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200話記念魔術辞典


200話を超えたのでこの時点で登場した魔術をザラッと纏めてみました、多分いくつか抜けがあるかもしれません、もしその場合は教えていただけると幸いです…


あと当然のように207話までのネタバレ注意です


現代魔術

古式魔術を元に改造され作られた劣化版魔術、しかし それは使い手によって変動し、時として達人の手繰る現代魔術は或いは古式魔術に迫り 超え得る力を持つこともある


『アイススパイク」

氷の槍を作り出し相手へ放つ氷結魔術、魔術云々関係なく 氷で出来た槍をぶつけられたら普通に痛い


『アイスフィールド』

地面に氷を這わせ床を氷結させる空間制圧魔術、地面が氷結すれば大多数の人間の機動力は半減する為、魔術師が対剣士などに用いる場合が多い、なので特にこの魔術を使う魔術師は靴の裏にスパイクをつけている場合が多い、カリストはつけてない


『フロストコロッサス』

氷の腕を作り出し操る氷結魔術、硬度と威力は当人の魔力出量により変動する、これを使えば魔獣相手にも力勝負を持ちかけられる、がこれは本来重い物を持ち上げるための運搬魔術であった


『グレイシャルアルカディア』

絶対零度の冷気で周囲を凍てつかせる最上位氷結魔術、あまりにも力が強い為 自爆も多く使用には卓越した魔力操作能力が要求される


氷の呪文以外使えなくなったりするわけではない


『ソニックアクセラレーション』

現代加速魔術の頂点と呼ばれる魔術、使用すると音速に近い速度まで加速でき これを使って体当たりするだけで全身を甲冑で武装した騎士でも粉々に吹き飛ぶ


しかし、当然ながらいくら体が加速しても動体視力はそのままである為、音速に近い速度に目が付いていくことができず制御は困難、銃弾を見切る程の神懸かり的動体視力の持ち主であるメルカバも、意識と視界を限定させることで漸く使用を可能にしている


『マグネティックジフォース』

磁力を生み出し金属を操る禁忌魔術、周辺に金属があればあるほど強力になり、文明が発達し鉄骨製の建造物などが多数あるデルセクトはまさしくこの魔術が最強の力を発揮できる環境と言える


ただ、魔力を纏った金属を動かそうとするとより強力な魔力が必要になりとてもじゃないが消費と効果が釣り合わない為魔力を纏った金属は実質動かせない


『クリムゾンレイ』

紅の熱線を放つ光系魔術であり、高い貫通性能を持つ、また 光である為鏡を前にすると反射する性質も持ち合わせており、使用者のダレットは夫のツァディーが作り出す鏡と合わせて全方位に高密度の弾幕を張り巡らせる戦法を得意とする


元々暗殺用の魔術として作られており、魔術導皇の許諾がされていない裏魔術である、その為これを使用するどころか取得することさえ罪になる


『ペインシンプトム』

対象が今まで負った傷をもう一度復活させ負傷させる魔術、相手が今まで戦場に身を置いていればいるほど威力が増す、実は医療にも使われていたりする魔術である


元々は『遡行魔術』と呼ばれる魔術を現代版に劣化廉価させた物であり、シリウスからは存在する意味が感じられないと酷評されてしまった


『アウストルエグゼキュート』

高密度の風で相手を切り刻みながら吹き飛ばす上級風魔術、竜巻のように畝る風は相手を嬲り殺し 叩き上げる、残酷にして明快なる風の裁き、威力以上に殺傷能力が高く 確実に相手を殺すならコレ


『ファウオーニウスレガリア』

莫大な風の砲弾を相手にぶつける上級風魔術、単純ながら凄まじい破壊力を持ち 一撃で家屋を吹き飛ばすなんてザラにあり 風を得意とする魔術師はこれが使えるかどうかがある種のラインになるほど


『アフィクロンクロウザー』

横薙ぎの鎌鼬を振るい目の前の物を吹き飛ばす上級風魔術、風そのものではなく風によって物を飛ばし それを用いて攻撃するタイプの魔術、エリスの旋風圏跳投げの広範囲版のような魔術


優れた使い手はこれ使い森の木々を吹き飛ばしそれで相手を生き埋めにすることさえあり、『優れた風魔術使い相手に生半可な遮蔽物を作るのは逆に命取り』と言われる所以たる魔術


『ウルトゥヌスクラウン』

激しく渦巻く風の槍で相手を穿つ上級風魔術、城壁だろうがなんだろうがぶち抜いて進む凄まじい出力の風を生み出す為 取り敢えず撃っとけばいいくらい強力な魔術


因みに、遺跡から発掘された風魔術を元に改造され現代魔術として生まれ変わったのがこれであり、元となった古式魔術は『颶神風刻大槍』である


『アフクリテステスタメント』

風を手足のように操り目の前の物を掴み投げる魔術、風で囲めば拘束になり そのまま吹き飛ばせば攻撃になり自分に使えば加速もできる、そう 『旋風圏跳』を改造し 現代魔術に姿を変えたものがこれになる


しかし、旋風圏跳本来の高い応用性や加速性は失われており、凡雑な攻撃魔術に成り下がっている


『カイキウスブロー』

腕に螺旋状の風を纏わせ相手に叩き込む上級風魔術、中距離戦を得意とする風魔術の中でも珍しい近接特化型の魔術、風の刃を纏った拳を叩きつけるだけで敵をズタズタに引き裂く


果物に対して使うと瞬く間にスムージーが出来上がり、人間に対して使えばミンチジュースが出来る


『スブソラヌスセプター』

風の斬撃を雨のように作り出し相手を覆う上級風魔術、点ではなく面を制圧する広範囲魔術であり、これ一発撃つだけで戦争の趨勢を変えると言われるほどの大魔術、とてもじゃないが一個人に撃っていいものではない


『アネモイテンペスト』

強烈な旋風を解放し相手へ叩きつける風の極大魔術、風属性を持つ魔術の中で最強格とも言われる代物であり、ややこしいことはせずただただ単純に超強力な火力を叩きつける至極単純なもの、小細工抜きの必殺の一撃


風魔術の達人たるコフが用いるそれは大気を揺るがし空間さえ歪ませる程


『アイオロスセレスティアル』

風魔術の達人たるコフが『アネモイテンペスト』を元に威力と破壊力に特化させ自ら改造した究極の風魔術、これを超える風の現代魔術は 今現在存在せず、それはもはや風ではなく世界に穴を開ける錐である


単純に吹きすさぶ超強力な風は 火 水 土 あらゆる元素を根底から揺るがし全てを塵に変える


魔女の域に片足を突っ込もうかと言うほどの一撃、これを同じ風で超えるならば 同じく魔女の領域まで足を踏み入れるしかない


『インビジブルボディ』

肉体から身につけている服飾まで完全に透明にすることが出来る禁忌魔術、使用中は匂いや足音は完全に消え 気配や魔力も極限まで薄れる、ただ欠点として目だけは光を反射してしまいそこだけが可視化されてしまう場合もあるが それも使用者の注意次第でどうとでもなる


暗殺用魔術として古くから存在しており、当然第二級禁忌魔術認定を食らっている


『コンセプトコンプレッサー』

対象を圧縮する第一級禁忌魔術、物品に対して使えば如何なる物も圧縮し手のひらに収まるサイズね縮小させられるが、これを人体に対して使うと その人間は驚異的な圧力に押しつぶされ圧殺される、防御手段も存在せず 鎧も盾も意味を成さない


因みに一度に圧縮出来るのは一つまで、圧縮開始から圧縮完了までの凡そ1秒間は別のものを圧縮出来ない、連射は可能だがどうやっても一発一発の単発式になってしまう、言い換えれば圧縮中はこれ以上ないくらい無防備になってしまう、もしエリスとサメフが戦っていた場合 エリスはそこを突いてサメフに勝利していた


『ゾイレシュメルツ』

硫酸を作り出し対象を溶かす猛毒魔術の一つ、非常に強力な硫酸であり 鋼鉄でさえ一瞬で融解させられあまりに危険である、なので当然の如く禁忌魔術 この魔術を作った魔術師ミッキー・リハッシャの放った『こんなんなるんて思わなかった』という言葉はあまりに有名


最近はこの魔術に工業的価値を見出したデルセクトが魔術導皇に限定的使用許可を求めている


『ポイズンカーネイジ』

有毒物質を大量に含んだ粘液を発生させる猛毒魔術、これを傷口から体内に摂取すれば当然死ぬが、これが発生させるガスを吸っても死に至る、極度に強い毒への耐性を持ち合わせるか 或いは毒の効かない肉体でなければこれを使われた時点で死は免れない


ヌンはこれを多用している為、免疫により極度に強い毒への耐性を持つ


『ブラッドポイズン ディストラクション』

自らの血を猛毒へと変化させる上位猛毒魔術、この魔術の恐ろしい点は人間の血を媒介に発生しているという点である、この毒は人間を材料に作られた対人間に於ける最強の毒と言える存在であり、受ければどんな肉さえ溶解し壊死する、その反面 人間以外には何の効果ない為 子猫さえ殺せない


『ゴーレムクラフト』

無機物を操るゴーレムコアを作り出す魔術、作った人間の技量と作り出したコアの大きさによりゴーレムの強さは変わる、大体人差し指くらいのサイズでかなりの出力を発揮出来る


ペーが作るゴーレムは世界でも五本の指に入る力の強さを持ち、これを使い軍勢を作り出せば一国程度なら軽く滅ぼせる


『イグニッションバースト』

両手足から高出力の炎を噴出させ加速する炎熱系の加速魔術、所謂ロケットであり これによって得られる推進力は凄まじい、反面水を浴びると火は簡単に消えてしまう上 魔術を発動させてから加速するまでやや時間がかかるという弱点も存在する


これ自体は禁忌魔術ではない


『カリエンテエストリア』

極限の炎を作り出し射線上の全てを焼き払う炎熱系最強候補と呼ばれる魔術のうちの一つ、最上位現代魔術の中では比較的取得は簡単であり、在野の冒険者にも使用者は多い


正直なところ、これを使わなければいけない場面というのは少なく、人を殺すだけならこれより下位のフレイムタービュランスで事足りる


『フレイムアロー』

炎の矢を出し敵を燃やす最下位炎熱系魔術、これ以外にも水の矢を作る魔術 風の矢を作る魔術と 所謂『アロー系魔術』と呼ばれるものの一つであり、魔術の中では最も取得が容易な基本魔術として有名


子供用魔術教科書にも載っているので子供でも使え、護身に心得のある主婦にも使える最もポピュラーな攻撃魔術、しかし 熟練の魔術師が使えば話は変わる


無数に矢を生み出し自在に軌道を変え、追尾や爆破の追加効果など、基礎的であるがゆえに応用も効き、熟達した術師ほど多用する傾向にある


『ボルケイノジャベリン』

炎の槍を作り出し敵を燃やす炎熱系魔術、アロー系の上位に当たるジャベリン系の一つ、魔術学校の初等部の卒業試験がこれの使用であったり 比較的広まっている部類の魔術、しかしその分威力は高く 魔術に心得のある子供はこれを切り札としている場合が多い


因みに、この魔術の上位互換はフレアムタービュランスになる


『スカーレットムスペルヘイム』

一瞬にして炎を拡散させ辺り一面を炎で覆う上位炎熱魔術、一瞬で街一つ火の海に出来る危険な魔術で 使用には細心の注意が必要


しかし、基本炎上させるだけなのでこれ自体に威力はない、まぁ 辺り一面火の海なら威力とか火力とか言ってる場合じゃないが


『ミトスホーミングレイ』

多数の熱線を連続して放ち相手を追尾する光系魔術、クリムゾンレイと違い着弾すると大爆発を起こし無差別に周囲を破壊する危険極まりない魔術であり、一応魔術導皇からの使用認可が出ている正式な魔術ではあるが、国によっては取り扱いに王宮の認可が必要だったり そもそも法律で取得を禁じている国もある


『アポロンクシフォス』

手から光弾を放ち爆裂させる上位光系魔術、非常に単純で単調な破壊魔術ではあるが その威力の高さは光系魔術の中でも群を抜いており、光魔術を得意とする者でも取得している人間は少ない


『サンライトフラッシュオーバー』

絶大な熱を持った熱の光線を放ち目の前の全てを吹き飛ばす上位光系魔術、人間相手ではなく戦争にて攻城に用いられる程高い威力を持っており、取得者は軍事的兵器と同程度の扱いを受けるほど


しかし、レーシュはこれを全身から無数にぶっ放し、連射乱射し使用する為 ちょっと普通じゃ考えられない破壊能力へと昇華されている


『アブソリュートミゼラブル』

火 水 風 土 、雷や雲や熱や冷気 この世に存在する全ての物質の性質を兼ね備えた万能属性を手繰る極大魔術、炎をぶつければ水の性質で応える 風に対しては土で応える為、突破するにはこの世に存在しない物質をぶつけるか或いは同じ万能属性をぶつけるより他ない


何故こんな魔術が存在するのか、何故こんなことが出来るのか それは魔女もデティフローア当人も分からない、全てが不透明な魔術


ともすれば、これこそは原初に対する反逆として、今は存在しない誰かが何もかもを犠牲に作り出した報いの一矢、或いは時を超えても次こそは決意を果たす為の誓いの証なのかもしれない



古式付与魔術

自らの体に付与する本来の形をした付与魔術、これを使うにはそもそも付与魔術に耐えることが出来る頑強な肉体が必要であり、強力なものを使おうと思うと肉体の鍛錬は必須となる



疾風我が手に宿り 颶風この身を走らせる、押し寄せ 押し退け 駆け抜けろ旋風『碧天・五風連理』


風を纏い高速移動を可能にさせる付与魔術、その速度と出力は旋風圏跳を遥かに上回るが、精密な動きは出来ない上旋風圏跳のように多岐に渡る応用も出来ない、完全な移動専用魔術


ラグナの性質に合っていないのか、上手く扱えない為 彼はあまりこれを使いたがらない


「砕拳遮る物は無く、 斬蹴阻む物無し、武を以て天を落とし 武を以て地を戴く、我が四肢よ剛力を宿せ 『十二開神・来光烈拳道』


凡そ十二の肉体強化魔術を付与するラグナのメインウェポン、使用すると全能力が一段階上へと伸び ただでさえ高いラグナの身体能力が一つの魔術として成立する程強化される


消費魔力と戦闘時間を合わせて計算した場合、この魔術が最も消費と効果の割合が取れているため ラグナもこれを多用する場合が多い


「天主天帝 武神光来、我が手の先に敵はあり 我が手の中に未来あり、武を以て守り 武を以て成す、我が五体よ 神を宿せ『二十八武天・釈提桓因神王鎧』


凡そ二十八の付与魔術で自らを強化する魔術、使用すれば身体能力は二倍以上に跳ね上がり体表を高密度の魔力で覆うことにより防御能力もまた上昇する、がしかし 消費魔力もまた高く 体への負担も大きさもラグナも使用を躊躇うほど高い




錬金術

デルセクトで隆盛する物質変換魔術、鉄を絹にしたり 石にしたり 果ては炎や電気と言った物質ではないものにも変換可能、デルセクトは錬金機構と呼ばれる装備を使い強化した錬金術を使用する


一部強者は己の肉体を別物質に変換し扱う戦法を使うが、これは高等技術であり卓越した錬金術の達人にしか扱うことは出来ない


Alchemic・flameアルケミック・フレイム

放った弾丸を爆炎に変え炸裂させる錬金術

基礎的な錬金術であり、デルセクト国家連合軍において取得必須魔術とされており、軍に所属する人間は下っ端から上層部まで全員使える


Alchemic・steelアルケミック・スチール

物質を鋼鉄へ変化させる術、鉛玉を鋼鉄に変化させることも出来るが それなら炎に変えた方が強いためあまり使われない


ニコラスはこれを肉体に使い、文字通り鋼の肉体にしての肉弾戦を繰り広げる


Alchemic・Electricityアルケミック・エリクトリシティ

物質を電撃へ変換する術、弾丸を電気に変えれば辺りに放電での攻撃を行えるが、アルケミック・フレイムと異なり取得必須ではない上使用難易度が高い為取得している人間は少ない


グロリアーナはこれで己を電気に変えることにより高速移動を可能としており、雷となって国内を飛び回ればものの数秒で端から端まで飛ぶことが出来る


Alchemic・bombアルケミック・ボム

物体を爆薬に変換する術、弾丸を爆弾に変えればそれだけで榴弾となる錬金機構と相性のいい魔術、メルクリウスが得意とし多用する魔術でもある


Alchemic・Desertアルケミック・デザート

物体を砂へ変換する術、弾丸を砂に変えたところで意味などない為あまり使われることのない錬金術ではあるものの、壁や盾なども砂に出来る為そういう点では便利とも言え


Alchemic・Glassアルケミック・グラス

対象を硝子へ変換する術、最も美しい錬金術と呼ばれる反面攻撃への転用は最も難しい錬金術の名を持つ、これを攻撃に使う人間はただ一人を除いて皆無


グロリアーナはこれを他人に使い相手を硝子変えて叩き砕く超高等技術により一撃必殺の大量虐殺技へと昇華させている


Alchemic・Waterアルケミック・ウォーター

対象を水へと変換する術、どんなものでも水に変えられるが 元となった物質の粒子が若干水に混じってる為、飲んだらお腹を壊すし 美味しくない、蒸留させれば飲める


メルクリウスはこれを雷を得意とするエリスとの連携において多用する


Alchemic・coolingアルケミック・クーリング

対象を冷却物質へと変換する術、凍らせるには至らぬが相手を冷やすくらいのことは出来る、基本工業用に用いられる錬金術だが 勤勉なメルクリウスは一応取得だけはしている


Alchemic・Magnum opusアルケミック・マグヌムオプス

究極の錬金機構であるアルベドとニグレド、それを肉体に融合させる為メルクリウスが用いた錬金術、錬金術とはいうが別にこういう魔術があるわけではなく メルクリウスが気合いを入れる為叫んだだけである、無言でも融合は出来た


Alchemic・Albedoアルケミック・アルベド

アルベドの力を得たメルクリウスだけの錬金術、空気中に存在する微量の粒子を結晶化させる錬金術、結晶は常に再生を繰り返している為 砕いても瞬きの間に元に戻る性質を持つ


Alchemic・Nigredoアルケミック・ニグレド

ニグレドの力を得たメルクリウスだけの錬金術、あらゆる物質を塵に変える悪魔のような力を振るう、人間だろうがなんだろうが質量を持つならなんでも塵に出来る


メルクリウスはこの力を人間に使うのは銃で撃つよりも残酷であると考えている為、対人では使用されない



古式錬金術

遥か古にシリウスが作り出し フォーマルハウトに伝えた錬金術本来の姿、ただ強力なだけでなく 錬金で作り出した存在に擬似的に意思を与え自動攻撃させることが可能、細かい命令は使用者の腕前に比例する為 メルクリウスはまだ魔女の様に自在には操れない



・蜷局を巻く巨巌 畝りをあげる朽野、その牙は創世の大地 その鱗は断空の岩肌、地にして意 岩にして心『錬成・蛇壊之坩堝』

地面や岩を頑健な岩蛇に変える錬金術、岩蛇は攻撃に対して硬化する性質を持つ為、破壊するには岩を操る魔術で内側から砕くか、硬化を超える勢いで叩き砕くより他ない



・羽ばたく斜陽 飛び交う炎熱、意思を持つ火炎 敵を穿つ焔火、黒羽は今炎光滾らせ迸る、焼き付けせ 穿ち抜け、我が敵を撃滅せよ『錬成・乱鴉八咫御明灯』


火炎の鴉を作り出し相手を焼き尽くす錬金術、銃を使うメルクリウスとの相性は良いが あまり強い錬金術ではなく、フォーマルハウトは進んで使おうとはしない



・紡ぐ魔糸 我が意のままに踊り、頑健なりし岩手となって空を伸び、敵を絡め取りその自由を奪え『錬成・膠灰縛糸牢』


混凝土の糸を放ち相手の動きを拘束する錬金術、人間相手には有用だが ある段階を超えた強者や獣にはあんまり効果がない



・燃えろ魔力よ、焼けろ虚空よ 焼べよその身を、煌めく光芒は我が怒りの具現『錬成・烽魔閃弾』


メルクリウスのメインウェポン、灼熱の蜂を弾丸の様に飛ばす錬金術、自動で追尾した上で対象を熱で焼き切り貫通し その上で爆裂を起こす、上位互換にこれを連射する錬烽魔連閃弾が存在する


・光輝なる黄金の環、瞬き収束し 閉じて解放し、溢れる光よ 永遠なる夜を越えて尚人々を照らせ『錬成・極冠瑞光之魔弾』


今現在メルクリウスの持つ錬金術の中で最も強力な錬金術、熱エネルギーや電気エネルギー 光エネルギーと言った この世のあらゆるエネルギーを作り出した上で弾丸の形に固め炸裂させる錬金術

銃を武器にし 弾丸が飛ぶ様を強くイメージ出来るメルクリウスに相性が良く、今現在の彼女にとっての奥義



・吼えた立てる大地、星よ 生まれ落ちたその形を変質させ 新たなる姿を私が与えよう『錬成・大錬土断崖』

土や岩を大量に作り出し壁にする魔術、発生まで時間がある為咄嗟の防御には向かないが範囲が広い為、拠点を作る防衛的役目ならば強い効力を発揮する



『紅光石化之魔眼』

魔眼を介して魔術を使うことができるフォーマルハウトならではの魔術、視線を通して相手を石へ変換する正に石化の魔眼、視線を合わせるだけで発動する為初見で使われると防ぎようがないが、タネは簡単であり 防ぐ方法は山ほど存在する



『錬成・無限鬼怪之腕』

地面から腕を大量に錬成する魔術、腕一本一本の握力は凄まじく 魔女の肉体でさえ握り潰す程強力、この魔術が派生し 現代のゴーレム生成魔術が作られた


『錬成・空駆葬送駒絡』

空気の猟犬を作り出し放つ魔術、空気である為見えず それでいてその牙は気圧の高噴射によりとてつもない鋭さを再現する


『錬成・鏡面惨禍 人形跋扈』

自分のコピーを土塊から大量に作り出す魔術、身体能力も完全にコピーされており 戦えば戦うほど知識を吸収し戦闘能力が増していく、正に人海戦術の極みの様な技、難点といえば自分と同じ顔したやつが全裸で相手に群がり殺される様を見なければならないくらいのもの



・その身を刃とし、その魂は鋼と化し 意のままに従う武器となれ、何人たりとも止める事なき気炎の劔よ、今ここに顕れよ『光顕 天断之矛』


人間を剣に変え扱う錬金術、剣に変えた人間の性質をそのまま剣の性能に変換される、本編中でフォーマルハウトは自分のコピーに対し使い 魔女さえ切り裂く刃に変えたが、人間としての性質を持ち合わせないコピーであった為ただのすごい切れ味の剣にとどまった


ちなみにエリスを剣に変えると形状記憶合金の剣になり、デティを剣に変えると振るうと魔術の出る短剣になり、アマルトを剣に変えると性根同様捻じ曲がった剣になる、ラグナは何故かハンマーになる



・煌めくは天蓋の光芒、燎原の母の抱擁、燃やし砕き 赫焉満る世界に一抹の希望は無し 光は無し 人は無し、押し潰せ『灼天 厭世落胤星』

フォーマルハウトの五つある秘奥の一つ、頭上に巨大山脈を作り出し 叩き落とす荒技、大気圏から炎を纏って絶大な質量が落ちてくる、たったそれだけだがフォーマルハウトの錬金術の中でも随一の威力を誇る


本来は四つある錬金術と併用して使いなるべく相手を逃さない様にし 、周りに被害が出ない様にした上で使う必殺の連撃の一部



・『錬成・白光戰刃之両翼』

『光顕 天断之矛』を自身に使いその両手を剣に変える魔術…いうより技、この世界のヒエラルキーの頂点に立つフォーマルハウトの肉体を使って作られる刃はこの世の何よりも鋭く硬い、何より本人の性質を受け継いでいる為 折られても削られても直ぐに元に戻り 切れ味が失われることがない


フォーマルハウトは近接戦が苦手、なので実はこれは必殺の奥義ではなく追い詰められたときに使う悪足掻きである


・灰は灰に、塵は塵に、水は油に 煤は金に 肉は石に、創り変わる世界 寂静蔓延る万界、我が手の延びる普天率土は今 灰に染まる、極大錬成『遍照流転 石界天満月』

フォーマルハウトの魔力の最大解放により行われる超広範囲石化、大陸のほとんどを覆う勢いで石化の力を使い、人も動物も植物も 有機生命体は全て石化する、『紅光石化之魔眼』はこれを魔眼を用いて簡略使用したものになる


古式呪術

肉体に直接影響を及ばせる魔術体系の名、使い手である探求の魔女アンタレス以外に使い手がおらず、現代呪術も存在しない為 事実上の失伝扱いを受けている


・その四肢 今こそ刃の如き爪を宿し、その口よ牙を宿し 荒々しき獣の心を胸に宿せ、その身は変じ 今人の殻を破れ『獣躰転身変化』」


体を獣に変える呪術、自らの体を凶暴な猛獣に変え戦闘を行ったり、相手を無害な小動物に変えて無力化したりと用途は多岐に渡る


条件として変身する対象が変身させたい動物の一部を身につけている必要がある



・此岸は彼岸、彼方は此方 彼の身は我が身、我が身に降りかかる艱難よ巡って廻って在りし場へ還り給え『双葬漆桶呪殺』


受けたダメージを相手と共有する呪術、自らのダメージの最大数を共有する相手の数で割った分のダメージになる為、ある意味防御と言えなくもないその本質は自爆技

アマルトはこの呪術の事があまり好きではなく 結局痛い思いするなら避けた方がマシと感じている為、攻撃を受ける際もこれを使おうと言う発想はあまり湧いてこない


使用条件は共有する相手の肉体の一部を自らの体に触れている事、この場合は血でも良い



・射干玉の酔い 黄昏の斜光、微睡みは意識を惑わせ 心を奪う、律し 操り 我が意のままに成せ『魅須羅儀之承香典』


同性を魅了し自在に操る呪術、使用条件は最も軽く 自分を美しいと感じる人間と目を合わせること、そうすることで詠唱を用いずとも相手を操る事ができる

当然詠唱を行えば相手を選ばず無差別に同性を魅了出来る魅惑の霧を発生させることもできる、が異性には甘ったるく気持ちの悪い匂いとして感じられ操ることは出来ない


また、魔力の扱いに長けた者には効かない場合もある



・神の身元を離れ 天より地に降り、名を捨て 体を捨て 新たな力を今与え給う『肉呪転華ノ法』


自らの肉体を変化させる呪術、髪を針に変え飛ばすなど使い方は多数あるがイマイチ使い勝手の悪い呪術、それを証拠にアンタレスもアマルトもあまり頼りにしていない



・人を呪わば穴二つ、この身敵を穿つ為ならば我が身穿つ事さえ厭わず『呪装・黒呪ノ血剣』


アマルトのメインウェポン、武器に己の血を這わせ硬化させる事で血剣として強化する呪術、硬化した血は鋼に勝る硬度を持ち 切れ味はベースにした武器の切れ味に比例する


血剣 血槍 血鎌など、ベースにする武器が違えば形状が変わるが、あんまり大きな物を血で覆ってしまうと貧血になるので注意、なので理論上は体を覆い血の鎧を作ることはできるが、そんなことしたら貧血で動けなくなっちゃう



・人を呪わば穴二つ、この身敵を穿つ為ならば我が身穿つ事さえ厭わず、憐れみの傷を抱き 幾千の戦場を超え、それでも戦う事を止めぬものよそれでも進め、この血はその道行きの手向けとならん『呪壊・黒王血千嵐』


黒呪ノ血剣を大量に作り出し射出する大技、ただ大量に出血しなければ使えない為 自爆自殺覚悟で使わねばならないかなり危険な技でもある



・労苦 際限なく、不法 限りなく、流血 止めどなく、天を覆う暗天は我が手 地を濡らす絨毯は我が血潮、世に生きるべき命無し 世に死すべき命無し、在るが儘に成し 成すがままにあるこの世は我が躯体、今夜帳を降ろそう 『呪界 八十禍津日神血膿』


魔力を込めた血を地面に流し、血の染み込んだ地面を自らの一部として扱う事で世界ごと相手を呪う大呪術、大地から生える呪の原液や視界全域に広がる弾幕などかなり凶悪な殲滅能力を持っており、シリウスもレグルス達相手への決め技として使用した…が


別にこれはアンタレスにとって最も強力な呪術というわけではない、寧ろこれは大技を使用する前の準備と言ってもいい


魔術陣

詠唱ではなくある一定の法則により決まった模様を描くことにより発動する魔術体系でありエトワールで主に隆盛している魔術、他の魔術と違い継続して発動させやすく 生活にフィットしたものが多い


『暖房陣』

生活に使われる魔術陣第1位、あったかい熱気が魔術陣の周辺に漂う、服に刻めば瞬く間にぽっかぽか、寒冷なる大地たるエトワールでは必須級の魔術陣、これを刺繍として刻み込んだ服が販売されてる程度には 一般人にも慣れ親しまれている


エトワールで使われる機会はないが、一応冷房陣もある


『赤熱陣』

暖房陣とは違いこちらは強い熱気を放つもの、暖かいというより熱い 迂闊に触ると火傷する、主にサウナなどに用いられるもの 暖房陣よりも複雑で書ける者が限られているので、暖房陣程生活には浸透していない


『光明陣』

光を放つ魔術陣、本当にそのままでそれ以上でも以下でもない、魔術陣の大きさで光量を調整出来る、主に豪邸の照明や劇場のスポットライトに使われる


『衝波陣』

魔術陣を中心に衝撃波を作り出す魔術陣、どちらかというと戦闘用であり あまり生活では使われない、強力なものになれば人の体を吹き飛ばす事も出来る程


戦闘用は戦闘用だが、軍事的に使われているかというと微妙、軍人はもっと強いものを使っている


古式魔術陣

魔術陣よりも複雑で かつ効果が強力なもの、現代魔術陣では実現不可能なことも古式魔術陣ならば可能であり 本来の形の魔術に近づいている


『脆退寂静の陣』

対象の力を大きく削ぎ魔力も知力も大きく封じる封印魔術陣、プロキオンが使えば魔女の力さえも削ることが出来る程強力なもの、ついでに体が縮み子供のようになるがそれは飽くまで副次的な効果である


解除法は術者自身が解くか、或いは魔術陣が刻まれた部位を削ぎ落としたり焼き潰したりすれば良い


『鏡面反魔陣』

自らに向かって撃たれた魔術をそっくりそのまま相手に跳ね返す反射魔術陣、これの存在が魔術陣という魔術体系そのものの地位を上げているほど重要なものであり、魔術を完璧な形で反射出来るのはこの魔術を置いて他にない


『幻夢望愛陣』

対象が最も恋い焦がれる存在の幻を見せ 夢へと誘う無力化魔術陣、これを使われればどんな存在も最愛の人への幸せな夢の中に囚われた動けなくなってしまう、居るかは分からないが誰も愛していない存在には効かない


『無限雫剣陣』

書いた魔術陣から無数の魔力剣が飛び出し相手を切りつける魔術陣、トラップとしても相手の行動への牽制にも使える応用性の高い魔術陣


『幻影陣』

相手に幻覚を見せる、というより自分の姿を模した魔力的な囮を作り出す魔術、使用者の魔力を元に作られているため 魔女でさえパッと見では囮かどうか判別は難しい


『闇戸神楽之陣』

魔術陣を中心に結界を張る魔術陣、光も音も停止する絶空の世界の中にあっては魔女も動けず 数分の拘束を余儀なくされるほど強力なもの、プロキオンはこれを必殺の前段階として用いている


『第六天魔陣・淤母陀琉阿夜訶志古泥』

魔術陣の秘奥 神代七陣の六つ目、無数の多次元世界を貫通する存在を作り出し 重ね、一つの世界を真っ二つに切り裂く絶技、世界ごと切り裂くので防御は不可であり 当てれば必殺となる



『第七天闢陣・伊奘諾伊弉冊』

神代七陣の7つめ 最強にして最後の魔術陣、世界と同質量の巨大な光の槍を生み出し相手へと叩きつける奥義、どんな存在も世界に生きる矮小な一存在であり これを弾くことが出来るということは、その者は既に世界を超克した存在 ということになる


試したことはないが、多分地面にぶつければ世界が滅ぶ



属性古式魔術

エリスとレグルスの使うスタンダードな古式魔術、火 水 風 土 雷など世界に存在する属性を自らの手足のように操り相手を叩く、ある意味最も攻撃に適した魔術である


・雷を侍らせ 滾れ豪炎、我が望むは絶対なる破壊 一切を許さぬ鏖壊の迅雷、万雷無炎 怨敵消電 天下雷光、その威とその意が在るが儘に、全ての敵を物ともせず 響く雷鳴の神髄を示せ『黒雷招』


八つある雷招系魔術の一つ、内側から相手を引き裂く雷としての性質に特化した魔術、火雷招程の破壊力はないがその分殺傷能力は非常に高い



・稲妻を纏い 降り掛かれ豪炎、我が意に応じ 天より現れ地上の全てを焼けよ閃雷 産めよ爆炎、神罰招来 悪鬼調伏 天号来々、その威とその意が在るが儘に、全てを罰し 煌めく天の恵みを分け与えよ『土雷招』


八つある雷招系魔術の一つ、天から迸る落雷としての性質を持つ魔術、天へ飛ば雲の中で育った雷が 強力な雷撃として地面へと叩きつけられる、発動から攻撃まで時間はかかるものの奇襲用としては一級の威力

とは言えやはり発射までの時間の長さがネックであり、当てるのは非常に難しいとエリス思われている


しかし、エリスはこの魔術の使い方を勘違いして覚えており レグルスもそのやり方を教えるのを忘れている、本来はもっと使いやすい魔術なのだが…



・焰を纏い 湧き上がれ閃雷 、我が声に応え隆起し 眼前の敵を消し去れ白炎 煌めけ雷光、爆炎雷電 壊烈現界 滅私亡敵、その威とその意が在る儘に、全てを抹消し 天まで届く怒りの咆哮を響かせろ!『鳴雷招』


八つある雷招系魔術の一つ、雷としての轟音や衝撃に特化した魔術、雷としての威力はそこそこだが轟く音は地平の彼方まで届き、目と鼻の先で炸裂すると強い光と音で相手の意識を吹き飛ばすことが出来る



・電を纏い 駆け抜けろ不知火、我が手に集い疾駆し 眼前の敵を切り裂け迅雷 伸びろ狐火!、一刀断炎 火剣雷刃 遍照万斬、その威とその意が在るが儘に、全てを切り開き 立ち塞がる全てに刃の一閃を!『咲雷招』


八つある雷招系魔術の一つ、武器に雷を纏わせ 雷剣に変え相手を焼き切る魔術、武器に這わせることで手数を増やす事を目的とした魔術ではあるのだが、エリスに剣の腕がない為この魔術の出番も少ない、エリスもこの魔術の有効活用法を模索中



・光を纏い 覆い尽くせ雷雲、我が手を這いなぞり 眼前の敵へ広がり覆う燎火 追い縋れ影雷!、紅蓮光雷 八天六海 遍満熱撃、その威とその意在る儘に、全てを逃さず 地の果てまで追いすがり怒りの雷を!『若雷招』


八つある雷招系魔術の一つ、通電し感電させることに特化した魔術、屋内で使えば壁や地面を伝い相手を纏めて感電させられ、相手を掴んで発動させればそのまま相手を感電させることも可能


また、レグルスレベルの使い手が使用すれば屋外でも広範囲魔術として使用も可能



・火天炎空よ、燦然たるその身 永遠たるその輝きを称え言祝ぎ 撃ち起こし、眼前の障壁を打ち払い、果ての明星の如き絶光を今 『天元顕赫』


圧倒的熱を作り出し目の前の全てを融解させる最上位の古式魔術、強力な熱は岩も鉄も形ある全てを溶かし消し飛ばす、その性質から炎熱っぽいがその実 光系の魔術である

レグルスが使えば豪雨を降らせる雨雲も消しとばし、その余波で濡れた森全てをカラカラに乾かす事も出来る



・降り注ぐ陽光は万物に齎される光の祝福、我が手の内より出ずる飛輪の寵児よ!今その祝福の光の一端を 刃と変え我が眼前を走れ!『金鳥明束刃』


眩い光を放ち それによって光熱を発生させる光魔術、攻撃以外にも光源としても利用可能であり光が届く位置にいるならば防御も貫通して傷を与えることが出来る、非常に強力な魔術ではあるが 巧みな魔力操作能力を要求され、ただ使うだけなら誰でも使えるが攻撃として使おうと思うと難しい魔術



・起きろ紅炎、燃ゆる瞋恚は万界を焼き尽くし尚飽く事なく烈日と共に全てを苛む、立ち上る火柱は暁角となり、我が怒り…体現せよ『眩耀灼炎火法』


業火を作り出し辺り一面を焼き払う炎熱古式魔術、その火力は現代魔術とは比較にならず 全開放すれば林程度なら一撃で巨大なキャンプファイヤーに出来る

しかし、防がれたりそもそも効かなかったり、今までの戦いで有力な成果を上げていない為 エリスにあんまり信用してもらえていない悲しき魔術


・水界写す閑雅たる水面鏡に、我が意によって降り注ぐ驟雨の如く眼前を打ち立て流麗なる怒濤の力を指し示す『水旋狂濤白浪』


大量の水を作り出しそれにより相手を押し流す水魔術、水の量は水筒一つ分から湖一つ分まで調整が可能であり、魔力操作で水流も作り出せる為応用性は非常に高い、エリスもよく他の魔術の組み合わせで使用することもありそこそこ信用されている

余談ではあるが、この水を飲んでも喉は潤されない、魔術を解除した時点で水が消えてしまうので飲んでも直ぐに魔力に戻り消えてしまい飲み水としては使えない



・ひび割れ叩き 空を裂き 下される裁き、この手の先に齎される剛天の一撃よ、その一切を許さず与え衝き砕き終わらせよ全てを…『震天 阿良波々岐』


空気を振動させ対象を破壊する風魔術、激烈な振動は岩さえも砕き 人間に当てれば全身の骨さえも打ち砕く威力を持つ、ただし射程距離は短く詠唱も長く予備動作も長い為当てるのは至難の技、その上あまり応用性は高くない為合体魔術への使用も難しい



・其れは幻の如く 焔の如く、水中の月の如く、虚空の如く、響の如く、蜃気楼の城の如く夢の如く影の如く、天喰らう大狼の如し、『歳星無礙 六根絶断』


他者の意識に直接訴えかけ一時的に消失させる識確魔術の一つ、意識を持ち動き行動する人間にとって謂わば防御法のない攻撃であり、どれほど強固な人間であっても使われれば瞬く間に無力化される



・五体 爛れ落ち、肢体 焼け落ち、其れは遍く人に訪れる苦しみ、生ある者に等しく与えられる、この定め 逃げ果せると思うなかれ『辰星阿陀那識・鏖壊空』


他者の識別能力を入れ替え 触覚と痛覚を入れ替える識確魔術の一つ、これは痛み これは感触 これは危険 これは無害、人はその手で触って物事を識別する生き物だ、がこの魔術はその識別能力を狂わせる


対象は触れる全てに痛みを覚えるようになり、風は剣に 来ている服は針の筵に変わり 血流の脈動にさえ痛みを感じ、ただ生きているだけで激痛の地獄で悶え苦しむ事となる


・『厭離禍雷招』

エリスが本来持つ火雷招に継続的な痛みを与える効果が付与されたもの、威力自体に変わりはないがより一層 人に害を与える存在となる、因みに正式な魔術ではなく エリスが使う合体魔術と同じ部類のものになる


・不信懈怠放免惛沈掉挙失念不正知散乱、八の随惑を束ね深層は今世界をへ具現する!、第七識『熒惑染汚意燃憐』


周辺の識別を操り 魔術を焼き切るように無効化する識確魔術、どんな力も知識から生じるものであり、その根幹たる知識を揺るがしどんな攻性情報も不成立とする、謂わば土台を崩す魔術

この魔術を超えるには知識を使わない攻撃が必要であるが、そもそもこれを超えるために思考している時点で知識の介入は避けられない



・塗り変えよ 我が意思で、作り変えよ 我が意志で、今ここに 新世を闢き打起こし 連綿と続く楔を切り落とし、今 世界は我が手足と化す、第七識『太白波紋 極至末那識』


世界を捻じ曲げ槍として放つ ように見え、その実槍のように見える攻性情報の塊を作り出す識確魔術、これを見た物は自らの持つ知識の中から最も近い情報を当てはめて見てしまう為 槍のように見えるだけである、なので槍を知らない人間がこの魔術を見れば もっと別の見え方がする

この魔術は魔術による防御も無効化して相手を貫く為ともすれば魔女にさえ傷を与えられる代物、当たるかは別



『旋風 雷響一脚』

エリスの全ての記憶を引き出す追憶魔術に於いて最強の一撃、今まで発動させた魔術その全てを蹴りの一発に込めて打ち込む技であり エリスの今までの戦いと旅の全てが注ぎ込まれたそれは、如何なる敵さえ打ち砕く 正しくエリスの必殺技


記憶を元に作り出している為 エリスの旅路が続けば続くほど威力は高くなる



特殊詠唱法

現代魔術 古式魔術問わず発動する為に必要な詠唱法、通常は決められた文言を口にして発動させるのだが、ごく一部の人間達は風変わりな詠唱法を持っている場合がある、それを特殊詠唱法と呼ぶ


取得難易度は特殊詠唱法を一つ会得するのにかかる労力は凄まじく、意図的に会得する者は少ない、主に部族の仕来りで強制的に会得させられたり 一族に伝わる一子相伝の技法であったり、そもそもその個人の特技が詠唱法に昇華したもの多い


・『跳躍詠唱』

エリスのみが使える特殊詠唱法、魔術を発動させた際発生する魔力の流れを記憶し 卓越した魔力操作で再現し 詠唱無しで魔術を発動させる離れ業、エリスの常人離れした記憶力と幼い頃から続けてきた魔力操作の訓練の賜物である


言ってしまえば魔力の流れを覚えて それをなぞるように魔力を動かしているだけなので、理論上は誰にでも出来る、が 再現出来るのは恐らくエリスのみ


・『超高速詠唱』

レグルスが得意とする詠唱法、聞き取れない程の超高速で詠唱を行い 魔術を連発し 時として凄まじい長さの詠唱さえ瞬く間に発動させる、頭の悪い言い方をすると早口詠唱の超凄い版


訓練すれば凄まじい速さで詠唱すること自体はできるが、レグルス程の速度で詠唱するのはほぼ不可能、シリウスは早口言葉が苦手なので出来ない


・『魔眼詠唱』

魔眼を媒介に魔術を発動させる技術、詠唱法ではなくどちらかというと魔眼術に部類される、眼に魔力を集める魔眼術の応用であり これを用いると詠唱の大部分を省略し目で見るだけで魔術を発動させられる、ただ 強力な物になるとやっぱり詠唱は必要


目で言葉を喋る そんな常人では理解出来ない感覚を理解出来る者だけが使用出来るとされており、今のところ使用者はフォーマルハウトのみとされている


・『逆流詠唱』

息を吸い込むと共に声帯を震わせ詠唱する法、アジメクとエラトスの国境付近に存在する少数部族 アグニ族固有の詠唱法であり、発声ではなく呼吸で詠唱を発動させる為 一般的な魔術詠唱に慣れ親しんだ者は面食らうことになる


しかし、息を吸い込みながら発動すると言うイレギュラーな方法で詠唱している為、魔術が外ではなく体内 主に喉で形成されてしまうと言う致命的な弱点が存在する



・『特殊詠唱』

他にも特殊詠唱を用いる者は世界にも多く存在する、『貯蔵詠唱』『反芻詠唱』『無声詠唱』『手足印法術』等 、いずれもかなりイレギュラーな詠唱法であり 初見殺しに近い特性を持つ物も多い


しかし、決して特殊詠唱使いだから強いと言うことはなく、結局一番安定するのは通常の詠唱法である、故に特殊詠唱法持ちも通常詠唱をメインに戦うのが基本である

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