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守護獣な私と巫女と呼ばれる彼女と、のんびり過ごす獣愛物語。  作者: にゃんたるとうふ
侍女と魔女の珍道中 ~鍵を求めて~
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獣の占い師

迷いの森を抜けた私とロズダさんは、そのまま歩き続けてバサル・ボウ国の森へと足を踏み入れた。

「まずは鍵を持っている者を探さなくてはいけませんが、そこはアメスリ・・・いえ、今はメリアスでしたね。に頼みましょうか」

「メリアスさんって、熊の獣人で占い師の方ですか?あっ、占ってもらうんですね!」

私の言葉に頷いてから、少しだけ補足を入れるようにロズダさんが口を開く。

「正確には少し違いますが、概ね合っているのでいいでしょう。違う所は会ってからのお楽しみということで」

「なるほど?―――ひゃっ!?」

ロズダさんの言葉に首を傾げる私でしたが、問い掛ける前に背負っているカバンが暴れだしたので驚きの声を上げる。

「窮屈っ!こんなところに押し込むなんて、ロズダが私を虐める!ユキナちゃん、私を癒やしてーっ!」

「えぇっ!?め、メルティさん!?朝から姿が見えないと思ったら、何でカバンの中に?」

「一緒に行くと駄々をこね続けたので、ついイラッとして・・・こほんっ。仕方なくカバンに隠れていてもらおうかと思いまして、ですがしっかりと手足を縛って猿轡も噛ませていたはずですが?」

言い直せてないですしハッキリと手足を縛って、って言いましたよね!?

「べーっ、だ!それはユキナちゃんへの溢れんばかりの愛の力で、と言いたいところだけど・・・本当は姉妹の絆の力なのだっ!」

そう口にしたメルティさんはカバンの中へと引っ込んでゴソゴソと動き、再び顔を出すとその手には青白い手に口と目が付いた見覚えのあるものが握られていた。

「あれ?それって、モルモニさんの・・・」

〈ユキナちゃん、昨日ぶりぃ。あたしが一方的な行為をしようとしてすぐだけどぉ、ユキナちゃんと離れるのに耐えられなくてぇ・・・仕込んじゃったぁ〉

そう語る青白い手に付いた目は照れ臭そうに視線を彷徨わせていた、いつの間に仕込んだのかとか色々気になることはあるけど・・・

「直接ではないですけど、またこうやって話せて嬉しいですっ!モルモニさん!」

私の言葉を聞いたモルモニさん(青白い手)は一瞬動きを止めたけど、すぐに口を開いて言葉を漏らす。

〈天使かなぁ?〉

「ユキナちゃんは天使だよっ!優しくて可愛いし、私の運命の相手だし!」

「メルティの世迷言は放っておいて、モルモニの知識は役に立ちますからいいでしょう・・・帰ったら少し話をしなければなりませんけど」

モルモニさんの呟きにメルティさんが同意するように声をあげ、ロズダさんはモルモニさんの同行を認めているようでした・・・ただ笑顔に黒いモノが見えるような、気のせいかな?

〈それじゃあ話もまとまったし先に進もぉー〉

「貴女が仕切るのですか、まぁいいのですが・・・それではユキナさん、行きましょうか?」

そう言ってこちらに手を差し伸べたロズダさんの手をしっかり握ると、ロズダさんは嬉しそうな微笑みを浮かべてくれた。

「ロズダずるい!私もユキナちゃんと手を繋ぎたいっ!」

〈あたしもユキナちゃんと手を繋ぎたいなぁ、それだけで終わる気はないけどぉ〉

背負っているカバンからそんな声が聞こえ、それをロズダさんが苦言を呈しつつ拒否しながら目的の人物であるメリアスさんのいる宿屋へと足を動かすのでした。



バサル・ボウ国の森を歩くこと数分、村に到着した私たちは獣人の方たちとすれ違いながら挨拶を交わしつつ目的地へと辿り着いた。

ちなみにメルティさんは青白い手を持ってカバンの中に戻っています、さすがに外に出ていると目立っちゃいますからね。

「メリアスさんはいるんでしょうか?とりあえずノックして・・・?」

宿他の扉を叩こうと手を上げた瞬間に扉が開かれ、疑問符を浮かべる私を尻目に中からメリアスさんがひょっこりと顔を出した。

「待ってたわよ、四人とも。さぁ、入って」

「ふぇっ?えぇっと・・・お邪魔、します?」

まるで私たちが来ることが分かっていたような反応に困惑しながら、私は促されるまま宿屋へと足を踏み入れた・・・って、四人?


宿屋に備え付けられたイスに腰掛けた私とロズダさん、さらにはカバンの中から顔を覗かせたメルティさんとモルモニさん(青白い手)を交えた五人でメリアスさんが用意してくれたお茶に口をつける。

「はふぅ・・・落ち着きます、突然訪ねてすみません。メリアスさん」

「気にしないでいいのよ、貴女たちが来ることは分かっていたから。それに聞きたいこともね」

そうなんですかと驚きの声を漏らす私に対して、魔女の皆さんは分かっていたとばかりに驚いた反応を見せていないことに気付く。

「では単刀直入に聞きますが、鍵はどこにあり、誰が持っているのですか?」

「もう少し世間話とかを挟もうとは思わないの?まぁ、いいけれど・・・」

ロズダさんの言葉にメリアスさんは呆れたような表情で小さく息を吐き、私が瞬きすると見た目がコロッと変わっていた・・・黒髪に茶色い瞳、ってその姿は魔女?

「メリアスさんって魔女だったんですか!?」

「正確には名前も少し弄っているの、魔女の場合はアメスリね。っとそれはいいとして・・・まずはリーファス国の巫女であるルルイに会いに行くことね、そうすれば鍵のある場所まで行けるわ」

驚く私に微笑みを向けてそう口にするメリアスさん改めアメスリさん、そういえば森と言われただけでリーファス国とは決まってなかったんでしたっけ。

「アメスリさん、ありがとうございますっ!さっそく会いに行きましょう、ロズダさん!」

「そうですね、あまり長居するのもあれですし・・・アメスリの場合はユキナさんに一目惚れなどしませんけど、念の為にですね」

立ち上がった私に合わせるようにゆっくり立ち上がったロズダさんは、そう口にしながらアメスリさんに目を向ける。

「たしかにその娘は可愛く見えるけど、生憎私にはもうそういう子はいるのよ」

そう口にして熊の獣人の姿に戻ったアメスリさんになぜか据わった目を向けるロズダさんの姿に、首を傾げながらも宿屋を後にするために出入り口の扉を開けた。

「わっ・・・!す、すみません・・・大丈夫?」

「は、はいっ!大丈夫です、ところでメリアスさん・・・いますか?」

扉を開けるとすぐに獣人の少年が立っていてぶつかりそうになったようで、よろめいていたので声をかけるとそう返されたので中にいることを伝えるとお辞儀をしてから宿屋へと足を踏み入れた。

「趣味は変わっていないようですね・・・」

「趣味?」

「ユキナちゃんは気にしなくていいよー、アメスリは特殊だからねー」

ロズダさんの呟いた言葉に私が反応すると、カバンから顔を出したメルティさんがそう返してくれる。

私は疑問符を浮かべながらも、アメスリさんが言っていたようにルルイさんに会いに行くためにリーファス国の方角へと歩みを進めた。

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