表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/84

第16話 ショッピングデート

 ランチは公園内にある某有名コーヒーショップで、飲み物と軽食を食べた。俺はハムと野菜のサンドイッチ。しずかは、チョコチップクッキー風のシフォンケーキセット。夕食を少し早めに取ることにしたので、昼は軽めの食事にした。


「歩いた後の甘いものはしみるね」


「俺は、サンドイッチだけどな」


「といつつフラペチー〇飲んでるのは、どこの誰ですか、センパイ?」

 ちなみに、夕食をごちそうになるので、ここは結構強引に俺が出した。


 公園デートを終えて、俺たちはショッピングに向かう。


「いいんですか? 私のお仕事の用事を済ませることになっちゃいますけど……せっかくの……なのにぃ」

 しずかが前に行きたがっていた場所に行こうと提案すると、彼女は嬉しさ半分、申し訳なさ半分のような声を出していた。


「ああ、いいぞ。俺も行ってみたかったし」


 向かう先は、都内でも指折りの巨大な家電量販店だ。地下3階、地上6階の巨大な家電量販店。服屋からパソコン周辺機器、ゲーム、趣味、おもちゃ、お酒。なんでもそろっている。よくクリスタル・クリエイトのタレントたちがここに配信で使うものを買いに来ると話題に上がる。パソコン関係の部品や配信で使うおもちゃ、ゲームなどをここに来て物色するらしい。


 俺たちは近隣のC県住まいなので、こういう特別な時にしかなかなか来ることができない。しずかも、家から遠いからスタジオ帰りに少しだけ寄ってすぐに帰るような感じで、ゆっくり覗いたことはないらしいので、いい機会だと思った。


 まずは6階のゲームショップに向かう。


「最新作、いっぱいだよ、すごい~!」

 しずかは、並んでいるゲームに目を輝かせた。元々しずかは、俺と遊ぶときにモリカーやフルブラなどの文天堂のパーティーゲームをするくらいでかなりのライトゲーマーだった。


 配信を始めた当初も、ゲーム配信は苦手で1時間実況するだけでヘロヘロになっていたのをおぼえている。先輩たちの温かい?手ほどきを受けて、今ではかなりゲーム好きになったようだ。


「あー、火星防衛軍7だ。これ、今度先輩にコラボ誘われているんだよね。今のうちに買っておいて練習しておこうかな。それに、向こうで烏賊いかラトゥーン5の予約も……すごい、すごい」


 しずかは、はしゃいでいる。問題発言をした場合に備えて、俺の耳元でささやいている。吐息が本当に耳にかかると、何とも言えない気分になる。やっぱり、これってデートだよな? 俺は動揺しながら、ゲームに浮かれる後輩の姿を見て、ニヤニヤと笑い続けた。


 俺の大好きな後輩で、推しは等身大の表情で笑っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ