表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/38

12.策略~御膳立て~

城山家に戻ると、美華は灯の手を取り自分の部屋へと招く。

そこには、大きなパウダールームとトイレがあり、ウォークインクローゼットにはたくさんのドレスが並べられていた。

部屋の中央のはリクライニングチェアも置いてある。


「うふふ。ここで灯ちゃん大変身計画を実行するの。」


楽しそうに笑っている美華である。

その美華と対照的なのは灯だ。戸惑っている灯を見て美華は


「普通にしていていいのよ。その椅子に座ってね?」


そういってリクライニングチェアに座らせる。


「私の腕もなかなかのものなのよ?」


言いながら、クリームを手に取り灯の顔をマッサージする。

灯は目を瞑り、自分の体を美華に任せる。


「…ところで、灯ちゃんには好きな人はいるの?」


ドキッとする灯。それを見通たように美華は続ける。


「いるのね?どんな人?私の知っている人かしら?」


「あ……あの……。」


灯は何も言えず、しばらく自分の考えを整理し始める。やがて意を決したように話し始める。


「美華さんには教えなきゃならないと思います。

…いや、知っていて欲しいです。」


前置きをしてから話し始める。


「好きな人は蒼人さんなんです。

この前気がついたばかりなんです。でも、いままで好きな人いなかったから。」


「初めての恋なのね?」


美華微笑みながら、脳裏に先日蒼人と話したことを思い出す。

トーヤの1件以来、毎月のように城山家に足を運んでくる蒼人。命日だけではなく、トーヤの弟たちに会うのが楽しく訪ねてくることも多い。そんな蒼人に美華が訊ねたのだった。


「蒼人くん、彼女はいないの?」


「今は、いないです。だからこうして、ここに来ることもできるんです。」


「でも、好きな人くらいいるわよね?」


「もちろんいますが・・・。

でも、相手の人には気づいてもらっていないようです。」


その会話の中で、蒼人の好きなタイプなどいろいろと美華に探りを入れられた蒼人。


「綺麗というか、凛としている人に魅力を感じますね?一本筋が通っているというか・・・」


そこで、美華は重大な発言をする。


「それって、灯ちゃんだよね?」


驚いた表情の蒼人を見て美華は、ニヤリと笑う。


「…図星??」


俯いて赤くなっている蒼人に美華が


「セッティングしてあげようか?」


といい始め、蒼人がしてほしいとも、してほしくないとも返事をしていないのに勝手に計画を始める。

そのうちに、蒼人もその気になってしまっている。


その計画とは・・・

灯を美華の家に招き、灯を女性らしく変身させる。

その後、変身した灯を連れて美華が食事に誘う。

灯と美華で食事をしているところで、蒼人が現れる。

そこで、美華が帰り蒼人と交代。2人でデートする。


「ただし、灯ちゃんが蒼人くんに心が向いていたらの話。

もし、灯ちゃんの心が蒼人くんに向いてないのなら、この話はなかったことになるわ。」


それでも蒼人は美華の計画に乗ることになる。

その後、今日の日程などを美華と連絡を取り合い煮詰めていく。決定は当日にならないとわからない。


回想しながら、灯のマッサージして化粧を施していく灯。

化粧が終わると、美華は灯に鏡を見るように促す。


「綺麗だわ。灯ちゃん。元がいいのね?」


「あ・・・ありがとうございます///。」


頬を赤く染めて俯く灯に美華は先ほどのワンピースに着替えるように話す。


「着替えが終わったら、私のお気に入りの美容室に行くわよ?

変身したら、私とデートよ?」


もう、ここまで来たら嫌ともいえない灯。美華の言葉通りに従う。




美華のお気に入りの美容師さんのところでゆるくパーマをかけられた灯。


「なんだか、自分じゃないみたいです。」


「私の想像通り!綺麗な女性になったわ。」


美華は大満足である。

さて、その美華は灯がパーマをかけられている頃自宅に戻り蒼人に連絡を入れていた。

『計画実行!』

そのあとは、灯に合わせるようにシンプルなデザインのワンピースを着て灯の元に戻ってきた。


「さて、行きましょうか?」


そういって、連れて来られたのはフランス料理の店。

予約していたようで、個室に通される。


「ここのお店、美味しいのよ?家庭的なの。

灯ちゃんは何が飲めるの?もう成人したんだし、少しくらいのお酒は大丈夫よね?」


「じゃ、じゃぁ…カクテルなら大丈夫です。」


2人で、楽しくカクテル選びをして、運ばれてきたカクテルのグラスを二人とも手に取る。


「カンパ~イ!」


カクテルの美味しさに微笑む灯。

そこに、ギャルソンの声がする。


「失礼します。お連れ様がご到着になりました。」


計画通りに蒼人が現れる。


「美華さん、これは…」


「女同志のデートは味気ないでしょ?

やっぱり男性もね?今日は疲れちゃったし、蒼人くんに選手交代してもらうことにしたの。

さっき、自宅に訪ねてきたから、灯ちゃんのことお願いしたのよ?

……ということで、蒼人くんあとはお願いね?」


言う事だけ言うと、美華は席を立ち出ていってしまう。

美華の席にかわりに蒼人が座る。


「こんばんは。灯ちゃん、僕じゃ迷惑かな?」


「いえ、そんなことは・・・」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ