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 シーラの案内で何とか俺はシーラドームとやらに到着。

 エミルがボロボロの状態で敵と戦っていたので、魔弾マジック・バレットで敵を倒した。

 もう少し遅れていたら、エミルは殺されていたかもしれない。

 間一髪だったな。


「ラ…………ライズ……」


 エミルは俺の名を呟いた後、ふらっと倒れた。

 慌てて駆けつける。


「大丈夫か?」

「………だ、大丈夫」


 今にも消え入りそうな声で、エミルはそう言った。

 そう無茶をしたみたいだ。

 このまま放っておくと下手すれば死ぬかもしれない。

治癒ヒーリング!」


 回復魔法を使用した。


 エミルの傷が治っていく。

 死んでしまったら、俺でも生き返らせることは不可能だが、生きてさえいれば大抵の怪我は魔法で治せる。


「あ……れ?」


 エミルは自分の体を見て、驚いている。


「な、なんともない!? なにしたの?」

「何って治療ヒーリングを使っただけだ」

「え、ええ? あなた治療ヒーリングもそんな使いこなせるの?」


 回復魔法は普通は専門職の治療師ヒーラーしか使えない。俺も使える回復魔法は治療ヒーリングだけである

 ただし、俺の場合普通の治療ヒーリングで、大概の傷は治ってしまうので、上級の回復魔法とかを習得する必要が一切なかったりする。 

 てか、エミルには一度治療ヒーリング使ったよな? あの時は俺に治されたって気づいてなかったのか?


「痛いところはもうないか?」


 一応回復しきれなかった箇所があったらまずいので尋ねる。


「え? あ、も、もう大丈夫よ」


 エミルは照れたようにそう言った。


「本当に大丈夫か?」

「だ、大丈夫よ!」


 いつもより態度が違う。なんかよくわからなかったが、大丈夫なのは間違いなさそうだ。


「ごめんなさいお姉ちゃん。シーラが難しいところ作ったから怪我しちゃったんだ……」


 シーラが素直に謝っていた。


「……な!? そ、その娘、魔物じゃない!?」

 エミルは驚いて立ち上がり、戦闘態勢を取る。

「待て待て、こいつは敵じゃない」

「ま、魔物は敵よ!」

「良い魔物もいるって言っただろ? よく見ろ」


 申し訳なさそうな様子のシーラをエミルは見る。

 どう見ても敵意はなさそうな様子に毒気を抜かれたのか、エミルは戦闘態勢を解除した。


「……本当に大丈夫なのよね?」

「ああ。万が一襲ってきたら、俺が守ってやるよ」

「まも……!」


 またもエミルは顔を赤くする。反応の意味がよくわからない。何か気に障ることでも言ってるのだろうか。

 エミルは少し咳ばらいをして、平常心を取り戻す。


「確かにこの子かわいいわね。倒すのはちょっと可哀そうね」


 シーラをよく見ながらエミルは言った。シーラの見た目はどう見てもかわいい少女である。

 倒すのは可哀そうとか言っているが、多分エミルでは倒せないと思う。


「お姉ちゃんよろしくね!」


 シーラはそういいながら、エミルにしがみついた。

「わっ」


 突然の行動にエミルは驚く。


「わー、柔らかい」


 そのあと、シーラはエミルの胸をもみ始めた。


 な、なにをやってるんだこの子は!?


「ちょ、あ、だめっ!」


 胸をもまれて顔を赤くするエミル。

 エミルの大きな胸をシーラが遠慮なく揉みしだく。

 とんでもない光景を俺は呆然と見ていた。


 す、すげー。


 めっちゃ形が変わってる。


「ちょ、ちょとライズ。何とかして!」


 あまりの光景に呆然と眺めていたが、エミルの助けを求める声を聞き、我に返った。


「やめろシーラ!」


 俺はシーラをつかんで、エミルから引きはがした。


「えー、気持ちよかったのに」

「そこは触っちゃダメなんだ」

「……そうなの?」


 シーラは申し訳なさそうな表情をした。俺はシーラを地面におろす。


「ごめんなさい」


 とエミルにぺこりと謝った。


「い、いいのよ」


 エミルは優しいようですぐに許したようだ。

 その後、エミルは俺に近づいてきた。


「なんでアンタは、すぐに助けずにしばらく見てたのかしら?」


 と無表情で聞いてきた。


「……あ、いや」


 明らかに怒っている。俺は返答に困る。


「よ、よし、じゃあ、帰るか! シーラはこの辺にある危ない建物は全部壊してくれ」

「あーい」


 俺は誤魔化すように言った。


「答えなさい!!」


 怒るエミルを何とかなだめながら、シーラが建物を壊すのを待った後、家に戻った。

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