発見~
蒼人は、灯とのデートの約束をした後、出会いから今までの事を振り返っていた。
その日俺は、たまたま亡くなった親友、トーヤに線香を上げに珂李の家に訪ねていた時だった。
始めて灯と会った時、年齢の割に大人びていた灯・・・。
来るものは寄せ付けない、冷たい瞳の中にどこか凛とした強い光を持っていた。
笑うことはなく、表情は揺るがない不思議な女の子だった。
話を聞くと、霊と話したり、姿も見えるという。
今回、トーヤが悪霊になっていて成仏できないから成仏できるように手助けしている最中だという。
そのトーヤの導きにより珂李の家を訪れたと話す。
トーヤ・・・・・・・・。
小さい頃に親を亡くし、笑顔を失くしてしまっていた頃出会った親友だった。
だけど、俺たちが仲良くなり言葉を交わすうちに笑顔を取り戻した。
俺は、嬉しかった。
こいつでも、こんなに嬉しそうな顔をするんだ!って嬉しかった。
そんな中、あいつにも彼女ができた。
これから、こいつも幸せになるんだなって思っていた。
俺は心から、本当に心から安心していたんだ。
それなのに・・・・・。
・・・・・あいつは、突然交通事故で亡くなってしまった。
即死だった・・・。
ようやく、俺も立ち直り始めたころ珂李から、月命日にトーヤを語ろうと声を掛けられ、毎月必ず珂李のうちに足を運んだ。
トーヤの思い出話、トーヤだったらどう思っただろうかとか・・・。
俺たちの心にはいつも笑顔のトーヤがいたんだ。
なのに、灯ちゃんの話によれば、トーヤは成仏できずにまだこの世をさまよっているという。
悪霊になっているってなんで??
どうしてしまったんだよ?トーヤ!
灯ちゃんは言う。“トーヤの心の闇を解決したい。協力してほしい。”
もちろん、俺たちはすぐにOKした。
何をすればいいのかと聞くと、ある人の家に一緒に行った欲しいと言われ付いていくとそこは・・・。
城山さんという家・・・、なんとそこは、トーヤの母親の家だった。
事情があって育てられなかったと言われたが、俺が想像してたような人ではなかった。
家族を大切にする、とても素敵な人たちだった。
トーヤの事が解決して、仏壇が城山さんの家に変わると、月命日に集まっていた場所は自然と城山さんの家に変わった。
その城山さんの家で、灯ちゃんに会う機会もあり、気がついたら気になる存在になっていた。
俺たちにはその表情は見せないが、トーヤの母親にはいろんな表情を見せていた。
表情も段々動くようになり、その様子はそうだな?
・・・友達親子!
そんな感じだった。
月日が経つうちに、少しだけ笑ってくれることもあって・・・。
その姿が嬉しくて・・・。
気がつけば、好きになっていた。
トーヤには悪いが、灯ちゃんに会いたくて城山さんの家に通っていたと言ってもいいくらいだ。
ある日、トーヤの母親・・おばさんから俺が1人の時に声を掛けられた。
「灯ちゃんの事が好きなのね。」
質問形でもなく、断定の言葉だった。
「態度に出てるわよ?灯ちゃんは気がつかないけどね。
灯ちゃんは、そうね・・・。
いままで恋愛したことがない子だから、ちょっと手ごわいわよ?
・・・いや、ちょっとどころじゃないわね?
かなり手ごわいわよ?」
そういって、フフッと笑いを溢している。
「でもね、灯ちゃんも蒼人くんの事が好きになったのなら協力してあげてもいいわ。
ただし、両想いなら・・・よ?
灯ちゃんの初恋なら、デートに誘うのも時間がかかりそうね?
それまで、待てる自信があるならね。」
俺は、即答していた。
「その時は、よろしくお願いします。」
「灯ちゃんはね、私にとってとっても大事な人なの。
それに、娘みたいにとっても可愛がっているの。
灯ちゃんのためなら、協力するってことよ?」
「はい。」
「灯ちゃん、そういうことに疎いからかなり時間がかかるのは覚悟してね?」
俺は、みんなに分かるくらい灯ちゃんの事を見つめていたんだろうか?
恥ずかしい・・・。
でも、協力者が出来たってことだ。
今まで、俺も何人かの女性と付き合ってきたが、そういうわけにはいかないらしい。
う~ん、灯ちゃんの初恋ならば・・・。
純愛か・・・。
それでも、心が通じ合うことが出来るならば、嬉しいことはない。
その後、美華の計画に乗って灯が大変身することになったのである。




