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その女子高生 異世界の方々に遭遇する ③
二時間後。
彼は森の中を荷車と呼ぶには豪華すぎるそれを引いていた。
つまり、彼の身には何も起きなかった。
とはならないのが、このグループのこのグループたる所以である。
三回。
それが、彼が黒焦げになった回数となる。
当然その回数だけ彼は女性陣の前で全裸にされた。
もちろん彼は必死に隠した。
そして、それは完璧だった。
だが、結果は不合格。
「惜しい。もう一回」
美少年風少女が口にしたそのひとことだけで彼は炎に包まれたのだ。
「何が惜しいだ。これは完全なイジメだろう。だいたい鎧はちゃんと残っているのだから、全裸になるのはおかしいだろう。これは絶対にあのバカメガネの細工だ。麻里奈も麻里奈だ。子分どもがおかしなことをしているのだから諫めるべきだろう。それが放置とかありえん。それはもちろん恵理子先生も同じだ。やはり、まともなのは俺とまみだけだ」
彼は自分が引く荷車で優雅なお茶会を楽しむ女性陣を恨めしそうに振り返り、恨み辛みを相手に届かぬ声で盛大に並べ立てた。
そして……。
「とにかく、このままではただのヘタレだ。俺がやるときはやる男だと見せる必要がある」