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第57話 ヤンデレ化する後輩

「ふふ、いけない浮気男をどうすればいいかなぁ。怖がっている先輩もカワイイ。大丈夫ですよ、痛くはしませんからね。今は」


 今はってなに!?


「ちょっとだけ、母性愛に目覚めちゃいそう。いつもは頼れる先輩が、何もできない姿を見るのって、ちょっとだけ癖になりそう」


「そんなに毎回されるわけないよね? こんなの毎回されたら、心臓がいくつあっても足らないんだけど!?」


「そうやって、いつも大事な時に口ごたえするいけない口はこれですか?」

 俺の口に人差し指を当てて、「しぃ」と笑う。目のハイライトが消えて、笑っているのに笑っていない。目が完全に狩る者の目だ。


「いや、口ごたえとかしてないし」


「ふ~ん、ここまで来て、まだそんな生意気なことを言えちゃうんですね。いけないんだ。そういういけないことを言う口は、こうして塞いじゃいますよ?」


「えっ」

 しずかは、ゆっくりと顔を近づける。そのまま、無慈悲に俺のくちびるを奪った。


「ん~」

 ビックリして、こちらは目を見開いてしまう。


「ふふ、これで少しは静かになるかな」

 ふぅっと息を継いで、しずかは頬を染めながら少しだけ恥ずかしそうに笑った。


「ああ、そうだな」

 俺は放心状態でなんとか声を出した。


「まだ、うるさいことを言うと……」

 あえて、耳元でささやくかのように……


「今度は、"本当のキス"しちゃいますよ? もしかしたら、もっとすごいことも……」


「なっ!!」

 ちょっとだけ、騒ぎたい気分になる。むしろ、ご褒美では!?と一瞬考えるが、紳士サイドの俺が必死に理性を繋ぎとめた。


「冗談だよ。ちょっとだけ、からかっただけ。でもね、いつかはしたいよね」


「うん」


「センパイ、ちょっとエッチなこと考えたでしょ? 顔がそう言ってます」


「(いや、一番エッチなことを考えているのは、しずかだからな)」とは言えなかった。言ったら、もっとひどいお仕置きをされそうだからな……


「じゃあ、もう一回だけお仕置きして……」


 そのご褒美はあと一歩で届かなかった。ばあちゃんが帰宅した音を聞いた、俺たちはマッハでこのプレイを終わらせたのだった……

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