表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

その女子高生 異世界の方々に遭遇する ④

憧れのまみの前で華々しい活躍をして自分の男らしさをアピールする。

彼のその希望を叶える機会はすぐにやってくる。


「なんじゃ。これは」

「それはもちろん異世界の魔獣でしょう」

「そんなことは見ればわかる。いったいこいつはどういう化け物なのだ?」


そう。

遂に現れたのである。

この世界の住人が。


「獅子の頭を持ち、胴体が山羊。そして尾が蛇という姿から、これはキマイラでしょう。この世界ではなんと呼ばれていたのかはわかりませんが、とりあえず今日からキマイラということにしましょうか」

恐怖におののく元男子高校生の言葉を引き取るようにそう答えたのはもちろんメガネ少女である。


「なるほどな。ところで、ヒロリン」

そして、その彼女の言葉に重ねるように声をかけたのは長い黒髪を靡かせ仁王立ちする別の少女だった。

「私はゲームというものをやったことはないが、戦闘が始まるときにはまずは相手の強さを調べるのではないのか?」

「というか、やはり異世界だな。こんなものが目の前に現れるとは……最高だ」


スマホどころかガラケーすら持たないこのグループのリーダーである長身少女の言葉に続いたのはもちろん「それがおもしろいかどうかがすべてに優先する」というおかしな行動指針を持つ美少年風少女である。

いうまでもなく、その彼女にとって今の状況は最高のエンターテイメント。

彼女にとっては恐怖などいう感情は存在しない。


一方、すぐ近くからそれとは真逆な言葉な聞こえてくる。

「でも、この魔獣は強そうですよ」

「そうそう。それから一応言っておくと私はおばさんだから美味しくないと相手に伝えてもらいたいんだけど」

そう。

ハッキリ言えば残るふたりであるまみと元創作料理研究会顧問である上村恵理子の反応こそ本来の姿ではある。


それぞれの様子を眺め終わると、リーダーである麻里奈が隣のメガネ少女に再び問う。

「それでどうなの?」

「そうですね……とりあえず私たちは防御魔法が張られているのでどんな相手でも安心ではありますが、ハッキリいえばまだ子供のようなのでそれほど強くはないと言ったところでしょうか」

「武器は?」

「炎を吐きます。それから空も飛べます」

「なるほど。わかった。では、橘。さっそく戦え」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ