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【書籍化決定】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第四章 魔王降臨

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「ライラとギルグゥもやられた!?」

「この短時間で!?」


 2人の戦闘の結末を知った魔物たちは、ざわついていた。


「ギルグゥは死んだみたい。ライラは生死不明……だ。死んでない可能性も高いが、しばらく戦うのは難しいかもしれない」

「あいつら2人まで瞬殺されるということは、島に来ている連中は相当強いぞ……勝てるのか?」

 魔物たちはざわついている。


「……ふん」


 魔王は騒ぐ魔物たちを見て、少し不機嫌そうな表情を浮かべた。


「煩わしいな」


 魔王は一言呟く。


 その言葉で魔物たちが静まり返った。

 恐怖で表情を青ざめさせている。


「黙らせてくるか」


 立ちあがろうとする魔王。


「お、お待ちください」

 魔王が立ち上がる前に、真横に控えていた魔物が静止した。焦ったような表情を浮かべている。


「ここは私パークとドルードが行かせていただきます」

「……」


 発言したパークを魔王は冷ややかな目で見る。


「やれるのか?」

「は、はい!!」

「お、お任せください!!」


 パークとドルードは魔王の言葉を聞き、焦ったような表情でそう言った。


「分かった。なら行け」

「「かしこまりました!!」」


 二人はそう返事をしながら、急いで命令を遂行するため外に出た。


「あの二人が行くのか……」

「あいつらなら多分大丈夫だろう……魔王様の配下の中でも、実力はナンバー1とナンバー2だからな……」

 二人の力量に対する評価はかなり高かったようだ。

「早くライズのやつを探しださねばならんのに……っち面倒だ」


 魔王のイライラした様子を見て、魔物たちはガクガクと怯えていた…


 ○


「別の場所で戦闘があったみたいね……」


 エミルは魔王の居場所を探しながら、戦闘が起こったのを感知していた。


「あっさり終わったみたいだけど……どっちが勝ったんだろう……冒険者側ならいいけど」


 エミルは少し不安になりながらそう呟いた。


「……!」


 上空に僅かな気配を察知し、エミルは咄嗟に上を見た。

 何かが飛んでいる。

 翼の生えた男である。

 男は一直線に地面に降りてきて、着地した。


 六枚の翼を持った男だ。額から一本の角が生えている。肌は赤色で目は真っ黒だ。ぱっと見で魔物とわかる見た目である。

 他の魔物と同じく魔力は隠しているので、どのくらいの力を持っているのかはわからない。

 しかし、エミルは、


(こいつ強いわね……)


 直感でそう思っていた。


「俺の名は烈火のパーク。貴様は?」

「エミル・トールよ」


 名乗られたのでエミルは咄嗟に返答をした。


「エミルか。一つ聞くがなぜ我々を退治している?」

「なぜって……そりゃ危険だからよ」

「我々は人間を滅ぼしたりしたり、殺しまくったりはしない。別に危険な存在ではない」

「でも1人の人間を狙ってんでしょ? だったら見逃すことは出来ないわね」

「たった1人だ。それを見逃すくらい容易いだろう」

「出来ない相談ね」

「愚かな」


 パークは眉を顰める。


「貴様は魔王様の恐ろしさを知らん。人間の中ではちょっとはできるようだが、魔王様に絶対に勝てん。ここは穏便に済ませここから逃げるのだ。そうすれば無駄に戦う必要もなくなる」

「そんなに強いの魔王ってのは」

「圧倒的に強い。勝てるものなどいない」


 パークはそう断言した。


「なら尚更引くわけにはいかないわね」


 エミルは雷轟剣を構える。


「私はエミル・トール。最強になる女よ。強いからって引いてたら名が廃るわ」

「……最強になるか。本当に愚かだ」


 パークは怒ったように眉間に皺を寄せる。

 拳を力強く握りしめた。その拳から炎がともる。


「いいだろう。魔王様に会う前にこの私が殺してやる」


 パークはそう言い放ち、燃え盛る拳を構えた。


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