エピローグ~蒼人の苦悩
「悪霊が精霊になるまで」のスピン・オフ作品です。
「拓斗さん、お願いしますよ?」
何度も繰り返される言葉。もう、いい加減聞き飽きたセリフ。
「だから、無理だって…。」
それを、眺めながら笑っている凪。
凪に視線を向けると、拓斗が口を歪める。
「凪…。助けてくれてもいいじゃないか…。」
「うん?…助けてあげたいけど…こればっかりは。
灯りは、望んでないし。灯りが困ることしたくないんだよね?」
「凪さん、灯さんは…。」
「灯は無理だよ。諦めて…。」
項垂れる蒼人であった。
碧人が拓斗にお願いしていたもの…。
それは、碧人が灯を好きになってしまい仲を取りもって欲しいこと。
それを、拓斗に相談に来てみれば拓斗にばっさりと断られてしまったのだ。
理由を聞こうとしていたときに、凪が登場!
あっさりと言われたのだ。
「灯は無理ね!恋とか愛とか……。
灯を苦しめてしまう。 」
そこで、拓斗にお願いをしていたのだ。
「灯が愛に目覚めてくれればいいけど、それもいつになることかしら?
まずは、灯が両親と上手く行かなきゃ、灯が恋するなんてありえない。
蒼人さんの努力次第ね?」
はぁぁ~と大きなため息をつく蒼人であった。