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1.好きになるとは?

「・・・で?デートはどうだった??」


灯が、凪に尋ねる。

大学が終わり花壇脇の木の木陰になっているベンチに座り、涼しい風を受けながら話し込んでいる。

・・・と、突然話が拓斗とのデートの話しになった。



「楽しかったよ?1日中一緒に居たのは、初めてかも。

拓斗さんの気持ちもわかったし、いい1日だったよ?」


頬を染めて話す凪に、灯はちょっと不思議な気持ちだ。


『好きになるってどんな気持ち?

付き合うって、どんなものなんだろう??・・・』


「灯はさ、気になる人とかいないの?」


「・・・ん?その前に異性を好きになるってことが分からない。」


真剣に答える灯に、凪は息を飲む。


『こりゃ、蒼人さんは前途多難!!』


「ほら?私って小さいころから変な力のせいで、人並みの恋愛とか縁がなかったというか・・・

そんな暇なかったというか・・

どちらかというと、変な目でみんなに見られていたし。」


「告白してきた男の子とか居なかったの?」


「う~ん。いなかったかと・・・」


過去を振り返りながら、話す灯だが・・・


「あれ?居たかも。

付き合ってほしいと言われたことあって・・・

“どこに つきあうの?”と返したら、大爆笑された。

あれって、もしかしたら告白だったかなぁ?」


段々小さくなっていく灯の言葉に、凪は言葉を失う。


「灯って・・・・・

天然???それって、告白だったはずだよ?

それで、その子とはどうなったの?」


「ああ。時々声を掛けてこられたかな?

でも、私にとっては邪魔だったし・・・

それどころじゃないもの。私の周りには、悪霊がうようよ。

構っていられる時間なんてないもの。

ほっといたら、自然と離れていったかな?」


「そういう子って、灯・・・意外と多くない?」


「さぁ?気にしたことなかったし・・・」


苦笑いしている灯。


「私ね、灯が好きだっていう人知ってるよ?

でも、灯にその気がないんじゃぁね?

頑張ってねと言っておいたけど。

灯が自然に好きにならなきゃね。」


そういって、うふふと笑う凪。


「そういえば・・・拓斗さんからの伝言があったんだ。

また、アルバイトお願いしたいって。」


「うん。いいよ。いつから?」


「なるべく早くにお願いしたいらしい。最近、また忙しくなったみたい。

・・・・行ってみる?」


「たまには、美味しいコーヒーを飲みに行きたいものね?

今日は、一緒に行くわ。」


そういうと、Cafe【ikoi】に向かって歩き出した。




【ikoi】に着くと、いつものカウンター席に座る凪と灯。

なにも言わなくても、凪と灯の飲む飲み物が出てくる。


「お待たせ。どうぞ?」


そういって、カフェオレが出される。


「今日も、美味しいです。・・・なんか、久しぶりにここに来た気がします。」


「また、しばらくここに通ってもらうことになるけど、灯さん大丈夫?」


「はい。もちろんです。」


話しによると、最近では平日の夜も忙しいらしい。口コミで拓斗の店があることを知り『美味しいコーヒーが飲める店』と言うことが広まっているらしい。

もちろん、土日はさらに忙しくなっている。

アルバイトを雇いたいのだが、アルバイトしたいという人もなかなか来ないというのが現状。

そこで、灯に当面手伝ってもらうようにお願いしたところだ。


「もちろん、大学の勉強もあるだろうから、そっちのほうを優先して構わないよ。

でも、時間があるときはお願いします。」


頭を下げる拓斗。こちらこそと灯も頭を下げ、交渉成立と言ったところだ。


「あのあと、蒼人、珂李、そしてりんさんもたまに店に顔を出すようになってね?

日曜になると城山さん一家も揃ってここに来てくれるんだよ?」


「トーヤの存在は、人脈も作ったみたいね?」


灯が笑う。


「それからかな?徐々にお客さんも増えてね?

どうしても、それでもダメなときは経験がある蒼人に手伝いを頼もうと思っているけど・・・

灯さんは、蒼人がいても大丈夫?」


「ええ。トーヤの友達だもの。嫌な気はしませんよ?」


“これは、蒼人は脈なしだな”と確信した灯の一言。

“友達以下か・・・これは、知り合い程度にしか思ってないぞ!蒼人・・・

まぁ、頑張れよ!!”


拓斗の心の中の言葉。凪を見ると口を歪ませている。どうやら、拓斗の思いが伝わっているようだ。

拓斗と凪は顔を見合わせると、笑い始める。それを不思議そうに見つめる灯。


「ごめん。ごめん。なんでもない。

・・・・灯って、本当に異性に興味がないんだなと実感したら、笑えて」


「・・・・私って、やっぱりおかしいの?」


灯が小さな声で話せば、慌てたように拓斗が話す。


「おかしいことはないよ?

恋は灯さんのペースですればいいんじゃない?

そのうち、灯さんにも好きな人ができるかもしれないし。

無理に誰かを好きにならなくていいと思うよ。」


優しい笑顔と共に言われた言葉。


「・・・・そうですか・・・・

ありがとうございます・・・」



恋をするには、まだまだ時間が必要な灯であった。




















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