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第55話 異世界人狼

「それでは、久しぶりに、クリスタルクリエイトのメンバーたちで、異世界人狼をしていきます! 今日は、死んじゃった時以外、コメント欄を見れないので先に言っておくね~」


 異世界人狼。それは、Vチューバ―配信の中でもトップクラスに人気があるゲームだ。異世界の村の中で、仲間たちに隠れているスパイを見つけ出して、追放する。推理ゲームのようなものだ。


 怪しい行動をしていたら、本当は仲間なのに敵だと誤認されて、投票で追放されてしまう。そして、スパイは仲間たちを次々と殺していく。最終的に、スパイの人数を村人が下回ってしまえば、負けになる。


 ※


 10人で始まった人狼ゲームも、半数まで減らされていた。

 おそらく、スパイだと思われるカナリアは追放されて、マグマの藻屑に変わっている。


 そして、マチルダの遺体が発見されて、会議となった。

 ヒカルが第一声をあげる。


「マチルダちゃんの遺体が、畑で見つけました」


「えー、マチルダちゃん。死んじゃったの?」

 みすずは、人畜無害な声をあげていた。俺は、みすずのリスナーだから、彼女が白だと分かっている。ちなみに、みすずは、黒になると、いつもと変わらないのほほんとした癒し系な感じで、仲間を殺していく。そこに、サイコパス味がある。


 この前の配信でも。


 ※


「あっ、園長!!」


「おい、近づくな。近づくなよ、みすず」


「嫌だなぁ。私が園長を殺すはずないでしょ~」


「村人か。みすずは、村人確定って考えていいのか?」


「そうだよ」


「そっか、疑って悪かったね。マイ・エンジェ……えっ……」

 園長の画面には、赤い鮮血が……


「そういう、勘のいい園長は嫌いだよ。また、次のゲーム(来世)で会おうね」


「みすずぅぅぅぅ」


 ※


 こんなことが起きたこともある。


「私、園長が怪しいと思うんだよね。すれ違う時、いつも一人で怪しい動きしてたし」

 ヒカルが語気を強める。


「あっ、私も一人で行動している園長を見たよ!」

 みすずも、同意する。


「はぁ、なんで私!? ただ、迷子になっていただけだが??」


「え~園長まだ迷子になるのぉ? このゲーム何回目よ」


「下手でごめんなさい~ でも、下手っていう奴が、一番下手なんですぅ」

 ちょっと逆ギレ気味だ。


「だいたい、みすずだって、怪しいじゃん。いつもスパイだった時に、園長殺すし」


「あ~、そうやって人に罪をなすりつけようとするところも怪しい!!」


 喧々諤々《けんけんがくがく》の議論が進んでいく。村人は、園長を追放し、次にみすずを追放し、敗北した。


 ※


 ちなみに、スパイはヒカルだった。


「悪い奴ほど、よく笑うって本当だよねぇ。マジウケる!」


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