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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第四章 魔王降臨

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「もう……やめてくれ……」

「あら、喧嘩を売ってきたのはそっちですわよね」


 エミルが戦闘している最中。

 別のところでも戦闘が起きていた。

 もっとも戦闘と言っていいのか分からないほど、一方的な様子であった。

 アリアが、血まみれのドルードの首を掴み持ち上げていた。


 彼女の拳には血がこびり付いてる。


「魔王はどこにいるの?」

「お、教えるわけには」


 アリアはその返答を聞いた瞬間、ドルードの腹を殴った。

「ぐはっ……」


 強烈なパンチを腹に受け、苦しそうな声をあげる。


「このレベルの魔物でもあっさり一人で倒すとは……流石アリアさんですね」


 シャープは感心したような表情でその光景を見ていた。

 今の所基本アリアが一人で戦っているので、サポートの冒険者の出番は全くなかった。


「け、研究所にいます……魔王様は研究所に……」


 耐えかねたドルードは、魔王の場所を漏らした。


「ありがとう。それではさようなら」


 止めとばかりにドルードを思いっきり投げる。

 見えない位置までドルードは飛んでいった。


「とても野蛮な戦い方ですね……」

「戦いとは元来野蛮なものですわ。どんなスタイルであれ同じく野蛮です」


 呆れて言うシャープにアリアは反論した。


「さて研究所にいるようですわ。確か、この島の中央にあったはずです。向かいますわよ」

「ええ」


 アリア一向は研究所に向かって移動を始めた。

 その道中。


「あら、ハーナさん」

「アリアかい」


 ハーナと出会した。


「魔王の位置は分かったのかい?」

「ええ。研究所にいるらしいですわ」

「もう掴んでいたのか。流石だねぇ」


 ハーナは感心したようにそう言った。


「一緒に行きますか?」

「共闘しろってかい? まあ、あんまり得意じゃないんだけどね」

「別にわたくしが戦うのを見ているだけで構いませんわ。足手まといになられても困りますし」

「甘く見てもらっちゃ困るね」


 見下すように言うアリアに、少し怒り顔でハーナは言い返した。


「まあ、目的は一緒だ。一緒に行くしかないね」

「そうですわね」


 結局一緒に行くことになる。アリアの一向にハーナが加わった。

 その後も、急いで移動し無事研究所に到着した。

 中に入ると、大勢の魔物たちが潜んでいた。


「結構いますわね」

「大したやつはいなさそうだが、この数いるのは面倒だね」

「早く倒しましょう。魔王と一緒に戦うことになったら厄介です」


 魔物たちを殲滅しようとする。

 しかし、次の瞬間。

 強大な魔力が研究所の奥から発生し、アリアたちは怯んだ。

 魔物たちはもっと怯んでおり、全ての魔物が床に這いつくばっている。


(この魔力…………魔王!)


 莫大な魔力を感知し、アリアはそう確信した。

 全員が静まり返り、部屋を沈黙が支配する。

 しばらくすると、コツコツと足音が響き渡った。

 魔王がゆっくりと歩いてきた。


「こりゃ……やばそうだね……」


 魔王の姿を見て、ハーナは冷や汗をかきながらそう言った。

 一眼見て圧倒的な力を持っていると理解した。

 アリアはチラリと後ろを見る。

 シャープ以外のサポート役の冒険者たちが顔を真っ青にして、ブルブルと震えている。

 魔王の魔力を間近で見て、戦意喪失している様子だった。


「あなた方は帰りなさい。ここはわたくしとシャープ、ハーナで戦いますわ」

「……! し、しかし!」

「早く行きなさい。命令ですわ」


 冒険者たちは悔しそうな表情を浮かべながら、戦線を離脱した。


「私に何かようかな?」


 魔王が尋ねる。


「ここは人間の世界ですわ。あなたのいていい世界ではない。今すぐ魔界に戻るか、出来ないのなら討伐させていただきますわ」


 内心の恐れを一切表に出さず、毅然とした表情でアリアは警告した。


「私のいていい世界ではない……か」


 少し残念そうな表情で魔王はつぶやいた。


「探している者がいる。そいつを見つけるまで、魔界に戻ることは出来んな」

「そうですか。なら戦うしかないようですわね」


 アリアは構えをとる。


「良いだろう。だが、ここは戦いづらいな。場所を変えよう」

「!!」


 魔王は外に向かって動いた。

 あまりの速度にアリアたちは反応できなかった。


「来い」


 そう一言告げて、魔王は飛び立っていった。


「……行きますわよ」

「逃げたいけどねぇ」

「やるしか……ないですね……」


 3人は魔王を追った。


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