第55話 異世界人狼
「それでは、久しぶりに、クリスタルクリエイトのメンバーたちで、異世界人狼をしていきます! 今日は、死んじゃった時以外、コメント欄を見れないので先に言っておくね~」
異世界人狼。それは、Vチューバ―配信の中でもトップクラスに人気があるゲームだ。異世界の村の中で、仲間たちに隠れているスパイを見つけ出して、追放する。推理ゲームのようなものだ。
怪しい行動をしていたら、本当は仲間なのに敵だと誤認されて、投票で追放されてしまう。そして、スパイは仲間たちを次々と殺していく。最終的に、スパイの人数を村人が下回ってしまえば、負けになる。
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10人で始まった人狼ゲームも、半数まで減らされていた。
おそらく、スパイだと思われるカナリアは追放されて、マグマの藻屑に変わっている。
そして、マチルダの遺体が発見されて、会議となった。
ヒカルが第一声をあげる。
「マチルダちゃんの遺体が、畑で見つけました」
「えー、マチルダちゃん。死んじゃったの?」
みすずは、人畜無害な声をあげていた。俺は、みすずのリスナーだから、彼女が白だと分かっている。ちなみに、みすずは、黒になると、いつもと変わらないのほほんとした癒し系な感じで、仲間を殺していく。そこに、サイコパス味がある。
この前の配信でも。
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「あっ、園長!!」
「おい、近づくな。近づくなよ、みすず」
「嫌だなぁ。私が園長を殺すはずないでしょ~」
「村人か。みすずは、村人確定って考えていいのか?」
「そうだよ」
「そっか、疑って悪かったね。マイ・エンジェ……えっ……」
園長の画面には、赤い鮮血が……
「そういう、勘のいい園長は嫌いだよ。また、次のゲームで会おうね」
「みすずぅぅぅぅ」
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こんなことが起きたこともある。
「私、園長が怪しいと思うんだよね。すれ違う時、いつも一人で怪しい動きしてたし」
ヒカルが語気を強める。
「あっ、私も一人で行動している園長を見たよ!」
みすずも、同意する。
「はぁ、なんで私!? ただ、迷子になっていただけだが??」
「え~園長まだ迷子になるのぉ? このゲーム何回目よ」
「下手でごめんなさい~ でも、下手っていう奴が、一番下手なんですぅ」
ちょっと逆ギレ気味だ。
「だいたい、みすずだって、怪しいじゃん。いつもスパイだった時に、園長殺すし」
「あ~、そうやって人に罪をなすりつけようとするところも怪しい!!」
喧々諤々《けんけんがくがく》の議論が進んでいく。村人は、園長を追放し、次にみすずを追放し、敗北した。
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ちなみに、スパイはヒカルだった。
「悪い奴ほど、よく笑うって本当だよねぇ。マジウケる!」




