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16.心は正直に・・・

10月9日 文章を一部訂正しました。

灯は、樹生と約束した日に約束した喫茶店で待っていた。

ここは、拓斗の店ではない。あえて、拓斗の店は外したのだ。

また同じ大学生なので、お互いの講義が半日で終える日を選びデートをすることになったわけだ。

“デートねぇ?樹生が来たら、私たちもデートしてるように見えるんだろか?

私には友達という感覚しかないんだけど・・・”

ここの喫茶店は、表通りに面した店で灯と同じくらいの女性たちやカップルの姿が目立つ。

流行の服装に、流行の髪型、流行の化粧。なんだか、みんなが同じ人に見える。

そんな人たちを横目で見つつ灯も案内された席に落ち着く。

ほーっとため息を吐きつつ外に目を向ける。そして、ここまで歩いてきた道で金木犀のいい香りに心が和み、季節は秋だと実感させられた。

“なんだか、最近は時間の流れが速く感じるなぁ。凪や美華さんのおかげかな?”と穏やかな心の中で呟く。

今日は、樹生に自分には好きな人がいるんだと伝えようと決心してきた灯。

“緊張するな・・・。でも、中途半端なまま樹生とはいられない。蒼人さんが好きって気持ちに嘘はない。

実家に帰るときよりも緊張してる。・・・・・少し、落ち着かなきゃ”

そして、注文したエスプレッソを口に運ぶ。


“うん、ここのエスプレッソも美味しい”


自然と笑顔がこぼれてしまう灯。すると突然目の前が暗くなり、そこに突然現れた人影。


「よぉ!待たせて悪かったな?」


そういうと、灯の前にドカッと腰を下ろす樹生。

突然の樹生の登場に驚く灯だったが、樹生のいつもの口調にすぐに気持ちも切り替わり、飾らない灯の口調で返答する。


「私も、今来たばかりだよ。樹生も、約束した時間より早いじゃん。」


「一人で待たせるのも悪いかなと思ってさ・・・。」


「私は、1人の時間好きだし。たまにこういうところで1人のんびりするのもいいかなと思っていたんだけどね☆」


「そう、冷たいこと言うなよ灯!」


そういうと、2人で笑う。そんな何気ない行動ができるようになったのもつい最近のことだ。

今までは、当たり前のことが当たり前にできずにいた。

それを救ってくれたのは、トーヤのおかげかもしれないと思わずにはいられない。


「さてと。腹減ったな?灯!」


言いながらメニューを手にする樹生。ボリュームがある料理が存在することを確認するとここで食事をしようと言うことになった。


食事を済ませ、一息つくと喫茶店をあとにする2人。

灯は迷いなく足を進ませ、いつもの灯のお気に入りの森林公園に足を踏み入れる。

公園につき、ベンチに腰を下ろすと灯は遠い目をしながら無言のまましばらくそのままでいた。

樹生は、そんな灯をみながら“あのころはいつもこうだったな”と遠い過去を振り返っていた。

どのくらいそうしていただろうか?

突然灯の声がして、現実に引き戻される樹生。


「樹生。きちんと話したいことがあるの。」


灯を見つめると視線の先には、小さな子供たちが砂場やブランコで遊んでいる姿が映っている。

樹生も灯と同じく、その小さな子供たちを見つめる。


「うん。分かった・・・。」


心の中で深い溜息をつく樹生。


「・・・私ね、好きな人がいるの。

でも、ごめん!樹生じゃない・・・。」


「・・・・・」


灯を見つめる樹生。


「自覚したのは、つい最近の事なんだ。」


「・・・・・蒼人さんか!?」


しばらくの間が開き、返事をする灯。


「・・・・・うん。」


そういって、灯は頬を染める。


「はぁ~。やっぱり。

ちょっとは、予感してたんだ。

・・・灯を変えたのも蒼人さんなんだな・・。」


樹生はぽつりとつぶやくと、視線を遠くにやる。

そして、今までを振り返り意識を過去に戻す樹生であった。





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