15.友達と友達以上
今回は、少し短めになっています。
凪の家から帰ってきて、勉強をしていると携帯電話が点滅しているのに気がつく灯。
“誰だろう?”と思い、携帯を持ち上げ見るとメール受信の表示が。
メールフォルダを開くと、そこには蒼人と樹生の二人からのメールだった。
蒼人からのメールが来ていると知ると、灯はドキドキしてきたが、メールを開いてみる。
メールを開く時に、ドキドキして少し手先も震えている。
『灯ちゃん、昨日はありがとう。とても楽しかったよ。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうよね?
洋服もとてもよく似合っていたよ^o^
灯ちゃんのワンピース姿を始めてみたけど、急に大人びて見えてドキドキしました。
さて昨日の約束通り、また会って欲しいのだけど・・・。
灯ちゃんは、食事に行くとしたらどういうのがいいのかな?』
『蒼人さん、こんばんは。メールありがとうございます。
昨日の姿は、とても恥ずかしかったです。
この言葉、素直に受け取ってもいいのでしょうか?
そして、今日凪に会ったらすごく驚いていました。
髪型が変わっていたから。
何が昨日あったのか、いろいろ聞かれて・・・。
結局は、すべて白状させられました。
約束ですね?はい。守ります。
それから、食事ですが何でも大丈夫です。
そうですね。できれば、料理のレパートリーが増やせるそんな料理を出してくれるところがいいです。』
蒼人にメールを送った後、今度は樹生のメールを開く。
樹生のメールを開くときには蒼人のメールを開くときのドキドキ感は無くなっている。
『灯?元気だったか?
今度デートしよう!行きたいところはある??』
『樹生・・・
元気だったよ。
だけど、樹生・・・ごめん!!
“お試し期間”解消したい』
灯は気がついてしまったのだ。やっぱり灯の胸の中には蒼人が存在していると。
どうしても、樹生との間に“恋心”は持てないと。
自分の心に正直に、“お試し期間の解消”は早い方がいいと思いメールをしたが・・・。
樹生はかなり不満らしい。
『どうしたんだよ?何があったんだよ!
俺たちまだ始まったばかりじゃないか!
まだ、解消はしたくない。・・・いや、できない。
必ず灯を、俺の彼女にするつもりだから!!』
そのメールを読むと灯は頭を抱えてしまう。
“どうしよう・・・。
どうしたら、樹生は納得するの?”
いろいろ考えていると、さらに樹生からメールが・・・。
『近いうちにデートしよう!』
「はぁ~!樹生とデートか・・・。
なんか、気が滅入るなぁ~。。。でも、会わないと前には進めないのか・・・。」
がっくり肩を落とし、独り言をつぶやいていると彩加が姿を現す。
『珍しい・・。うふっ。灯が落ち込んでる・・・。
樹生くんとのデートが嫌なの??』
『気持ちがね・・・。乗らないのよ?
樹生とは友達以上にはなれないよ。でも・・・デートって・・はぁ~・・・。
好きでもないのに、デートしていいのかな?
この関係を終わらせたいんだけど、樹生は納得しないし・・・。』
『樹生くんにしたら、やっと自分の恋が叶うところだったものね?
もう少し、この関係にしがみついても灯の手を離したくないんだよ。
このまま終わりにしたくないのよ?
・・・やっぱり樹生くんとは会わなきゃ前には進めないわよ?』
『彩加もそう思うんだね?
今、私が好きなのは違う人だと伝えなきゃならないんだろうな・・・』
つぶやいて、彩加をみると微笑んでいる。そうした方がいいという事か・・・。
灯は、心を立て直し樹生にメールの返信をする。
『分かったよ。
樹生に話さなきゃいけないこともあるし、デートする。』
その後、樹生とはデートの日取りの約束をして終了した。
樹生とのメールが終わり、ほっと溜息をついたころ今度は、蒼人からの返信が・・・。
『今度、会えるのはいつになるだろう?
スープの美味しいお店があるんだけど、そこはどうかな?
素朴な料理を出してくれる隠れ家的なお店なんだ。』
『蒼人さんにお任せしますよ?
でも、蒼人さんのお仕事は大丈夫なんですか?忙しくありませんか?』
『大丈夫だよ?
灯ちゃんも大学の勉強もあることだし・・・。
時間の取れるときに少しでも会ってくれると嬉しいよ。』
蒼人とメールをしてると心がほっとする・・・。
こんな、たわいのない会話でも嬉しさがこみあげてくる。
灯は、自分の心が穏やかになっていくことに驚き、幸せをじんわりと感じるのだった。
いつも、お読みくださりありがとうございます。
おかげさまで、630人に読まれていることを確認いたしました。
私自身も驚いています。




