第84話 なぜか同級生になったふたりが隣の席でイチャイチャするお話【番外編】
「ねぇ、ねぇってばっ!!」
教室で居眠りをしていると、なぜか隣の席の女子に起こされた。
光が反射するほどキラキラでサラサラな髪の毛がひらッと踊る。まるで、テレビの中から出てきた清純派アイドルのようなみすずが、俺のことをのぞき見るように見つめていた。
「もう、何度も起こしたのに、ずっと寝てるんだもん。日本史の時間終わっちゃったよ。次は生物なんだから、早く移動しないと遅刻しちゃうよ?」
俺は「うん、もうそんな時間?」なんてとぼけた声で眠い目をこする。
たしかに、いつもは騒がしいはずの教室は、俺たち以外の人影はなくなっている。
「ねっ? もうみんな行っちゃったでしょ。なんか不思議な感じだよね。ふたりっきりってさ」
セーラー服の赤いリボンが風によって揺らいでいる。まるで、意思を持っているかのように、持ち主の性格を表現しているかのように、自由に動いていた。
「ねぇ、さすがに胸を凝視されると恥ずかしいんだけど?」
言われて気がつく。お互いに少しだけ気まずい雰囲気になってしまう。
そんなことを察してか、みすずは俺の耳元まで近づいてきて笑いながら……
「それとも、もっとすごいことしちゃう?」
そして、ちょっとだけ体を俺にあずけて、「これはサービスだよ」とささやいた。
「……もう、本気にしないでよ。こっちまで恥ずかしくなっちゃう。でもね、ひとつだけ本心を言うと……」
彼女は年相応の思春期の乙女の顔になっていた。
「このまま、次の時間、一緒にサボっちゃってもいいよ?」
※
ーしずかの部屋ー
「どうですかぁ、新しい台本?」
「うん、あいかわらず破壊力高い」
「よかったぁ」
「でもさ、珍しいよな同級生設定」
「そうですね。そこはちょっとだけ私欲みたいなものがあって……」
「私欲?」
「後輩として甘えるのもいいんですけど、同じ立場で仲良くしたいかもって」
俺が追撃にノックアウトされてしまった言うまでもない。




