42
強力な電気を帯びた剣を振り、エミルはパークに斬りかかった
パークは後ろに下がるが、雷撃はかわしきれない。
「ぐっ……」
ほんの一瞬だけひるむ。
エミルは隙を逃さず、追撃する。
即座に体勢を立て治したパークは、地面を強く蹴る。
パークの周囲から火柱が立ち上がる。
「!!」
エミルは斬るのをやめ、後退した。
「ヒドラ!!」
火柱がドラゴンの顔に形に変形していく。
五つ火のドラゴンが発生。
一斉にエミルに襲い掛かった。
エミルは後ろに下がり避ける。
ドラゴンの顔が地面に当たる。その瞬間、爆発した。
大きな爆発が起き、地面をえぐった。
「くっ!!」
直撃はしなかったが、爆風に巻き込まれエミルは吹き飛ぶ。
ドラゴンの頭はなおもエミルを追撃する。
四つの頭が同時に地面に激突。
先ほどより大きな爆発が発生する。
「ぐああ!!」
避けきれなかったエミルは爆発に巻き込まれた。
「なかなかやりそうだと思ったが、所詮は人間だな」
見下すような表情でパークはそう呟いた。
「どこ見てるのよ」
背後からエミルがパークに斬りかかった。
「!!」
急いで反応し腕でガードする。
人間より遥かに硬い腕だ。肉は斬れたが、骨は断てなかった。
しかし、雷撃がゼロ距離からパークに流し込まれる。
「ぐあああああああ!!」
溜まらずパークは声を上げる。
エミルは剣を再び振りかぶり、パークの首を落とそうとする。
痺れて動けなかったパークだが、首に当たる直前に何とか動きを取り戻し、エミルの剣を避けた。
大きく後退し距離を取る。
「貴様……爆発は当たっていたはずだ」
パークはエミルを睨みつけながらそう言った。
「そうね。結構痛かったわ。でも、死ぬほどの威力じゃなかったわね」
涼しい表情でエミルは返答する。
実際爆発に当たったせいで、服はところどころ焦げているし、ダメージを負っているようではあるが、軽傷のようである。
(前までの私なら危なかったかもしれないけどね。魔力が上がっただけじゃなく、体がだいぶ頑丈になったみたいね)
昔の自分と比べてエミルはそう思った。
「ふん、生きているのならまた燃やせばいいだけ……」
パークはそう言い、再び攻撃しようとするが、よろめいて、その後、膝をついた。
「な、なんだ……体が……」
体の自由がうまく効かないようである。
立ち上がろうとするが、うまくいかず、うつ伏せに倒れた。
「貴様……何をした……」
「何をって、ゼロ距離で今の私の雷撃を受けたらそうなって当然よ。勝負あったみたいね」
「ぐ……」
悔しそうにパークは表情を歪める。
「こうなったら……」
「ん?」
「貴様を道連れにしてやる!!」
「へ……?」
パークが叫んだ直後、火の球体がパークを包んだ。
球体は徐々に大きくなっていく。
「ま、まずい!」
エミルは大急ぎで後退する。
「エクスプロージョン!!」
大爆発が巻き起こった。
周囲にあった木や岩などを容赦なく吹き飛ばしていく。
爆発が起こった場所には、巨大なクレーターが生じていた。
「ふう、危なかった……」
エミルは何とか逃げ切っていた。
防御力が上がった今でも巻き込まれていたら、流石にひとたまりもなかっただろう。
「まさか自爆するとはね……まあでも勝てたわ」
エミルは降りてクレーターの様子を見る。
中央に肺のように真っ白になったパークの姿があった。絶命しているようだった。
(このレベルの相手も、苦戦せず倒せるようになった。成長したわね私)
自分の成長を実感し、エミルは思わず笑みを浮かべる。
(まだ調子に乗っちゃダメで。次は魔王を倒さないと)
気を引き締めてエミルは魔王の捜索を再開した。




