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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第四章 魔王降臨

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「中々良い攻撃だった。だが、私を倒すには力不足だがな」


 そう言いながら、魔王はエミルに近寄る。


「ライズ・プライスという男を知っているか? 私はそいつを探している」

「ラ、ライズ? あなたライズを探しているの?」

「!? 知っているのか!」


 ずっと無表情だった魔王は、目を見開いて驚く。


「い、いや知らないわ!」

「嘘を付け。誤魔化せると思っているのか?」


 咄嗟に誤魔化すが、わざとらしすぎる表情だったので、誤魔化しきれない。


「ライズはどこにいる。居場所を教えろ」

「知ってどうするの?」

「決まっている。この手で八つ裂きにしてやる」


 憎しみに溢れた目で魔王はそう言った。


「それは無理よ。あなたでも返り討ちにあうわ」

「そうならないために、私は力を付けて魔界を出たのだ」


 魔王は剣をエミルの首に押し当てる。


「さあ……死にたくなければ、今すぐ居場所を言え!」

「……」


 エミルは魔王を無言で睨みつける。


「メテオストライク!!」

「!!」


 アリアが魔王の腹を飛び蹴りした。

 凄まじい威力だった。魔王は数メートル後退する。

 後ろに下がらせることは出来たが、それでも倒れてはいない。


「流石はアリア。良い蹴りだな」

「これでもそんなに効かないとはね」


 アリアはがっかりしたような口調でいう。


(……す、すごい蹴りね……って、ちょっと待って。何で魔王がアリアの名前を知っているの? 流石ってことは昔から知っていた?)


 魔王のセリフにエミルは違和感を感じた。


(というか、ライズのことも知っていたし……元々人間界にいたのかしら?)


 エミルは魔王の言葉から仮説を立てた。


「ひとつ聞いていいかしら。なぜあなたは人間であるのにも関わらず、魔王などと呼ばれるようになりましたの?」

「え? に、人間!?」


 アリアの言葉を聞き、エミルは驚愕する。


「長年魔物と戦っていると、戦ったら区別くらいは付きますわ。魔物化してほとんど魔物のような魔力になっているようですが、人間なのは間違いないですわね」

「ま、魔物化?」


 アリアの言葉にエミルは混乱したような表情を浮かべる。


「魔物化すると通常は理性を失いますが、そうは見えない。元々凄まじい実力を持っているものなら、理性を失わずに済むとは言われております。なぜそこまで実力を持ったものが、魔界に行って魔王などと名乗るようになったのですか?」

「それを答える必要ないな」


 魔王はアリアにそう返答した。

 人間という部分は否定をしなかった。


「あなたが人間であるのなら、話し合いで解決することも可能であると思いますわ」

「話し合いか。私は最初からそのつもりだったが、手下を次々にやっていくのでな。話を聞くつもりがあるなら話そう」

「そ、そうだったんですか?」

「人探しをしている。ライズ・プライスという男だ。そいつを見つければ他の人間には用はない」

「聞いたことないですわね。どんな方ですか? もし、その方があなたに対して、何らかの罪を働いたのなら処罰しますわよ」

「お前らには無理だ。ライズは恐ろしく強い。私でないと倒せないだろう」

「わたくしに倒せない人間ですか……そうそういないと思いますがね」


 魔王の話を聞き、アリアは首を傾げる。


「知らないのならお前には用はない。どこかに消えるが良い」

「わたくしには用はなくても、エミルさんにはあるようですが」

「この女はライズの居場所を知っているようだ」

「本当ですか? エミルさん」


 エミルは頷く。


「知ってるけど言えないわね。あいつは良い奴だし、人に恨まれるようなことをする男じゃない」


 ふらつきながらエミルは立ち上がる。


「居場所を伝えてアンタに負けるとも思わないけど、でも仲間を売るような真似は絶対にできないわ」

「愚かな。貴様がここで言おうが言うまいが、どうせそのうち見つかるのだ。言った方が身のためだぞ」

「愚かで結構よ。それにあなたがライズと会うことはないわ」


 エミルは雷轟剣を強く握り、力を集中さえる。


「ここで私が斬るからよ!!」


 全力で叫びながら、魔王に斬りかかった。

 魔王は渾身の一振りを剣で受け止めた。


「く……」


 力を使い果たし、エミルの意識は徐々に遠のいてく。

 完全に失われる直前。


「待たせたな」


 覚えのある男の声が聞こえてきた。


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