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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第四章 魔王降臨

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 思い出した。

 俺と一緒に旅をしていた勇者のリオンと同じ顔をしている。

 いや、でもリオンは男だった。

 妹か姉とかか?


「ようやく気付いたか」


「リオン、じゃない。リオンの妹か姉だな?」

「違う! 本人だ!」

「そ、そんなわけ……性転換の魔法でも使ったのか!?」

「私は元々女だ馬鹿野郎!!」


 魔王、改リオンは右拳で俺の頬を殴ってきた。

 肉体的にはノーダメージだが、リオンが元々女だったという事実に俺は衝撃を受けた。

 た、確かにちょっと可愛い顔をしていたと思っていたが、男じゃなかったか? 口調も男っぽかったし。

 でも、直接裸を見たりはしたことなかった。温泉に行った時は、確かにリオンだけいなかったみたいなことがあったような。


 ほ、本当にリオンなのか? こいつが?


「ま、待て。何でリオンが俺の命を狙っている。お前は俺が魔王を倒したおかげで、勇者になれただろ? 大体、何で魔王になんかなってるんだ? どういうことだ?」


 混乱しながら俺は質問を繰り返した。


「とぼけるな! 全て貴様の仕組んだことだろうが!」


 リオンは怒り心頭という表情で怒鳴ってきた。


「し、仕組んだ? 何の話だ?」

「とぼけるな!」


 リオンはゼロ距離で魔法を放ってきた。

 直撃するがダメージはない。


「くそ……忌々しい奴め!」


 攻撃が効かない俺をリオンは憎らしそうににらみつける。


「わかっただろ? 俺を倒すのが無理だ。事情があるなら全部話してくれ。絶対なんか勘違いしている」


 リオンと一度別れた後、一回も会ったことはない。

 もちろん何か危害を加えたことなどあるわけがない。

 相当ひどい目にあったのだろうが、それは別の誰かがやったことだろう。

 それを俺がやったことだと勘違いしているんだな。

 リオンは剣を離して俺から距離を取った。


「いい気になるなよ。貴様がいくら強かろうと必ず倒すと誓ったのだ。貴様を殺すことだけを考え、魔物どものを喰らいひたすら強くなった」


 リオンの内から禍々しい魔力があふれ出てきた。

 見た目も変わっていく。背中か翼が生え、頭から角が二本生えてきた。黒い尻尾もある。

 まるで悪魔のような見た目だ。

 かなり魔力が増えた。感知が下手な俺でも流石に分かる。


「消し飛べ!! 闇魔砲ダーク・ブラスト!」


 闇の球がリオンの手から放たれた。

 野球ボールくらいの大きさではあるが、強力な魔力が込められている。

 俺の目の前まで飛んできて、大爆発が起こった。

 凄まじい威力だった。

 この攻撃を耐えられるものは、世界に一人いるかいないかだろう。

 そう思うくらいの威力ではあった。

 ただ、俺は無傷だった。

 これほどの攻撃を受けても、俺の体にはダメージは入らないのか。

 優越感などもちろん感じない。虚しさしかなかった。

 リオンを見る。


「こ、これでも無傷……だと?」


 驚愕に目を見開いている。

 俺の強さは重々知っていたのだろう。

 それでも本気を出せば、倒せる可能性もあると思っていたのかもしれない。


「分かっただろ? 無駄な攻撃はよせ」

「く……」


 悔しそうな表情をリオンは浮かべる。


「その状態で長くいるのは、あんまり体に良くないんじゃないか? 早く元に戻れ」


 魔物化についてはあまり詳しくはないが、力を解放した状態を長く続けるのは、体に負担が多そうな気がした。

 それこそ長時間この状態になったら、理性を失ってしまったりしそうだ。


「ふざけるなぁああああ!」


 リオンはこちらに飛びついてきた。

 鋭い爪で俺を斬る。当たるが、逆に爪の方が折れた。

 その後、腹部を蹴ってきたが、微動だにしない。


「ああああああああああああああああ!!!!」


 雄叫びをあげながら、怒りに任せてめちゃくちゃに攻撃をしてきた。

 何度当たろうと俺にダメージが入ることはない。

 リオンの両腕を掴んで動きを止めた。


「やめるんだ」

「ぐうううう……」


 リオンはじたばたともがいたが、その後、大人しくなった。


「ふざけるな……なぜそれほどの力を持ちながら……私を嵌めるような真似をしたんだ……」

「いや、だからはめてないし。何があったのか言ってみろ」

「とぼけるな……! 貴様が私を魔界送りにしたんだろうが!!」


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